第2話
○スターライズエンターテインメント本社
○ミシェルの楽屋
ミシェル「……(この時間は……そう言えば
セラとジブリルが取材だったか。オリーと
ラフィーは、……)」(楽屋で雑誌を眺め
る)
スタッフA「失礼しまーす!ミシェルさん、
準備お願いしますー」
ミシェル「ん、分かりました、すぐに」
頭を切り替え楽屋を出る
○現場入り
スタッフB「ミシェルさん、やっぱり近くで
見ると品格があるなあ」
スタッフC「育ちの良さというか、僕たちに
まですごい礼儀正しいし、こっちも気持ち
いいよね」
スタッフB「ライブ見に行きたいなあ……ス
タヘブってライブ毎回凝ってるらしいし
ね」
スタッフC「ほんとに、僕たちなんて忙しく
ていけやしないのが悔しいな……」
ミシェル「Bさん、Cさん、おはようござい
ます。お疲れ様です」
スタッフB「おお、ミシェルさん!おはよう
ございます」
スタッフC「おはようございます、わざわざ
すみません」
ミシェル「いえ、挨拶は大事なことと存じて
いますので。それでは」(別のスタッフの
ところへ向かう)
スタッフB「まじで、いい子すぎるな……」
スタッフC「それな……」
撮影終わり
ミシェル「お疲れ様でした」
カメラマン「いやー相変わらずほぼ撮り直し
なしで助かるなあ!またよろしくね!」
ミシェル「こちらこそ」
○事務所廊下
ミシェル「……おや」
ハニー「はにーちゃんさんじょお!」
ミシェル「そうか、今日は学校休みなのか」
ハニー「そうよぉーね、ミッシェル、あたし
のことだっこして?」(両手広げる)
ミシェル「……すまないが、さすがにここで
は」
ハニー「えー!むー、じゃあハウスに戻って
からいーーーっぱい甘えてやるんだから!
ふんっ」
早歩きで去っていくハニーに「やれや
れ」と苦笑するミシェル
ミシェル「次は……(スマホ確認する)合流
して撮影だな」
向かい側の階段からオリー、ラフィー
が出てくる
オリー「あっ、ほら!ラフィー早く来いっ
て」
ラフィー「んー?あ、みーくんだーやっ
ほー」
ミシェル「ん?……ああ、兄弟も終わったん
ですね」
オリー「ラフィーが全っ然言うこと聞かなく
てさー」
ラフィー「えー?そんなことないよぉ」
ミシェル「相変わらずですね」
オリー「このあとってバラエティーの撮影だ
よね、女子3人組は?」
ミシェル「ジブリルとセラはふたりで撮影し
ているので、終われば合流するでしょう。
ハニーは先に向かったようです」
オリー「じゃー俺たちも行くか」
ラフィー「今日は何食べれるかな〜」
オリー「食べることしかないのかよ……」
ミシェル「ふふ☺️」
○スタヘブの楽屋
ハニー「おっそーーい!おそい!」
オリー「ごめんって」
ラフィー「はにーたんにはこれあげるね〜」
(手品でチョコを出して渡す)
ハニー「なによ、そんなんでつられないわ
よ!もらうけど!」
ミシェル「すまない、ハニー。遅くなってし
まって」
ハニー「良いのよん(チョコ食べながら)
ミッシェルのことはゆるしてあげる!あた
し優しいから!」
ミシェル「ありがとう」
オリー「えー俺たちは?」
ハニー「ふーんだ!」
ラフィー「手厳しいなあ」
少しして、セラとジブリルが楽屋入り
セラ「ただいまー!」
ジブリル「あらあら☺️」
ミシェル「来ましたね」
ハニー「ジブママー!」(ジブリルに飛びつ
く)
ジブリル「よしよし、相変わらず可愛いわね
☺️🫳」
セラ「あたしのママだもん!」
ミシェル「皆のママ、ですね」
ジブリル「あらあら、ミシェルくんにまで言
われちゃった🤭」
オリー「いつもこうなるなあ」
ラフィー「ママーだっこー」
ジブリル「全くもう☺️☺️☺️この子た
ちったら☺️☺️☺️」
オリー「これで24歳ってバグだよな」
ジブリル「何かおっしゃいまして?」
オリー「イイエナンデモゴザイマセ
ン」
ミシェル「(時計を確認して)そろそろです
かね」
ミシェルが言ってほぼ同時に、スタッ
フが呼びにくる
スタッフD「スタヘブさーん!そろそろ移動
しますー」
ジブリル「あら、ほんとね」
セラ「ロケだー!行っくぞ〜!」
ハニー「わーい!」
オリー「そんなテンションで行くと絶対疲れ
ると思うんだけど」
ラフィー「わーい」
ミシェル「ふふ☺️さあ、行きましょうか」
× × ×
○ロケ中、商店街
セラ「あそこの和菓子屋さん、ミシェルちゃ
んが好きなやつだよね?行きたい!」
ジブリル「私も食べたーい!☺️」
ミシェル「行ってみましょうか」
ハニー「えーはにーちゃんケーキ食べたー
い」
ラフィー「和菓子にも、ケーキみたいな甘ー
いお菓子があるかもよ?」
ハニー「えー?」
オリー「よし、(ハニーを抱き上げて)行く
か」
ハニー「なんであんたに抱っこされなきゃ行
けないのよー!ミッシェル〜!💦」
ミシェル「仲睦まじいですね」
ハニー「止めてよぉ!」
スタッフ爆笑
○和菓子屋にて
セラ「そう言えばミシェルちゃんのおうち和
菓子屋さんだっけ?」
ミシェル「ええ、そうですね。うちの餡子も
かなり美味しいですよ、ここのも捨て難い
ですね」
ジブリル「ほら、ハニーちゃん、いちご大
福。美味しいわよ?」
ハニー「むー」
厨房から店主が天板を持って現れる
店主「これなんてどう?ホイップクリームが
入ったどら焼き!試作品なんだけど、試し
てみない?」
ハニー「! おいしそう! 良いのあるじゃ
ない!」
ラフィー「良かったね〜あっ、僕にもくだ
さーい」
オリー「お前……大福にどら焼きに何個食べ
るつもりだよ!ww」
ミシェル「相変わらずの食欲ですね🤭」
ラフィー「美味しいからしょうがないよね〜
でも僕が食べるとみんな笑顔になってくれ
るから、それが一番かな〜☺️」
× × ×
○ロイのアトリエ
様々な準備を終え、撮影をし、プロ
ジェクト第一話の動画を投稿した。
その内容は……
メル「(自室にて)……あれ?あたし、さっ
きまでみんなとおしゃべりして……(周囲
や自分の手を見て)現実世界に戻って
る……?(別の部屋から音が聞こえてく
る)なんか聞こえる……行ってみよ!」
部屋を飛び出し、迷いながら音の元へ
向かう。
すると強い光が前方から差し込む
メル「わっ眩し……え?」
3人の人影、楽器を手に、音を奏でている
ギターを手にした青年が手を出して言う
ロイ「共に頂点へ行こう、我が同志よ!我ら
堕ちた光の羽は、世界へ叛逆する。その時
が来たのだ!」
メル「なんかよく分かんないけど凄そう!」
メル、カメラを足元に置き、3人の元
へ
(そして演奏が始まる──
動画はリバフォルの専用チャンネルに
載せられ、その動画のリンクをメル─
パトリシュ・ヴァンのアカウントで拡
散。すると瞬く間にその動画は注目さ
れた。
そして、彼らの目にも留まる。)
○ロケ撮影休憩中
セラ「ん?ぱてぃちゃんがなんか何も言わず
に動画のリンク貼ってるよ?」
ミシェル「パトリシュ・ヴァンのアカウント
ですか?」
セラ「なんか、サムネは見た事ない、という
か、ほぼ真っ暗……ねえねえ!みんなで見
よーよ!」
ラフィー「なにか見つけたのー?」
ハニー「いいじゃない、変なのじゃければ見
てやるわよ!」
6人で視聴し始める。
× × ×
別日、ミシェルがコメンテーターを務
めるスターライズニュースにて
司会「2115年今期のバズニュース!あの
有名個人VTuber、パトリシュ・ヴァ
ンが普段とは異なった雰囲気でひとつのポ
ストをしました。こちらをご覧ください
(画面にポストが表示される)ミシェルさ
ん、こちらご存知ですか?」
ミシェル「ちょうどグループで撮影をしてい
た時にセラが真っ先に気づきまして、皆で
視聴しました」
司会「そうだったんですね!このポスト、普
段は明るい前向きな発言を残すことでポス
トを見て元気になる、など言われているパ
トリシュさんですが、今回限り、この無言
のリンク共有……どんな意図があったんで
しょうか?」
コメンテーターA「普段とのギャップで、逆
に目を引く構図を作り出したんでしょう
ね」
ミシェル「普段はかなり絵文字が多かった
り、話しかけるような文言が多い印象でし
たが、確かにこれは目を引きますね」
コメンテーターB「通知オンにしてたファン
たちはびっくりしたでしょうなあ!」
司会「ええ、そんなこのリンク先ですが、リ
ンク限定の投稿で、このURLからしか見
れないそうです。こちら、一度視聴してみ
ましよう」
(動画が流れる)
司会「……これは、なかなか引き込まれます
ね」
コメンテーターA「これ、喋ってるのは本
人?」
ミシェル「はじめに話していた女性はきっと
パトリシュ・ヴァン本人でしょう。ただ確
証はありませんので、(カメラに向かって
微笑み)あまり本気になさらないでくださ
いね」
コメンテーターB「この後に喋ってた男の
子?なかなか面白いねえ」
司会「独自の世界観を体現しているかのよう
なこの動画、チャンネルには全くと言って
いいほど情報が無いんです。これから徐々
に情報を増やしていくんでしょうか?」
ミシェル「タイトルの#0、というのが気に
なりますね。正体不明の謎の音楽サーク
ル……きっと個人の集まりなのでしょう
が、その奏でられる音は本物と言えます。
いつか、私たちと共に歌える日を今から心
待ちにしています」
司会「ええ、この番組はこれから彼らの動向
を追っていこうと──
○りばふぉる拠点、リビング
テレビを消すアイナ
メル「良いね〜!あの番組に取り上げられた
らもううなぎ登りに数字上がるね!」
アイナ「そもそもこの番組何よ」
メル「あれ、見たことない?スターライズ
ニュースは、スターライズエンターテイン
メント独自のニュース番組で、主に音楽
ジャンルを取り扱うニュース番組なの。人
でもバーチャルでも何でもね!それにミ
シェルくんが既にあの動画見てくれてる
し、あの人たちに周知されてたらもう……
もう!最高じゃない⁉️」
ロイ「ああ……頂点はすぐそこだ😌」
エト「……そう簡単かな……?」
アイナ「そうよ、大袈裟じゃない?」
メル「あの人たちの影響力知らないで
しょー?あたしだって取り上げて貰えるよ
うに音楽頑張ったんだから!それでここま
で来たんだよ?それくらい凄いの!」
ロイ「それにしても、こんな策略があったと
はな。感心するよ」
メル「でしょ!もっと褒めていいよ!」
アイナ「でもここからどうするの?」
メル「それじゃあ、第二の作戦会議だね!」
× × ×
○SIGMA芸能プロダクションにて
トロイ「…………息子のやつ、動き出した
か。ようやくと言うべきか、だが……」
カフカ「まずは素晴らしいスタートを切り出
した彼らに、拍手でも送ってあげたらどう
かしら?」
トロイ「ふん、俺の息子だぞ?遅いくらい
だ」
カフカ「あらそう?そんなことないと思うけ
れど。トロイくんは相変わらずね」
トロイ「貴様こそ……帆志苑(ほしぞの)カ
フカ」
カフカ「あら、やめてよ恥ずかしいじゃな
い」
トロイ「思ってもないくせに……貴様の所の
倅たちはどうなんだ」
カフカ「嫌な言い方。あの子たちはやりたい
ことをやらせているの、僕の管轄外よ。あ
る程度は任せてあげると、良く育つのよ。
あんたのとこと違って、ね」
トロイ「本当に食わんやつだ。例の、スター
ヴォイスフェスに間に合えば……息子達が
勝ち取り、俺が貴様を倒すことができ
る……!」
カフカ「(笑いながら)待ってよ、ねえ?た
とえ彼らが勝っても、息子たちの手柄で
あって、あんたの手柄じゃないわよ?それ
に別に僕は勝負なんてしないの。少なくと
もあんたとはね」
トロイ「🫵今に見てろよ、後悔しても遅いの
だからな」
カフカ「ああそう。(扉へ向かいながら)彼
らは、スターライズヘブンは、(扉に手を
かけながら)僕の手から育ち、林檎になる
の。禁断の果実、食べ合いっこしましょう
ね♪それじゃ(部屋から出ていく)」
トロイ「………………ふん、奴なら越える
さ。……あれは昔の俺だ」
× × ×
○りばふぉる拠点、リビング
再び黒板の前にメルが立つ
メル「ハーイ!皆様〜!これからのこと考え
ていこうと思いまーす!」
アイナ「どうすんの?」
メル「あたしたちってまだ駆け出しで、まだ
何も長期的な準備は出来てないよね?そこ
で!まずは長期的な目標から!どうか
な?」
ロイ「長期的な目標。所謂第一目標という名
の指標だな、それならば一つ案がある」
メル「お?なになに?👀👂」
エトとアイナは首を傾げて目を見合う
ロイ「スターライズエンターテインメント主
催、音楽の大典スターヴォイスフェス。個
人から団体まで、アマチュアからプロ
フェッショナルまで幅広い参加者を募り、
オーディエンスにそれぞれ好きな参加者に
投票してもらい、投票数の合計が多い者
が、最終日で大きなステージを陣取り、パ
フォーマンスすることが出来るという、
ビッグイベントだ。とはいえ、知らない者
もいるだろうが、業界ではかなり騒がれる
話題だ」
3人の「おー!」「へー」「そうなん
だ」が重なる
メル「それはいつだっけ?」
ロイ「まずこのフェスは、古代ギリシアの大
ディオニソス祭をパロディしたイベント
で、計五日間にわたるイベントだ。初日、
音楽の神である弁才天の神輿が会場まで担
ぎ込まれるところから始まり、そこから順
に一曲ずつ参加者たちはライブを披露して
いく。ジャンルは問われず、音楽であれ
ば、歌やラップ、ダンス様々なライブが一
度に味わえる。そしてこの五日間の祭りは
十二月二十一日からはじまり、二十五日に
閉幕する」
再び3人の「おー!」「へー」「そう
なんだ」が重なる
メル「まずはこれだね!1年の締めくくり
にって感じかな?クリスマスにこれがあ
るってすごいね!」
アイナ「でもこれ、学生は無理ゲーじゃな
い?出れるかな……」
ロイ「そうだな。もし、親が何か言ってくる
のであれば、僕に伝えて欲しい。アイナの
代わりに僕が説得しよう」
アイナ「……でも、数ヶ月、でしょ?」
メル「それまでにいっぱい練習して、いっぱ
い投稿して、いっぱいファン増やしちゃ
お!目指せ!登録者百万人!いや、一億
人!」
アイナ「言い過ぎでしょ……」
ロイ「なに、目標は高くていい。それだけ上
を目指せるのだからな」
アイナ「……そう?🤨」
エト「できる限りの事をして、みんなに伝え
るんだ」
メル「そうそう!そうだよ!」
ロイ「しかし気掛かりなのは、正体不明の謎
の音楽サークルと思われている我々が、あ
の場に行くことだな」
メル「正体不明ってつまりさ、何者か分から
ない、ってことでしょ?顔が分かったって
どうってことないよ!ロイくんとかエトく
んの場合は分かんないけど、あたしたちが
実はこうです!って言わなければいいんだ
し。憶測だけ飛び回って、あたしたちは、
あたしたちはあたしたちだよって示すの!
それだけでいいんだよ!多分」
アイナ「多分、ね」
ロイ「まあ、そのための準備だな。機材を一
式揃えよう。メルは既に自宅から持ち込み
済みか?」
メル「ちょっとだけね!後で母さんに手伝っ
てもらって本格的に引っ越すよ!」
ロイ「アイナは?」
アイナ「あたしはほら、スマホでずっとやっ
てきたでしょ。あんたは知ってるで
しょ?」
ロイ「そうか……ならば休みの日でいい、パ
ソコンやタブレットを買いに行こう。ソフ
トやら色々必要だろう」
アイナ「😮……ん?え?なんで??い、良い
わよ別に!いらない!」
メル「なんでよー?せっかくだからいいじゃ
ん!あ!みんなでさ、今度ショッピング
モール行って買い物しよ!そんで、みんな
でお昼ご飯も食べちゃお!」
ロイ「異論は無い」
エト「うん」
アイナ「ええ……?」
メル「やだ……?」
アイナ「(3人の顔を見回して)い、行くわ
よ!行けばいいんでしょ!」
ロイ「無理はして欲しくないが、大丈夫そう
か?」
アイナ「平気よ!でも、別に高いものなんて
いらないからね!」
まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。