残響
ごぉん、ごぉん、ごぉん。何度か音が跳ね返ってきていた。
私は走った。無機質な白い空間の中、一定の間隔で配置された防壁シャッターのスイッチを押しながら走る。どうか間に合って欲しい、早まる鼓動を抑えるように胸元を握りしめる。
髪を振り、鉄と焦げた匂い、酸の匂いを一心に浴びながら、ただひたすら長い廊下を走った。
枝分かれした通路に出た。右、左、右、右、慣れた調子で走って行く。
いくつも一定間隔に配置された扉からは人の気配すらしない。ここにはもう誰も残っていなかった。
音がした方向はこっちであっているはずだ。
そうして通路を出た先には、ただ光の届かない、だだっ広い空間が広がっていた。音はまだ少し残っていた。そうか、と力無く浮いた。
このままどこへ行こう。
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