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沈花繚乱

56,592 字

幻想青春群像劇

"境内の木々は知っている。散ってもまた咲く、君たちの物語を。"

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第三十一章

出

美奈子の家の前では、紀之達が引越荷物をレンタカーに積込んでいた。
美奈子は友達との別れを惜しんでいた。

「暗くなるぞ」あわてて美奈子は、おりてきた。
そこには 翔太の顔もあった。
「いつ行くの」
「明日」
「準備大丈夫?」
「寮だし」
「推薦で?」
「うん」
「勇は、なんて」
「おめでとう、もう逃げれないぞ」
「勇らしいね」
「うん」
「元気ないね」
「うん」
「頑張ったじゃない」
「でも推薦だし」
「一度はちゃんと断わり、それでも漢気で了解」

美奈子は翔太を抱きしめて
「ご褒美 かな?」
「じゃあ、そろそろ行くね」
「連絡する」
美奈子は手の内のメモを見た
「健志台 」元住吉から、どのくらいかな」

陽子は教室から授業中の望を目で追っていた。
「やっぱり変、でも」
いまだ望の走り方の違和感はそのままだ。

望は妹に懐かれ美怜の家に良く行く

「オメーこんなのも解らないんか」
神社の境内に響きわた
勇が桜にむかって煽ってる
「これ、中2レベルの問題だぞ」

「俺は模試でC判定だし」
「C判定?」
「普通で多分OK」

桜は勇を見つめていた。
何も言わなかった。
花が散ったあとの桜みたいに

梅も桃も黙っていた。
風が吹いた。杏の実が一つ落ちた。
コロコロ
杏はあわてて隠した。

── 了 ──

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