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そんな話

猫又テン

580 字

恋愛小説、モノローグ、純愛、執着

"失われた愛への、狂おしいほどの永遠の誓い。"

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貴女はあの時交わした小指の熱を、覚えているでしょうか。

幼い頃にした、拙い約束。私達がまだ義務教育すら受けていたかった歳のこと。貴女はどうかは分かりませんが、私は片時も忘れたことがありません。

貴女が作ってくれた、シロツメクサの指輪も、未だ小さな宝箱の中にそっと納めてあります。随分と枯れてしまいましたが、確かに取って置いてあります。
小さな指輪は、私の指にはもう着けることが出来ませんが、それでも貴女のあの時の想いを思うと、変わらず胸が熱くなるのです。

お元気ですか?苦しくはないですか?

その言葉を貴女に直接かけられないのが、酷くもどかしい。
貴女はもう私のものではないのです。私の手元から離れて、遠い遠い場所へ行ってしまったのですから。だから、私の声が届かないのも、仕方のないことなのです。

ですが、私は、まだ貴女のもの。

近いはずだったのに、遠い私達。私は忘れていませんよ。だから、だから。

やめましょう、やめましょう。
未練がましい私はきっと、貴女にとって疎ましいものでしょうから。

ただ一つ、わがままをお許しください。

私が死ぬ時、貴女と交差したこの指を切り取って、骨にせず墓に埋めさせて欲しいのです。
ほんの少しの僅かな時だとしても、貴女との契りの証明を、この世に遺していたいのです。

── 了 ──

読んでくれてありがとう。良かったら作者にスキを送ろう。

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