← 作品ページへ戻る

夢うつつ

赤間世穹

9,466 字

幻想文学/私小説的夢日記

"その悪夢は、あまりにも美しい。目覚めても、あなたはまだ夢のなか。"

← 右から左へスクロール

猫

 にゃあと鳴く。
 母親を追って、トタンの屋根を通過して、母親が飛び降りたので、ついていこうと思い、飛び降りたところで目を覚ました。
 宙にふわりと浮かんだ感覚があった。本当に感じた。猫だったはずだから、猫であれば、相当高い場所でなければ、死なないはずだから。死んでいないと思うが。
 果たして、ほんとに自分の姿も猫だったのだろうか。
 最後に見た自分の手は、明らかに「自分の手」だった。そのまま、地面にぶつかる、その瞬間で目を覚ました。
 背中にヒヤリと汗が流れた。
 母親の姿は、黒猫だった。だから自分も、同じだと思った。
 けれど、違った。最後の最後で、僕は違うのだと思い知らされたようだった。
 ああ、もう見たくない。

── 第2章 了 ──

読んでくれてありがとう。良かったら作者にスキを送ろう。

作品ページへ戻る

コメント

まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。

しおりを挟みました