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消失点の野原

奥井晴弥

13,365 字

芸術と教育の物語、自己発見、人間ドラマ

"「見られたくない」少年と「隠したい」教師。二人が見つけた、真実の「野原」。"

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エピローグ

 1993年、4月。分校の理科室には一枚の絵が残されていた。それはどのコンクールにも出されることのない、無様で、混沌とした、けれど灼きつくような「赤」の絵だった。

 夏目は新しく赴任する学校へ向かう車の中で、窓の向こうの奥三河の緑を見ていた。助手席には大輔から渡された、ステンレスの定規が置かれていた。

 大輔は新しい学校へと向かうバスに乗り、五分咲きの桜を眺めた。
 そして真っ白なスケッチブックを広げる。バスの振動が、その白を、揺らしていた。

── 了 ──

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