第九話「攻撃開始」
蓮のマンションに到着すると、二人は広々としたダイニングに腰を下ろした。
二人でスマホを見ながら、あれこれと言い合って、候補を出しては、笑ったり渋い顔をしたり。
小さな駆け引きのようなやり取りを繰り返し、最終的に二人で選んだ料理を電話で注文した。
ほどなくして届いた料理をテーブルに並べ、食事が始まる。
パークの喧騒とはまるで違う静かな空間で、二人だけの食卓。
派手な会話はなくとも、互いの距離を測り合うような、どこか落ち着いた時間がゆったりと流れていった。
食事を終えると、自然な流れで「先に入ってきなよ」と蓮に促され、ゆりは浴室へ向かった。
洗面台の前で髪を解いていると、蓮が後ろから声をかける。
「ほら、前回の取っておいたから。」
そう言ってミラーの扉を開けると、ガラス棚には蓮のハブラシのすぐ横に、以前一度だけ使ったゆりのハブラシがきちんと置かれていた。
「また連れ込む気満々だったやつじゃん。」
「あたりまえじゃん。」
ゆりが呆れたように視線を送ると、蓮はいつもの調子で肩をすくめる。
まるで悪びれる様子もなく返すその笑顔に、ゆりは思わず小さく息を吐いた。
「じゃあ、ごゆっくり〜。」
軽い調子で手をひらひらと振りながら、蓮は脱衣室を出て行く。
湯に身を沈めた瞬間、張りつめていた身体がじんわりと解けていく。
仕事で走り回った一日の疲れが、熱い湯と共に少しずつ洗い流されるようで、ゆりは目を閉じて小さく息をついた。
やがて蓮も順番に入浴を済ませ、二人は再びリビングに戻る。
ソファに並んで腰を下ろすと、テーブルの上には冷えたスパークリングワイン。
グラスに注がれた透明な液体は、パチパチと小さな泡を立てながら煌めく。
ソファにもたれかかりながらワインを口にするゆりの横顔を、蓮は黙って盗み見る。
お風呂上がりのほんのり火照った頬。
緊張をほどいた素の表情。
そこに浮かぶのはスタッフとしての笑顔ではなく、ゆりという一人の女性の素顔だった。
二人だけの夜。
寝酒にしては少し贅沢な一杯が、密やかに甘い余韻をもたらしていた。
瓶が空になり、テーブルに小さく音を立てて置かれる。
ゆりはゆっくりと蓮を振り返った。
「蓮、どーする?まだ飲む?」
「んー…どうしよっかな。」
答えを迷う蓮の様子を横目に、ゆりはふっと目を細める。
よし…ここらで仕掛けよう。
次の瞬間、蓮の腕に自分の両腕を絡ませ、その肩に頬をそっともたせかけた。
密着した距離感のまま、上目遣いで蓮を見上げる。
「じゃあ、もう寝ようよ……一緒に….」
「……もしかして酔ってる?」
思わぬ提案に、蓮は不意を突かれたように瞬きを繰り返す。
だが、見上げてくるゆりの瞳は、冗談の色はなく、ただしっとりと熱を帯びた色香で満ちていた。
胸の奥で、何かがとろけ落ちていくような感覚。蓮は息を呑む。
しかし実際には、ゆりの内心は冷静で、酒には1ミリも酔っていなかった。
「…酔ってたら…だめ?…」
囁くような声とともに、ゆりは片腕を絡めたまま、もう片方の手をゆっくりと蓮の髪へ。
耳にかかる蓮の前髪をすくい上げ、優しく耳に掛けてあげるような仕草。
わずかに傾けられた顔が、さらに近づいて、その吐息が頬にかかる。
カーーン!と心の奥でリングコングが鳴り響くようかの如く、ゆりの甘い攻撃は開始した。
「………かわいすぎ……」
囁きが零れた瞬間、蓮はもう堪えきれなかった。
耳に伝わる指先の感触と、至近距離の視線に射抜かれ、理性の糸が切れる。
蓮は堪らず、ゆりに唇を重ねた。
キスを重ねながら、蓮の肩に絡めたゆりの腕は自然と力を増し、二人の身体はぴたりと吸い寄せられるように密着していった。
ゆりの片手が蓮の頬に添えられ、指先が優しく肌をなぞる。
蓮の片手は、ゆりの後頭部へ滑るように伸び、さらさらとした髪をゆっくり撫でていた。
舌と舌が甘く絡み合う。
一瞬ごとに呼吸が溶け合い、吐息が熱を帯びて空気を満たしていく。
唇を決して離さぬまま、蓮はゆりの身体をソファから抱き上げた。
その動作に揺れる髪、胸に触れる心臓の鼓動。
抱き上げられたまま、ゆりはほんの少し目を閉じて、安心するように蓮に身を委ねる。
足音がカーペットを沈ませ、寝室へ続く扉が開く。
そのまま二人は闇に包まれた部屋へと消え、ただひたすらに甘く長い時間が、静かに時を刻んでいった。
──────。
「ねぇ…凄いよ…ここ…」
蓮の声は低く熱を帯び、吐息が頬を撫でた。
指先は、ゆりの敏感な部分を優しく、けれど容赦なくなぞり、溢れる蜜をすくっては円を描くように全体へ塗り広げていく。
その動きに合わせて、ゆりの腰は小さく跳ね、喉からは耐えきれない吐息が漏れた。
やがて、指に絡む液量がさらに増していくと、蓮は下から上へと大胆にすくい上げた。
四本の指を一気に掬い上げ、その感触を確かめるようにゆっくりと持ち上げる。
「…ほら…すっ……げぇ…」
興奮で熱を帯びた溜め息を大きく吐きながら、蓮はゆりの顔の前にその手を差し出す。
わずかに開いた四本の指の間には、透明な蜜が膜を張り、艶やかな糸となって光を受けて伸びた。
淫靡すぎるその光景を、蓮は見せつけるように揺らしてみせ、視線は一瞬たりともゆりから外さない。
「……や…だぁ……っ」
頬を赤らめながら、まるで子供のようにかわいらしく顔を横に背けるゆり。
その仕草に、蓮の胸はきゅっと締めつけられる。
「…恥ずかしい……?」
囁くように問えば、ゆりは顔を横に向けたまま、伏せ目がちで小さくコクンと頷いた。
たったそれだけの動作が、抗えない甘さを含んでいて、蓮の心を強烈にかき乱す。
「…そんなに可愛いと…もっと虐めたくなるんだけど…」
くすぐるように笑みを漏らすと、ゆりは背けていた顔をゆっくりと戻した。
眉間に寄せた皺、困ったように下がった目尻、そして潤んだ瞳で上目遣いに見上げながら。
小さく首を…….左右に振る。
「……だからさ…そのお前の“いやいや”……破壊力やばいんだわ。」
堪らず、胸の奥を締めつけられるような衝動に押されて、蓮は唇を重ねた。
甘く、熱く、奪うように。
あー……もっと……いやいやさせてぇ……
心の奥で疼く欲望は、すでに歯止めがきかなくなっていた。
熱く重ねていた唇をほんの少し離し、蓮は堪えきれずに囁いた。
「ゆりの…恥ずかしいところ、見ていい?」
耳元で落とされたその声に、ゆりはひとつ息を呑む。
「…ふぅっ…」
上目遣いのまま、眉間のシワがさらに深く寄り、小さく膨れた唇。
困ったようなその表情が、かえって愛おしさと破壊力を増していた。
「…指で開いて…めっちゃ近くで…すっげー見たい……だめ?」
至近距離で零れる欲望の言葉。
蓮の視線はもう逸らせない。
悪魔的に可愛すぎる表情を見せるゆりから、ゼロ距離で目を離すことなど到底できなかった。
「……だ……め……っ」
吐息混じりに絞り出されたその言葉は、本来なら拒絶のはずだった。
だが、蓮の理性には「もっと煽ってほしい」の合図にしか聞こえない。
もう限界だ。
なんでこいつは、こうも。
理性を吹き飛ばす天才なんだ。
その瞬間、プツンと何かが切れた。
バッと密着していたゆりの身体から身を剥がし、蓮は抑え切れぬ衝動のままに彼女の脚を思いきり開いた。
そのまま顔を近づけ、震える指でゆりの秘めた部分を押し開く。
「……あぁ……めっ…ちゃ…….やばい……」
熱を帯びた吐息が、敏感な場所へふっとかかる。
微かに震えるゆりの身体、その反応さえも蓮をさらに昂らせた。
指で開いては閉じ、閉じてはまた開き。
蓮の指先がゆっくりと繰り返すたび、くぱっ…くぱっ…と湿り気を帯びた音が小さく響く。
その淫靡な音が、蓮の興奮をさらに煽った。
「……っはぁぁ……」
息が荒くなり、喉の奥が震える。
もう見ているだけでは我慢できない。
蓮は顔をさらに近づけ、堪えきれぬ欲望のままに舌を伸ばし、ゆりの突起へとそっと触れた。
敏感な突起に触れた瞬間、ゆりの身体が大きく跳ね上がる。
小刻みに舌を擦りつける度に、ゆりの声は自然と大きくなっていった。
蓮はその反応に酔いしれ、さらに深く舌を押し込む。
熱く柔らかな奥へ、舌先を挿し入れては抜き、また挿し入れては抜き。
何度も繰り返すたびに、甘い蜜があふれ出し、蓮の舌先と顎を濡らしていく。
その蜜を一滴たりとも無駄にするまいと、蓮は舌で全てをすくい上げるように舐め取り、そしてまた下から上へと舌を這わせる。
奥から突起へ、突起から奥へ、境界を舐め回すように往復し、溢れる蜜を塗り広げながら、徹底的に味わい尽くした。
濡れた音と、ゆりの途切れ途切れの声が重なり合い、部屋の空気は甘い熱に包まれていった。
蓮の荒い呼吸と、湿った音だけが支配する熱い空間。
ゆりの身体は既に極限まで追い詰められていた。
「…ぁぁ…蓮…っ……いく…っ…あぁ……いっちゃう…」
震える声が喉から漏れる。
その切羽詰まった響きに、蓮の瞳がギラリと光った。
「……っ恥ずかしいとか言ってたくせに…っお前は…っ」
低く熱のこもった声と同時に、蓮の指が一気にゆりの中へと突き込まれる。
鋭く侵入してきた指先は迷いなく最奥を探り当て、お腹の内側の敏感な天井を激しく擦り上げる。
同時に舌は執拗に突起を転がした。
上下左右、止むことなく転がし、押し、吸い、唾液を絡めて責め立てる。
「あぁっーっっはあっ…ん…あっっーー…っっ………っっ」
張りつめていた何かが一気に弾け、ゆりの身体は大きくのけぞった。
呼吸が止まり、全身の筋肉が硬直し、その直後には痙攣するように震えが走る。
太ももが蓮の頭を挟むように震え、腰は制御不能に跳ね上がり、指を押し返すように奥が波打つ。
ブルブルッ、ブルブルッと絶え間なく痙攣するたびに、蓮の手と舌に熱い蜜が滴り落ちていく。
その全てを逃すまいと味わい尽くす蓮の表情は、獲物を仕留めた捕食者のように熱に浮かされていた。
静寂と荒い吐息だけが残り、ゆりの身体は完全に力を失ってベッドに沈み込んだ。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
荒い呼吸を繰り返しながら、蓮はゆりの肩へ腕を回し、力を失った身体を抱き上げた。
そのままゆっくりと起こし、自分の方へと引き寄せる。
ベッドに膝を立てると、熱を帯びて脈打つ自身をゆりの唇のすぐ前へと差し出した。
汗と欲望で火照った顔のまま、蓮は切実に囁く。
「…ゆり…はぁ…はぁ…舐めて……」
命じる声というよりも、抑えきれない欲の滲んだ懇願。
視線を泳がせながらも、ゆりはそっと顔を寄せた。
恥じらうように唇を開くと、その隙間からちろりと舌を突き出し、先端へと慎重に触れる。
一瞬、甘く痺れるような感覚が蓮の背筋を走り抜けた。
思わず腰が揺れ、荒い吐息が漏れる。
ゆりの舌先に伝わる熱と硬さ。
その存在感を確かめるように、ゆりはためらいがちに、もう一度ゆっくり舐め上げた。
ゆりの舌が先端を小さく上下に転がすたび、蓮の奥から熱い息が漏れ出た。
蓮の先端からは透明な液がじわりと滲み、艶やかに光る。
「…はぁ…っはぁ…裏側…舐めて……」
低く掠れた声で落ちてくる蓮の願い。
促されるまま、ゆりは唇を柔らかく押し当て、その舌先を裏側へと這わせた。
ゆっくり、じっくり、上下に行き来するたびに、濡れた音が微かに響く。
蓮の目は、そのいやらしすぎる光景に釘付けだった。
紅潮した頬と、濡れた舌先。
そして時折、恥じらうように顔を傾け、ちらりと視線を上げてくる。
その一瞬一瞬の上目遣いが、蓮の胸を鷲掴みにする。
熱と欲望に理性を削られながら、思わず呻き声のような吐息が零れた。
その顔は、堪らなすぎる。
蓮の喉が、ごくりと鳴った。
ゆりの舌がそこへ這うたびに、ほんの一瞬、蓮の身体が小さく跳ねる箇所があった。
裏側の、先端にほど近い、ごく限られた一点。
そこを通過するたび、蓮の呼吸が浅くなり、腹筋に力が入るのがゆりの唇にまで伝わる。
その箇所を確信した瞬間、ゆりは舌先をその部分に集中させた。
上下に、細かく、執拗に。
まるでそこだけをじっくり弄ぶように動かす。
「あぁっ…ゆり….っそこ…そこ…っ」
たまらず蓮の声が掠れ、腰が小さく揺れた。
敏感な一点を刺激されるたび、身体が勝手に反応し、抑えきれない熱が込み上げてくる。
舌が上下に擦れるたびに、ほんの小さな動きにも蓮の全身が敏感に反応する。
ゆりはその反応を楽しむように、意図的に速度を緩めたり速めたりしながら、確実にそこを舌で責め続けた。
そして、舌先をそのまま当てながら、ゆりはゆっくり先端を唇で包み込んだ。
浅いところでふわりと含み、口内の熱と湿り気で包んだまま、上下に小刻みに動かす。
「…あぁ…上手いよ…ゆり…」
蓮の喉から掠れた声が零れ、両手が自然と伸びていく。
髪を優しく撫でるように触れたかと思うと、頭に添えられた手が次第に力を込め、引き寄せる。
ぐっと腰が前に突き出され、浅く含んでいたものが、ゆりの口の奥深くへと沈み込んだ。
熱く、硬く、脈打つ感触が喉奥まで届き、ゆりの視界が一瞬にじむ。
その喉を押し広げる感覚に、蓮の吐息は荒くなり、声は震えを帯びて高鳴っていった。
ゆりは自分の意志で、静かに頭を上下に動かしはじめた。
濡れた唇が擦れるたび、蓮の喉から荒い息が漏れる。
「あぁ…っか、軽く吸って…っ」
苦しげに絞り出された蓮の声。
その懇願に従うように、ゆりは唇を柔らかく閉じ、優しい吸引を口内に込めた。
途端に、蓮の全身がびくりと震える。
ゆりの口はただ包み込むだけでなく、吸い付くようにきゅっと締めつける。
その密着感は、彼の熱をより敏感にし、抗えない快感を増幅させた。
そのままゆりは、わざと少し速度を上げて、上下の動きを繰り返す。
控えめな吸引とリズミカルな上下運動が重なり、蓮は腰を抑えきれずに小刻みに揺らした。
熱に浮かされたような蓮の呻き声が、静かな寝室に滲み出した。
「…ふぅっ…う……あぁっ…はぁ」
ゆりは、蓮の昂ぶりに呼応するように、喉の奥へと更に深く蓮を受け入れた。
熱が喉の奥を押し広げ、唇の端から微かに甘い音が漏れる。
「……っ!!」
堪らず、蓮は全身を強張らせ、その場で動きを止めた。
次の瞬間、危機感に突き動かされるように、勢いよくゆりの口からズボッと抜き去る。
「はぁっ…はぁっ……っぶねぇー…いきそう…」
額に汗を滲ませ、乱れた呼吸を必死に整えながら声を漏らす蓮。
その荒い息遣いと必死さは、普段の余裕ある姿からは想像もできないほど生々しい。
ゆり喉の奥まで残る余韻と、口の端から伝う温もりに頬を紅潮させながら、そんな蓮の乱れ切った姿を、息を弾ませつつも静かに見つめて言った。
「………蓮……きて……………」
甘く囁きながら、ゆりはそっと蓮の腕を引き、自らベッドに仰向けになる。
そして羞恥も恐れも見せず、すっと脚を開いた。
そのあまりに挑発的で、同時に魅惑的すぎる仕草に、蓮の頭は一瞬でくらくらと眩む。
「……待って……つけるから……」
辛うじて残っていた理性が、声となって漏れる。
震える息を整えながら、蓮は避妊用スキンを手に取るべく一度身体を離そうとするも、ゆりの細い腕は、決して彼を離さなかった。
「…いいから蓮……そのまま来て…お願い……」
上目遣いで見上げるその顔。
唇は少し開いて、吐息が熱を帯びて漏れている。
潤んだ瞳の奥に宿る甘さと色気が、無防備さと誘惑を同時に放っていた。
お願い──
その言葉は、理性を吹き飛ばすほどに淫らで、同時に無垢で可愛い。
そのギャップに胸を掴まれた蓮は到底こんな誘惑に勝てるわけが無かった。
「…ゆり…いいの?」
問いかける蓮の声は、すでに熱に震えていた。
わずかな理性を繋ぎ止めようとした最後の確認。
「…………ピル…飲んでるから」
ドクンッ──。
心臓が大きく跳ねた。
まさか、俺のために…?
いや、違うかもしれない。
体調管理とか、別の理由かもしれない。
……でも。
その一言の重みは、理性の枷を根こそぎ壊していくには十分すぎた。
脳裏が真っ白に染まる。
血が一気に熱くなり、身体の芯にまで火がついた感覚。
その事実は、俺の中でかなりやばい。
避妊という男の最後の責任の放棄。
それは理性を奪い、生身の快楽という地獄へ引きずり込む招待状。
ゆりはそのまま、そっと蓮の腕から手を離す。
そして自ら太ももを大きく開き、両手で脚を抱えるようにして見せつけた。
「……だから……蓮の…生で………中に出して…欲しいの…………」
ふりゅっ……と潤んだ瞳。
幼さすら残した無垢な表情のまま、口からこぼれ落ちたのは、あまりに背徳的な破壊ワード。
恥じらいを滲ませながらも、確かに告げられた言葉。
その仕草と声と表情が、蓮の全身に襲いかかる。
まるで胸を撃ち抜かれたかのように呼吸は乱れ、心臓は耳の奥で爆音のように響き、急上昇する心拍は気絶しそうなほど。
腹を括ったゆりの恐ろしいまでの、女を振り翳した容赦ない攻撃。
無垢な顔に潜むあざとすぎる誘惑。
そのギャップに、蓮の理性は完全に粉砕され、KO負けを喫した。
「………そんな…子供みたいな顔で………お前……言ってること…やばすぎだろ……」
声は途切れ途切れで、今にも息が止まりそうなほど。
遠のいていく意識の中、抗う余地もなく、ゆりの腰に吸い寄せられるように、自分の腰をゆっくりと寄せていった。
────────。
「…あぁ…ん…蓮…は…気持ち…いっ…あん…」
「…はぁ…堪んねー……ああ…堪んねーよ…ゆり…っ」
絡み合う声が重なり、互いの熱がぶつかるたびに、火花のように快楽が散っていく。
ゆりは身を反らし、身体の奥を何度も何度も抉られる感覚に、全神経をそこへと注ぎ込んだ。
「…ああっ…いく…蓮…っ…気持ちい……いっ…ちゃう…よぉ…っ蓮っっ…蓮っっ!」
叫ぶような声。
それと同時に、ゆりの中は急激に締まりを強め、脈打つように蓮を何度も強烈に締め付けてくる。
「…っはぁ…はぁっ…ゆりっっ…俺…もう…っっ!」
ぎゅっ…ぎゅうっ…ぎゅううっ……!
自分を包み込む中から伝わる、生々しい絶頂寸前の鼓動。
その熱を直に感じるたび、蓮の全身もブルブルと痙攣する。
「…出して…っそのまま…っあんっ…蓮っ……んっ、はぁ…抜かないでぇ…っ」
ゆりは蓮の腰にぐるりと腕を回し、腰へ縋りつくように自ら押しつける。
まるで自分から求めるように、拒む余地すら与えないその仕草。
あの昼間、スナックワゴン横で冷たくあしらった彼女の姿が、頭の片隅で一瞬よぎる。
だが今、目の前で必死に腰を押し付けてくる女は、同じ人物とは思えなかった。
「あぁー…あーっ…っ出…そうっ……はぁっ中に……出すぞっ…」
「……ぁあっ出してぇ…っはぁ…いっぱい…蓮の…っあん…っ奥に…っいっぱい出してぇっ」
蕩けきった顔で蓮を見上げながら、泣き声にも似た声で懇願する。
その表情は、もう完全に快楽に支配された淫らな女そのものだった。
やばすぎる。
勘弁してくれ。
限界を超えた蓮は、夢中でゆりの唇に舌をねじ込み、激しく貪る。
そしてその奥底、もう逃げ場のない場所へと、精神が崩壊するほどの快感と共に熱を解き放った。
まだコメントはありません。最初のひとことをどうぞ。