← 作品ページへ戻る

嵐過心月

20,765 字

正義を問う、慟哭のヒューマンドラマ

"そのスイッチは、正義か、復讐か、それとも愛か。"

← 右から左へスクロール

第二章 

五十音の接合

入学式も終わりクラスに分かれてオリエンテーション
掲示板のクラス分け発表に人だかりができる。
何組かな 翔太は探す  いつもの癖で下から名簿を探そうとするが慌てて
視線を最初に移す。1年1組 相田翔太 一番最初だ。何故か嬉しかった。
美波も掲示板前にいた。最近は男女混合名簿なので  定位置 一番最初と思い込んでいた。
しかし、その場所に陣取る「相田翔太」
どいつだ 探す視線の先には 凛々しい少年の横顔があった。
光一はあまり順番は気にしてなかった。でも前の女の子が無茶苦茶可愛かった。
研二は緊張していた。同じ中学出身者が誰もいない。積極的に話しかけようと思った。
千尋はぼんやりしていた。中学のときの仲良しシスターズは千尋以外は同じクラスだった。
つまんない そう思った瞬間、視線が釘付けになった。
名札を見た。「相田翔太」そう書いてあった。
ひとクラス四十人 最初なので五十音順で班をつくる。
仲良くなるのに時間はかからなかった。
 昼休みは、だいたい同じ席に集まる。誰が決めたわけでもないのに、自然とそうなる。
 「今日の英語、当てられたとき固まってただろ」
 研二が笑う。「固まってないわ。考えてただけ」
 「いや、完全にフリーズしてたな」「うるさい」
 放課後、下駄箱で美波が
 「バイト、週何回?今日はある?」
 聞いてきた。
 「三回。金ないし でも今日は勉強する日」
 「偉いね」 「普通だろ」少し間が空いた。
「ねえ」美波が上履きを揃えながら言う「ん?」「さっきの、ありがと」「何が」
 「英語のとき。ちょっと助かった」髪をかき上げながら言う
 「ああ」
 それだけだった。それ以上は続かなかった。でも、それで十分だった。
 研二が後ろから叫ぶ。「おーいバカップル、先帰るぞー」
 「誰がカップルだ」
 美波が小さく笑った。
 その笑い方を、少しだけ覚えておこうと思った。
「ねえ 新しいゲーム考えたちょっと聞いて」研二が言い出す
「題して青春ゲームチャチヤーン」
ちょっとなに言ってるんだか意味わからない。 説明して
研二が言う 今から 第一 公園に行くそして海迄バカヤローと大声を出しながら走り抜ける
「で」
千尋が興味示す 「で?」
そんだけ」一同ズッコケ
言葉に意味なんていらなかった。明日の悩みなんて想像できなかった。でも生きていた。

夕立の放課後
研二「夕立か」 「にわか雨 」「朝立」
うわー ダメっしょ美波が言う
光一が 「何で アーもしかしてエロいこと考えてた?」
真っ赤になった美波 視線がsos
話題を変える  傘ある人は?二本か五人で
どうしよう は~い 研二の元気な声
傘といえば 相合傘 相合傘はカップル
そこでこれから ねるとん大会
成立したら相合傘で帰る 敗者は
うーん どうしよう
すると千尋が 駅まで 青春のバカヤローと傘も刺さずに走り抜ける
爆笑そしてみんな後に続く

唐突に
ゲーセンいかない?」美波に声をかけられる。
「バイトまで時間があるし」
「俺はターゲットか」
「そうそう。最初はimprove、」「一九〇〇、単語帳か」

 研二がつぶやく。「まるで夫婦漫才」
「ちょっと欲しいぬいぐるみがあるの。ニャンkonわん」
「何それ」
「最近バズり始めたやつ。今日、ゲーセンに初入荷なんだって」

絵に描いたような学校生活だった。永遠に続けばいいのに、と思った。
でも、このままなら美波とはいつまでも友達のままだ。
あと一歩が難しかった。恋にも、間を合わせるタイミングがある気がした。
「四時、時間厳守」美波が言う「今日は当番だから少し遅れる」
「じゃあ遅刻のお詫びはカレー萬」 だから。言葉の途中で美波は去っていく。

── 第4章 了 ──

読んでくれてありがとう。良かったら作者にスキを送ろう。

作品ページへ戻る

コメント

まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。

しおりを挟みました