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沈花繚乱

56,592 字

幻想青春群像劇

"境内の木々は知っている。散ってもまた咲く、君たちの物語を。"

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第二十六章

己心決春
美奈子、翔太篇一

もう、後数時間で新しい年を迎える。美奈子は迷っていた。
初詣、今年はどうしようか?

「ピンポーン」インターホンがなった。
そこには、翔太がいた。「イイや、約束を破ったんじゃなく」
美奈子は、ニッコリ笑って「落ち着いて、ゆっくり喋って大丈夫」

「勇の事なんだけど、最近元気が無いんだ、はっきり聞いてはないけど、
再発したんじゃないか。」
美奈子は息を呑んだ。
「ちょっと心配で勇と話をしていた時、美奈子の話になったんだ」
「美奈子、親を説得して東京行を決めたんだって本当?」
「聴いている話とちょっとちがう
美奈子が迷っているのを、父親が背中を押したって」
「男親が娘の東京一人暮らしに賛同するなんて、
何かすごい男前」
「美奈子は父親似かな」
「今度美奈子の父と会えないかな」

「お父さんに、聞いて見るけど、藁くらいかも」
そして「初詣一緒に行く?」
「行きたい」
「その前に勉強は」
「ばっちり」
「本当に?」
「多分」
「じゃあ、ちょっと待って、用意する」
バスの中
「美奈子は上京の準備進んでる?」
「 正式に決まったの最近だし」
「どのあたりに住むの?」
「東横線がいいみたい」

除夜の鐘からのカウントダウン、そして
「明けましておめでとうございます」
例年通りの祈りと特別な祈りの為、迷ったが
五百円玉の御賽銭を容易した。
過去一番で気合が入った祈り
「勇が良くなりますように、希望大学合格、
そして最後に美奈子…
ちょっと長かったみたいで押されてしまった。
「すみません」美奈子が手を引き移動した。

翔太は途中で切れてしまった願いを悟られ無いようにして聞いた。
「何お願いした?」
「人に言うと、ご利益なくなっちゃうよ」
「危ない、危ない」翔太は、本題にはいる。
「会いたい、前みたいに」
美奈子の答は、早かった。
抑揚のない声で
「受験が終わってから」
 
美奈子は本殿をでて迷わず右へまわった。
木の前を通らずに

── 第23章 了 ──

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