鐘楼
高台から聞こえてきたのは、まるで大晦日の鐘の音のようだった。
ごぉーん、ごぉーん。ごぉーん、ごぉーん。
一定の間隔で鳴り響く音は、人が鐘を打っているとは思えないほど機械的に続いた。
迷惑だ、と思いつつ、人がいるかもしれないことに安堵している自分がいた。
廃墟と化したこの家も、拠点とするにはガラスも割れてしまって、食糧も尽きてきて、やつらが雪崩れ込んでくるか、自分が餓死する方が先か、時間の問題だった。
ふと考えた、いっそ自分が喰われてしまえばいいのではないか、と。しかしそれではここまで逃げた意味がないのではないか。
大切な人などもういない、友人も連絡が取れない、頼みの綱であったインターネットなんて砂の城に等しい。情報が欲しい。
壁に背を預け座り込んで頭を抱えていた。この先どうしよう、そう悩んでいると、再び外の音に耳が反応した。
ごぉーん、ごぉーん。ごぉーん、ごぉーん。
依然として一定の間隔で鳴り響く音は、人が鐘を打っているとは思えないほど機械的に続いていた。
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