第2話:発端は中華街にあり『タイムリーパーあゆみ:ヨコハマ探偵物語』
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シーン3 中華街で事件発生!
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・横浜・伊勢佐木町界隈をぶらぶら歩く2人
小林聡美さん風N「横浜・伊勢佐木町界隈。 昔から、探偵事務所が似合う街」
秀樹さてどうする
歩大体の目安はつけてあるんだやっぱこの辺り、伊勢佐木町界隈だと思うんだよな
秀樹いま歩いてるこの辺りか……パッと見だけど…ちょっとね…、治安的にどうなの?
歩この界隈は横浜で最もディープな地域だから…でも昔と比べたらだいぶ治安も良くなった!とガイドブックに書いてあったぞよ濱マイクの事務所も確かこの近くにあったしな
秀樹でも雰囲気が…ねぇちょっとビビりながら歩いてるよ俺何が自慢って、腕力ないことだからな俺は何かあったら、歩ちゃんおいて一目散しちゃうかもだよ?
歩いや、秀樹は絶対にそれはしないなそっち選ぶなら、コテンパにやられちゃう方選ぶ人だよそこはわかってんだ私
秀樹(ちょっとくすぐったい)さて、どうですかね…
歩まぁ青葉区や都筑区でマダムの浮気相談案件に明け暮れるか?この界隈でドーンと派手な事件を手掛けるのか?マーロウならどっちだと思うよ?
秀樹まあこの界隈だろうな、で、悪徳警官に殴られるんだな、ブラックジャックで(笑)
歩そう言うこと(笑)まずはともあれ腹ごしらえだなせっかくの横浜だ、中華街でランチといこう
・中華街
中華料理店に入る2人。看板「四川楼」。座席に向かい合って座るやいなや、歩メニューも見ずに即注文。
歩お姉さん、麻婆定食2人前ね
秀樹(珍しく自己主張)えっ!?俺、ベロがしっかりラーメン餃子だったんだが
歩分かってないな秀樹くん(入り口の方を親指で指して)入り口に書いてあったろ”四川”って”四川”ときたら麻婆食べなきゃ話にならんよ
秀樹(すぐに主張引っ込めちゃう)まぁ、麻婆も好きなんで良しとします
歩四川の麻婆はさサンショの辛さがバチーんとくるぞ、バチーんとそこが美味いんだ!って実はこの店、パパと前に来たことがあって麻婆めっちゃ美味いんで秀樹おじさんにも食わせたかったわけ
店内に所狭しと貼ってあるメニューを眺めながら、料理が出るのを大人しく待つ二人。
秀樹スゲェなメニューの数
歩こういう店が美味い! なんでも出てきて、なんでも美味い! ってパパが言ってた
厨房の奥がなんだかザワザワしてきたと思ったら「怒鳴り声」
健二親の言うこと聞けないんだったら出てけ!
健三郎やだね、だったらオメーが出てけ!
健二なんだとこのクソガキが!誰の家だと思ってんだバーカ!
健三郎俺の家でもあるんだよバーカ!バーカ!
お皿の割れる音2連発 ガシャーン、ガシャーン。
歩今、割れたね、皿
秀樹2皿割れた、多分我々の麻婆ちゃんだろ
歩なぜそんなこと分かる?
秀樹だって今、店には我々しかいないだろ?当然我々の皿だろうよ
歩、お運びの女性に聞く
歩そうなの?
女性、伸びをしながら後ろを振り返り、厨房を覗き込んで振り向いて親指立てて「グーっ」を2人に見せる
秀樹(ちょっと得意)ホラ、やっぱ
その間も飛び交う怒声
歩(少し腰を浮かせて)止めなくていいんですか?止めましょうか?
女性最近しょっちゅうコレ、止めてもいい…ケド多分止まんない
高校生くらいの少年と父親らしき中年男性が、取っ組み合いながら出てくる。
健三郎なんだこの野郎
健二それはこっちのセリフだよ、なんなんだよこの野郎
健三郎、父親の手を振り払って
健三郎このオンボロ中華、継ぐ継がないで、なんで毎回こうなるんだよもういいよ、お客さんもいるし、ちょっと出てくるから頭冷やしとけクソ親父
乱暴にドアを開けて店を出ていく健三郎ドアをバン!と閉めそうになって客がいるのに気づき、そっと閉める
歩、秀樹に耳打ちをする。
歩これは幸先良く、って感じですか?
秀樹何が?
歩初仕事の匂いがするんだな、私には
秀樹こんな親子喧嘩、探偵の出る幕じゃないだろうよ
歩いやいやわからんよ、秀樹くんも仕事にはもっと貪欲にならないと
秀樹そんなもんかね?
歩待っていても仕事は来ないよ私ちょっとあの彼氏追いかけるから秀樹おじさんは、親父さんから事情聴取しといて
言うなり店を飛び出す歩、少年の姿はもうどこにも見当たらない、走って店に戻る歩。
歩お姉さんお姉さん、こんな時、彼の行きそうな場所分かります?
女性まぁ大体、山下町公園だと思うヨお店出て左、まっすぐ行くと右側の公園中華っぽいからすぐ分かる
歩サンキュ!ちなみに彼の名前は?
女性健三郎ネ
歩ありがとー
再び勢いよく店を飛び出す歩。小走りで公園を探す。
歩(公園を発見、スピードダウンして歩く)これだな?これだろ、確かに中華中華してんなこの公園
・山下町公園
一人でベンチに座ってる少年を発見、近づきながら、いきなり声をかける歩。
歩よう、健三郎くん
健三郎(一瞬びっくりして振り向いて)な、なんだよ、誰だよあんた?
歩いま店にいた客でーす、客
健三郎あっ、そりゃどうも。すみませんでした騒がせちゃって
歩客でもあるのだが、実はこう見えても探偵でもある!私は
健三郎ずいぶん若い探偵さんですね、俺と同じ歳くらいじゃないの?
歩今年の3月に高校卒業したばかり
健三郎あぁ、じゃあいっこ年上ですね、俺いま高三だから。でも本当に探偵なの?
歩今週中にはそうなる予定で、探偵に何か依頼はないかしら?
健三郎そうだなぁ、じゃあ依頼はともかく本当に探偵だったら、さっきの喧嘩の原因推理できる?
歩年上の女探偵を舐めてはいけないわよ、そうね……
歩、両手の人差し指を頭の横に着けて、くりくり回す。
健三郎なんすかそれ?
歩私もよく知らないんだけど、去年亡くなった私のパパとかさっき一緒にいたおじさんとか昭和40年男が、何か考える時に良くやるポーズなんだが……推理にいいのかな?
「健三郎、健三郎」と近くに座っていた還暦男が健三郎を手招きする。
健三郎なんだよ、建造おじさん
健三郎、おじさんの傍に座ると、おじさんが耳元でゴニョゴニョ。健三郎、歩の隣に戻ってきて。
健三郎おじさんによるとそれは、アニメで一休さんがトンチを捻り出す時にやるポーズらしいよ(おじさんに振り返って)ってか一休さんて誰よおじさん
歩私も誰っ?て感じですが、推理は出来ました
健三郎多分間違ってると思うけど、教えてください
歩あなたは、あの中華料理店を継ぎたいと思っている!
健三郎おっ!
歩最初は喜んでいたお父さんは、最近になって急にダメ継がせないと言い出した!
健三郎すげえ!当たり!大抵の人は逆を言うのに
歩そうね世間で良く聞くのは、親は継がせたい子どもが嫌だ、俺は俺のやりたいことをやりたいってパターンだわね
健三郎そうそう、なんで喧嘩してたんだ?当ててやろうか?っていう人はみんなそっちなっ優一、お前んちもそうだもんな
近くのベンチに座っていた少年に話しかける健三郎。
優一そうそう、うちはまさにそれ、で、最後はいつも大喧嘩でも健三郎んちは逆だな、珍しいパターン(笑)
健三郎こいつんち、うちの隣で店やってて、俺ら幼なじみです
優一んちわ、香港料理屋の一人息子っす
歩一人息子じゃぁ、お父さんも後継いで欲しいかもね
優一でも親父は最近まで『継いでも継がなくてもどっちでも……』って言ってたのに急に『絶対に継げ!』ってそれはそれで妙なんだよな。まぁ俺はゼッテーに継がねーけど
歩確かに、健三郎くんちと正反対これはこれで考えるべき問題な気がしてきたぞ
優一まぁうちの場合は、単なる親父の気まぐれの気もすっけど……
歩もちろんそうかもだけど……隣あったお店で同じ時期に、全く反対なことが起きるって、なんか不自然というか”結果は逆だけど根は一緒”的な感じもするんだよなぁお父さん同士も仲は良いの?
健三郎親父たちも幼なじみ同士で、特に仲悪くはないけど……なっ
優一でも、仲良いってほどでもねーよなでも大人になったら、そんなもんじゃねーんすか?
歩私もまだ18だからねぇ、どうなんだろうねそのあたりってにしてもこの公園って、あなたの知り合いだらけなんだね
健三郎そう、中華街で生まれ育って小さいときからみんなここで遊んでお店で働き出したらここで休憩歳を取ったら毎朝ここで太極拳、だもんな
優一中華街ってね、ちょっとした小宇宙なんすよ住んでる人間からすっとそれにしても、お姉さんなんで分かったんすか?健三郎んちの喧嘩の原因
歩私、歩っていうんだお気に入りの名前だから、歩って呼んでもらえると嬉しいよ
健三郎じゃあ歩さんの推理を教えて
歩お店の奥のテーブルに、調理師専門学校のパンフが置いてあったで、願書が完全に記入済みだったの
健三郎確かに…、昨夜書いて置きっぱだったわ
歩壁にかかっていたお父さんの調理師免許の隣に、同じ専門学校の卒業証書が飾ってあったお父さんが、その学校を卒業したことを誇りに思っているからでしょ
健三郎そそそっ、その通り
歩最初は、あなたが同じ道に進むことを嬉しく思ってたから願書も書かせたでも最近になって態度が急変で、毎日大喧嘩。どう?
健三郎お見事!当たりです
歩さあ!どう?なぜお父さんが心変わりをしてしまったのか?私に調査を依頼する気になった?
健三郎それを知りたいのは山々なんだけど高校生ですからね、依頼費が払えないです(優一に)なっ
優一そうな、それに金払ってまで知りてーって話でもねーしな
歩我が事務所、記念すべき最初のお客様ということで出世払いも考えなくもないわよ
「健三郎、健三郎」と近くに座っていた還暦男が健三郎を手招きする。
健三郎なんだよ建造おじさん
健三郎、おじさんの傍に座るとまたもおじさんが耳元でゴニョゴニョ。健三郎、歩の隣に戻ってきて。
健三郎建造おじさんがちょっと話があるってさ
歩と健三郎、建造おじさんの隣に移動して。
歩はい、お伺いします
建造私はこの健三郎の叔父で建造と言います健三郎の父親である健二の長兄にあたります
歩はい
(会話の様子と再現V)小林聡美さん風N「”四川楼”は元々建造さんたちのお父さん、 健三郎くんのお爺さんが始めたお店。 本来長男である建造さんが継ぐのが道理ですが、 若い頃、少々道を外れていた時期がありまして。 そんなこんなで、現在本家を継いでいるのは、 健三郎くんの父親である、次男の健二さん。 三男四男の下の兄弟2人は、 それぞれ横浜市内で、四川料理店を経営しているんだとか」
建造私は兄弟の経営する3軒の店舗をグルグルと回りながら、面倒を見てもらってますお恥ずかしながら、いわば厄介者でして
親子喧嘩取っ組み合いの様子インサート(音声ノイズあり)
小林聡美さん風N「あたかもリア王のような建造さん。 彼から見ても、健二さんの急変ぶりは腑に落ちないという。 あれだけ健三郎さんが後を継ぐことを望んでいた弟の心が、 なぜ、急に、変わってしまったのか?」
建造私も若い頃は少々無茶をやっていたクチですので健二の心変わりに、危ない何かを嗅ぎ取ってしまうんです何か尋常でない理由がある、そんな気がしてならない依頼費は私が負担しますので弟の心変わりの理由を探ってはいただけませんでしょうか
歩分かりました!喜んでご依頼に応えさせていただきますでも…本当に私なんかでいいんですか?ぶっちゃけ素人っすよ、ほぼほぼ
建造お願いします、先ほど立派な推理も伺ったし何より、社会の裏を中途半端に見過ぎた探偵さんよりあなたが適任だと感じたものですから
歩はぁ…それはどうも…
・四川楼前
健三郎、建造と別れて店に戻ってくる歩。
シャッターを閉めた店前に佇む秀樹。
歩はっはぁー、秀樹くんは交渉決裂だな
秀樹まぁ、そういうこった
歩ちゃんと私立探偵だって名乗ったの?
秀樹そんな嘘はつけないよ、だって正式にはまだじゃん要らぬ詮索お断り!ってことで……シャッターガラガラ……ピッシャーン
歩そうか、まあ当然だね、それはそれでいいやとりあえず私は依頼を受けてきたから
秀樹まじかぁ…(ガックリのポーズ)早くも歩ちゃんに、おんぶに抱っこの予感?
歩まぁまぁ、そこは持ってる人か、持ってない人か、だからさしょうがないってことで、ネッ私は早速、明日から着手するから事務所探しの方、秀樹おじさんよろしく頼む
・翌日、歩、健三郎、優一と3人中華街を巡りながら、 それぞれの店前でメモをとる歩。
・不動産屋の内見で物件についていく秀樹。
・別の物件内見の秀樹。
・書類に記入する秀樹。
・中華街の住人らしき人々に聞き込むをする3人。
・契約書に印鑑を押す秀樹。
・階段を降りて、事務所を後にする秀樹。 通りに出て2階にある事務所を振り返って…。
秀樹よし!歩ちゃんびっくりするかなぁ?
軽い足取りで歩き出す秀樹。
翌日、秀樹に案内されやってきた歩。
・コンビニ前
歩さぁどんな事務所かな?秀樹君が選んだ事務所は、さぁ行こう!
秀樹もう着いてるよ、ココだよ目の前
歩ん?コンビニじゃん、事務所に案内してよ事務所だよ事務所
秀樹だからここだよ、ここの2階
歩あー、コンビニの2階ね…まぁね、それはそれで便利かもしれないね何かと…ね夜食とかすぐ買えちゃうしつーか、本当にコンビニ好きなんだね秀樹君はさ
咳払いが聞こえるうぉっほん!うぉっほん!
歩何やら聞き覚えのある咳払いが…
店長歩の後ろから挨拶
店長こんにちは、うぉっほん!うぉっほん!
歩(びっくりして飛び上がる)うわっ!!びっくりしたうっわー咳払い、耳にかかったぁ、やめて…(振り向くとそこには…)アレェー、店長さん?
秀樹そうなのよ、ここも店長さんが持ってるフランチャイズ店なのだから格安で貸してくれちゃったのさ
歩あっそう、そうなんだ(店長に意外とペコペコする歩)あっ、その節は、すっかりわがまま言っちゃってすみませんでした
店長いやいや、あんなに礼儀正しくお願いされちゃそりゃぁねぇおまけに、逆に退職金までいただいちゃって…
秀樹で、しばらくは探偵事務所での収入見込みがつかないでしょだから、探偵の仕事ない時は、ここで働かせてもらうことにした聞いて驚け!最低賃金プラス200円!200円!(右手と左でピースサイン)2ばーい、2ばーい(満面の笑)
歩(引き攣った笑顔で)あーーー、そう…よかったね…
歩M2ばーい、2ばーい、じゃねーよどんだけ好きなんだよ、コンビニの仕事
秀樹でね、この方元々は伊勢佐木警察署の生活課に勤めてたこともあってさ
歩えっ?探偵業の届出するとこじゃんですよね?
店長そうね開業の1日前に出せばOKです
秀樹まぁ届出に、口聞くもなんも無いけどさこの界隈の治安とかに詳しいのって魅力じゃね
歩秀樹ぃー(サムズアップして)ナイスジョブ!
秀樹(胸を撫で下ろす)良かった、歩ちゃんに怒られるんじゃ無いかとヒヤヒヤだったよ
歩ちょっと、やめて下さい、人を鬼上司みたく言うの(店長に)ねぇ、ひどいでしょ、こんなに優しいのにねぇ…あっ、店長さん、ちなみにあの時お渡しした100万って…
店長あー、あれね、あっという間怖いねぇ競馬
歩(秀樹を脇で突いて超小声で)大丈夫なん?この店長?
店長まぁとにかく、うちイートインあるんでね中でコーヒーでも、ね奢りますよ
歩いやいや、私が全員分払いますんで………
楽しげにコンビニに入って行く3人
(黒にフェード)
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シーン4 祝!開所祝い!!そして、招かれざる客
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・事務所外観
・事務所ドア
歩さあ、いよいよオープンだね
秀樹だな
健三郎ワクワクですね!
優一俺らまで、なんかすんません
秀樹ってか、なんでこの2人?いるの?
歩今バイトで調査手伝ってもらってるの、まぁ準所員ってことでお祝いだもん、2人きりよか多い方がいいでしょ?
秀樹そりゃまぁそうだな、よしやるか!
歩ではでは、掲げますよ我々の旗を
4人で入り口に看板を掲げる「スペシウム探偵事務所横浜支部」
歩どうだ!
秀樹素晴らしい!やる気がグンっと出てきたぞ!
歩なんか変な名前ではあるけどね今更だけどスペシウム光線って何よ?(健三郎・優一に)知ってる?
首をブルンブルン振る2人。
秀樹スペシウム光線だよ、ウルトラマンの必殺技(腕を十字に組んで)これこれ、こんな感じでで、ここから光線がビーって…
歩また昭和40年男かよ、知らねーし(笑)(腕を十字に組んで)腕組んで、ビーって言われてもなぁわかった?
若者二人、首をブンブン横に振る
健三郎でも、あゆみさんがそのポーズすると可愛くていいです
秀樹無駄におだてなくていいから、ね気を遣うことないからねでね、これ説明するとなると、例の件が関わってくるのだが……まさかとは思うけど、この2人に例の件は伝えていないよね?
歩例の件てアレの件?
秀樹そう、タイムが……時間が……リープする的な……
歩フツーに言ってあるけど、まずかった?
秀樹やっぱそれはまずいんじゃないの……と思うがなぁだって一族で代々守ってきた秘密でしょ?
歩私関係ないもん、あの一族とは縁切ったし必要があれば、これからも誰にでも言うつもりですが
秀樹(2人に)で、君たちはタイムリープを信じたの?
健三郎まぁ半信半疑というか…
優一てか、信じないでしょフツー。証拠でもあれば別だけど
秀樹(ちょっと安心)そらそうだ(笑)フツーそうだ(笑)じゃとりあえず進めるぞ。スペシウムとは?って話だったよねスペシウム光線とは、ウルトラマンがピンチになると発射する無敵のビームだよだったら最初から打てよ、つーのが昭和40年男の共通ツッコミな訳歩ちゃんもきっと困ったらタイムリープで事件解決しちゃうんじゃないかなーと思ってさ
歩しねーし!あのね、言っときますけど私は事件解決にタイムリープは使いませんから!絶対に!とりあえずこの国の憲法をいまここで決めます。(右手の平を顔の横に上げて)私、歩とパパとマーロウの矜持にかけてタイムリープとビフ・タネン方式は事件解決のためには使わないことをここに宣言いたします!
秀樹絶対に?何があっても?
歩自分都合では使いません!その方が楽だからとか、手っ取り早いとかただし正義と人命がかかっている時は例外とします
秀樹その正義と命がかかっているかは、誰が判断するの?
歩本来は矜持を分け合っているパパかマーロウの役割ですがどちらもいませんので、仕方がないので秀樹おじさんとの合議制とします私の独断では、ぜったーいの絶対に使わないことを誓います
秀樹『仕方がないので』は不本意ですが、同意します
歩それでは今ここに、スペシウム探偵事務所憲法が成立した!とで、横浜支部ってのは?
秀樹ちょっとでも、でっかい組織風の方が舐められないかな……と
歩まっいっか、では頑張りましょう!とりあえず乾きもんと寿司とジュース用意したんで開所祝いを、形だけでもやりましょうよ
言い終わるか終わらないかのタイミングでドアチャイムが鳴る「ブーッ!ブーッ!」
秀樹幸先いいねぇ、早くもお客さんかな?
秀樹、ドアに歩みよりドアを開けながら
秀樹ハイハーイ!
開けるや否やドアを閉め、クルンとこちら側に向き直る秀樹。
秀樹歩ちゃんまずい!ヒジョーにまずい!!き、来た……いきなり来た
歩なんだよ大袈裟だな
秀樹、泣きそうな顔で首をブルンブルン降って、ドアの方をツンツン指さして
秀樹大袈裟じゃない、俺一度しか会ったことないけど……多分、いや絶対間違いない!
歩なんだよ、大袈裟だっつーの、ったく
と言いながらドアを開ける歩、ドアを開けた瞬間固まり…、かろうじて一言
歩あっ!お、おばあちゃん……こ、こんにちは……
祖母ハイこんにちは、何そのお顔は?鳩が実弾喰らって絶命したみたいなお顔だわよ
素早く気を取り直して迎撃体制に入る歩
歩ご無沙汰しておりました、1年ほどになりますかしら
祖母11ヶ月と3日です
歩あー11ヶ月と3日……あーなるほどなるほど…で、今日は、いかがいたしましたか?
祖母表向きは事務所開設のお祝いですわよ(笑)
歩で、裏向きは?(笑)
祖母裏向きであり、本音は警告……(笑)わかってるわよねぇ(笑)
歩警告からどうなると、宣戦布告になりますの?(笑)
祖母まぁ、警告に従わなかった場合は……(笑)即時…かしらねぇ(笑)
歩警告は、事務所を閉じなさい!(笑)タイムリープは口外無用・他言無用!絶対に!!(笑)ということでよろしいですか?(笑)
祖母今日は警告だけ、では失礼するわね(笑)本当にこの界隈は空気が悪いこと、ごめんあそばせ(笑)
祖母後ろ手にドアを閉める、最初はそっと、最後はバン!
顔を見合わせる秀樹と歩
「なになに?」「どうしたの?」という表情の高校生二人
健三郎えーっと…歩さん…誰?
歩んー、んー、まぁね乾杯しよ、乾杯(ガサゴソとレジ袋からビールとジュースの缶出して)秀樹おじさんはビールでいいわよね我々は一応ジュースで、ね(秀樹に)一応年配者ということで…お願いします
秀樹あっ!あぁ、そ、そうね、年長ねでは、我らが事務所の開所を祝って……か、カンパーイ……
全員カンパーイ…
なんだか盛り上がらない乾杯
秀樹じゃ、とりあえず…俺は下で働いてくるわ決して逃げるわけではなく、ね仕事だよ仕事、じゃ
歩ハイ!じゃ、さ、寿司つまも、ねわぁ寿司だ寿司だ
静かに寿司をつまむ3人。
歩あーやだ、こうして神妙にお寿司つまんでるとパパのお葬式思い出しちゃうわ
シーンとした室内。黙々と寿司をつまむ3人。
小林聡美さん風N「パパのお葬式を思い出している、 お姉さんとつまむ寿司。 高校生二人にとってどんな味だったのか? 多分、砂の味だったと思われる」
シーンとした室内。黙々と寿司をつまむ3人。
(黒フェード)
続く
まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。