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2つの恋の物語

Makoto Yaoi

1,441 字

恋愛掌編、叙情詩的

"二つの瞬間に宿る、甘く、そして濃密な恋の息吹。"

2人の女の子の別々の恋物語を描いています。

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第二章 由実の場合『影がひとつになるとき』

二人の笑い声が止んだ。

静寂が満ちていく。

無音が響き渡る空間に、

椅子を引く音が投げ込まれた。

恵一は静かに立ち上がると、

由実の目の前で止まった。

机に落とされた二つの影が一つになったとき、

恵一は唇をそっと由実のそれと重ねた。

由実の温かな鼻息が
恵一にかかった。

重ねられた唇がそっと離れ、
互いの接点が最小限になった時、

恵一は首を前に傾け、

そのまま右手を由実の後頭部に添えた。

温かな日差しの香りが二人を包み込む。

重ねられた唇は、
お互いの稜線を平らにししていく。

再び静寂が広がる。

机に置いた指が微かに動き、
互いに触れ合った時、

由実はビクリと肩を上下させた。

恵一はうっすらと目を開き由実の動きを捉えた。

しっとりと濡れた唇は上唇からはがされ、
下唇の最後の部分まではがされたとき、

二人の湿り気のある吐息が絡み合った。

二人の目線は一つになり、

互いに逸らすことさえできなかった。

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八尾井真(やおいまこと)
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内省型語学教師です。
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── 了 ──

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