第四章
友達作戦
暫くは用心してゲーセンには行かなかった。
美波の送り迎えをした。念の為に
楽しかった。このまま何処までも歩いていたかった。
「いつもありがとう」 美波の横顔が少し大人ぽくなった気がする。
「しょうがないじゃん」
「しょうがない?このミス神奈川をつかまえてその言い方は」
いつものじゃれ合いパターン 「でもその下は小田原支部」ここからハモってかまぼこ娘栄商店街コンテスト、、、笑
いつまでもいつまでも 続けたかった。
ふと信号の先にトボトボ歩く少年
美波が声をかける。
「裕也どうしたの」よく見ると顔が腫れてる
何も言わない。
翔太「僕にまかせて、美波は先に帰っていいよ」
「その先のベンチで座ろう」
美波を帰らせ ベンチへ座る
どちらも喋らない 暫く沈黙が続く
翔太が口を開く「やられちゃった?」
現状変わらず、裕也はうつむいたまま
翔太がぼつぼつ話しだす。
前の中学で友達がひどくいじめられていたんだ。
オレ 転校生であまり目立ってもイヤじゃん。黙ってたけど
さすがに我慢出来なくて
「いいかげんにしたら」そう言ったら
一人が「なんだコラ、一発しばいたろうか」喧嘩を売ってきた。
したくなかったけど いきなり大振のパンチがとんできたんだ。反射的に避けその腕をとり得意技の一本背負を決めたんだ。しかしいつの間にかニ人がかりで押さえつけられ ボコられたんだ。
家に帰ると父がいた。腫れている顔を見て「義は?こっち?」いきなり聞いてきた。
「うん、こっち。友達がいじめられているのを止めた。
でも負けたんだろう。あとに引きずることは?
お金 、明日までに十万要求された
払わない方法教えてやろうか?
父に言われたとおりの事をやりなさい
そして翌日呼び出された。
倒せたんだ。
裕也が聞き入る。聞きたい。
それなら話してくれないと
お兄さん?
あ、俺翔太
翔太さんと大体同じ
ほんとは言いたくないけど
綺麗事では解決しないから
よし それなら三つの確認
一、相手は何人で格闘技けいけんは 特にリーダーはいるか
二、有利な場所にさそえるか
三、正義と覚悟これが一番
裕也は少し考える
四人組でリーダーは井上 格闘技の経験はない
場所は大丈夫 そして
覚悟は出来ました
よし
一呼吸おいて 先ず握りやすい石を
探す拳にちょうどいいサイズ
そして念のため棒も用意しておこう。
そして始まったら井上の鼻先に渾身の頭突き 外れても構わん
今度は同じところ集中して殴り続ける。鼻血が出てもやめない
不意を突かれて大将が流血したら多分それで勝
できるか?うなずく裕也
ではこれを友達作戦と呼ぶ。
成功を祈る。
グータッチをして別れる二人
裕也が家に帰る。
「あれ、翔太は」
帰ったよ
えーーー
せっかくごちそう作ってたのに
美波からライン
ありがとう 裕也も元気取り戻した
いいえ 又明日 おやすみ
ちょっとだけ考えた。
チカラ対チカラに正義はある?
でも守らないと やられたら最後
話し合い?できればいい
ね
実際剣ヶ峰に立たされると···
剣ヶ峰 剣ヶ峰 霧が峰 ア エアコン修理しないと
美波との帰り道 ライン着信
誰から?トーンがちょっと怒っているのはジェラシー?
ちょっぴり嬉しい 画面を見ると裕也から
友達作戦成功 完全勝利
武装解除確認 平和維持軍結成 民主主義の勝利
「男子ていつまでもごっこが好きね」
暫くは平穏な日々だった。
ボディガード、もういいか、そう思えた。
自転車を漕いでいた。いつもの帰り道。
でも今日はゲーセン寄ろうか?美波にサプライズしたい。
そんな事を考えていた時
突然山水生が飛び出してきた。一瞬だった。かわした。
泣いていた。痛い、と言っていた。膝を擦りむいていた。
僕は自転車を降りた。大丈夫ですか。しゃがんで、鞄を置いて、両手が塞がった。
正面から鉄パイプを持った男が現れた。瞬時に戦闘能力を把握
鉄パイプをかわせば問題無さそう、そう考えた。
その時女子高生が痛いといいながら翔太の足に絡みついてきた
バランスが崩れた。集中がきれた。
次の瞬間
音が先だった。わけがわからなかった。
最初の一撃で、視界が歪んだ。二撃目で、膝が折れた。
声が聞こえた。ザマァ、という声だった。
それから、何も分からなくなった。
父と母が喧嘩している。
止めないと。
ヤメて。そう叫んだ。叫んだつもりだった。でも唇は動かない。二度と。
山水生の靖子は、仲間だった。
僕はそれを、ずっと後で知った。意味はないけど
死んじゃったの?ちょっとやりすぎ
彼氏の飯島の怒もわかる。子分と彼女のまえで赤っぱじ
だか らおとりOkしたのに
ちょっと可哀想
私 捕まっちゃうかな
利勝は何気なく新聞を拡げた。見出しを読んだ。高校生、暴行被害。反射的に、職業的な目で処理した。よくある話だ、と思った。微笑んでいた。名前を見た。
相田、翔太。微笑が、止まった。
新聞を、置けなかった。置こうとした。手が動かなかった。翔太、と声に出した。誰もいない部屋で。返事はなかった。当然だ。電話をしなければ、と思った。元妻に。でも番号を押せなかった。
しばらくして、気づいた。泣いていた。声も出ずに。いつからかも分からなかった。ミスタークロムは、泣き方を忘れていた。理不尽を呪った。なんで、なんで、なんで
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