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俺の中の懲りない面々 ―三部作

Makoto Yaoi

5,245 字

そこそこ真面目、でもちょっと不器用な男の哀しくもおかしい日常物語

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第二章 『後ろ姿に魅せられて』

最近の雨続きで、出かけることができていなかったが、今日は久しぶりのいい天気。運動不足気味の俺は、公園へ散歩に行くことにした。

家の近くには結構広い公園があり、その中を歩くだけでもいい運動になる。
最近買ったランニングシューズを履いて、散歩に出かける。

今日は少し汗ばむくらいの陽気だが、時折風が吹きとても心地いい。 
犬の散歩に来ている人や、ランニングをしている人、年配のご夫婦や、子供連れの家族など、いろんな人たちがこの公園を利用している。

歩道の周りには背の高い木が植えられていて、太陽の光が所々遮られいい感じの木漏れ日になっている。

そんな中を歩いていると、前にすっごい美人が歩いているのに気がついた。 
後ろ姿しか見えないので、顔を見ることはできない。 少し小柄で、細い手足。綺麗に伸びた背筋。長い髪、短めの T シャツにウォーキング用のパンツを履いている。くびれた腰がすごく細くて、華奢なのがよく分かる。歩くたびに、黒い髪が左右に揺れ、見とれてしまう。

かつての失敗が蘇り、思わず自分の身だしなみをチェックした。おかしくはないよな?

少し歩調を早め、彼女に追いつこうとするが、なかなか追いつけない。彼女意外に歩くの速いな?
少し小走りになる。

追いついた!

そして勇気を振り絞って声をかける。

「あの、すみません」 ちょっと恥ずかしくて、俯いてしまった。

「なんですか?」 

ちょっとハスキーな感じの返事が聞こえてきた。
意外な声だな、と思い顔を見上げると…… 

人生の大先輩がそこにいた。

しまった……やっちまった!!

「あ、……本日は、いいお天気ですね。あの、あ、歩くのが、お速いですね。とてもお元気でいらっしゃる。」

めちゃくちゃ気まずい。

俺がぎこちない挨拶をすると、大先輩は、品定めをするかのように、俺の頭の先から足の先までじっくりと目線を這わせた。

そして、少し鼻で笑って 
「……あなたみたいな若造が、私に声をかけるなんて──100年早いのよ」

とピシャリと言われてしまった。

「はい。すみません……。」

学校の先生に叱られた時のように、下を向いて、だんだん声が小さくなる。

そっと顔を上げると、もう大先輩はいなかった。

ずっと向こうに、姿勢よくすらりと歩く“後ろ姿美人”が見える。

大先輩はやっぱり、歩くのが速い。

── 第2章 了 ──

読んでくれてありがとう。良かったら作者にスキを送ろう。

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