貴女はあの時交わした小指の熱を、覚えているでしょうか。
幼い頃にした、拙い約束。私達がまだ義務教育すら受けていたかった歳のこと。貴女はどうかは分かりませんが、私は片時も忘れたことがありません。
貴女が作ってくれた、シロツメクサの指輪も、未だ小さな宝箱の中にそっと納めてあります。随分と枯れてしまいましたが、確かに取って置いてあります。
小さな指輪は、私の指にはもう着けることが出来ませんが、それでも貴女のあの時の想いを思うと、変わらず胸が熱くなるのです。
お元気ですか?苦しくはないですか?
その言葉を貴女に直接かけられないのが、酷くもどかしい。
貴女はもう私のものではないのです。私の手元から離れて、遠い遠い場所へ行ってしまったのですから。だから、私の声が届かないのも、仕方のないことなのです。
ですが、私は、まだ貴女のもの。
近いはずだったのに、遠い私達。私は忘れていませんよ。だから、だから。
やめましょう、やめましょう。
未練がましい私はきっと、貴女にとって疎ましいものでしょうから。
ただ一つ、わがままをお許しください。
私が死ぬ時、貴女と交差したこの指を切り取って、骨にせず墓に埋めさせて欲しいのです。
ほんの少しの僅かな時だとしても、貴女との契りの証明を、この世に遺していたいのです。
そんな話
恋愛小説、モノローグ、純愛、執着
"失われた愛への、狂おしいほどの永遠の誓い。"
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