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( ^ω^)ブーンたちは新しいラブソングを読んでいくようです(仮題)

連載中(書きかけ)

ナン・ルーナック

25,245 字

SFファンタジー・群像劇・メタフィクション

"百五億年の愛と、世界を賭けた戦い。アスキーアートが織りなす、壮大なる物語の読書会。"

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( ^ω^)ブーンたちは新しいラブソングを読んでいくようです
(冒頭の注記と一覧:後で作る)
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( ^ω^)「ショボン、聞いたかお。『新しいラブソングを』、完結したお」
(´・ω・`)「聞いたよ。……思ったより早かったね」
('A`)「『次の更新を待つ側だ』とか、格好つけてたのにな」
(´・ω・`)「待つ時間が短くて済んだんだ。いいことじゃないか」
(`・ω・´)「読んだのか」
( ^ω^)「第一部までは読んだお。前にみんなの話を聞いた後、どうしても気になって」
( ^ω^)「続きは、完結してから一気に読もうと思って取っておいたお」
( ・∀・)「完結待ちか。で、今日まで積んでたと」
(;^ω^)「……全三十話あるお」
(´・ω・`)「ならせっかくだし、一緒に読んでいこう。部ごとに区切って、順番にね」
( ^ω^)「助かるお。……でもちょっと記憶が怪しいお」
ξ゚⊿゚)ξ「ひっぱたいたら思い出すかしら」
( ^ω^)「やめてください」
( ^ω^)「覚えてる内容を並べていくお。間違ってたら訂正してほしいお」
ξ゚⊿゚)ξ「ふんっ、ふんっ」
('A`)「ビンタの素振り始めやがった……」
(´・ω・`)「気合の入った訂正になりそうだね」
( ・∀・)「キス無しで歯だけ折れるってのもかわいそうな話だな」
(;^ω^)「急に命がけになっちまったお」
( ^ω^)「じゃー……。まず舞台は惑星セルドナ。女子大生の四海真尋の家の二階に、移動要塞が突き刺さるお」
( ^ω^)「で、『泣き男』レンが現れて、いきなりキス。歯が折れたお」
ξ゚⊿゚)ξ「そこはしっかり覚えてるのね」
( ^ω^)「忘れられるわけないお。……レンは、百五億年も婚約者を捜してた一途な男だお」
(´・ω・`)「上出来。じゃあ前回は伏せておいた部分、どうかな?」
( ^ω^)「読んだから知ってるお。真尋が、その婚約者の生まれ変わりだったお」
('A`)「七割な」
ξ゚⊿゚)ξ「……。」
(;^ω^)「振りかぶらないで!だいたい合ってる!だいたい合ってるお!」
(´・ω・`)「順番に整理しよう。婚約者の名はリリーア・エメリス。酒場の歌姫だった」
( ・∀・)「確か言及はされていなかったけど、おそらくフリー・ゾーンだよな。ローレイル世界のリテシアという惑星。人間もカイストも入り乱れている場所だ」
(`・ω・´)「その世界で、正暦五百二億年にアルボル戦争が勃発。レンたちが前線に出払った隙に、『死を弄ぶ者』ティムカトゥランの別動隊が、リテシア星を襲った」
('A`)「リリーアは魂をすり潰された。砕け散った欠片が、百五億年かけて自然に寄り集まって……元の七割まで戻ったのが、真尋だ」
( ^ω^)「残りの三割は、行方知れずのままだお」
ξ゚⊿゚)ξ「そのティムカトゥランが、いまの終幕楽団の元帥。元帥の話になるとレンが憎々しげな顔をするのは、そういうことよ」
(`・ω・´)「レンが泣いたのは、アルボル戦争の一度きり。そのとき、泣きながら一人で敵を全滅させた。……レンの最大火力は、泣いた時だ」
( ^ω^)「だから『笑い男』たちは、真尋を殺してレンを泣かせようとしたんだお。いま泣かせて、無駄撃ちさせるために」
( ・∀・)「で、真相を全部聞かされた真尋が、連中に言ってやった一言が——」
( ^ω^)「『屑野郎共、くたばれ』だお」
ξ゚⊿゚)ξ「ほんと、いい子よね」
(;^ω^)(ツンの「いい子」の基準が分からないお)
(´・ω・`)「で、助けに来たレンに、真尋は何を言った?」
( ^ω^)「……私を通して昔の女を見てるだけじゃないのか、って問い詰めて、婚約破棄だお」
ξ゚⊿゚)ξ「そして、お友達から最初からやり直し。ファースト・キスもやり直し。『ちゃんとこの私、四海真尋に対してキスしなさい』」
( ^ω^)「また歯が折れたお」
('A`)「その一部始終を撮られてネットに上げられて、ついた呼び名が『カイストを掌の上で転がす女』だ」
(`・ω・´)「百五億才で、精神年齢十三才くらいの男だからな。転がされもする」
(´・ω・`)「ここまでが第一部、謎の婚約者編。百五億年を約束ひとつで生きてきた男に、七割の女の子が、自分を見ろと言った。……二人がここからどうなるのか、読んでいこう」
( ^ω^)「三十話、付き合ってもらうお」
(´・ω・`)「もちろん。まずは第二部——『混乱のセルドナ編』だ」
(;^ω^)「とても大事なことだから確認させてほしいお。……もうビンタには怯えなくていいんだおね」
ξ゚⊿゚)ξ「歯が折れなくてよかったわね」
 
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 第二部「混乱のセルドナ編」。第七話から第十二話、間奏三・四。
 四千世界の存在が公表されたばかりのセルドナで、話はまず大学の食堂から始まる。
 
( ^ω^)「第二部、混乱のセルドナ編。……何が混乱してるんだお?」
(´・ω・`)「セルドナそのものさ。リテシア同盟がやって来て、四千世界のことが公表されて、セルドナはいきなりフリー・ゾーンになった。カイストが何をしても、一般人を守ってくれる組織はもうない」
( ・∀・)「ちなみにそのきっかけは、地の文いわく真尋のせいだそうだ」
(;^ω^)「本人が聞いたら泣くお……」
(´・ω・`)「とはいえ前半は、わりと平和だ。真尋の通う帝継大の新聞部が、同盟のメンバーに一日一人ずつインタビューしていく」
(`・ω・´)「一人目は『暴霊』ナザン。四百十億才、Aクラスの精霊士だ」
('A`)「精霊士になった理由がいいんだ。『最初から死んでたら、死ぬ心配がない』」
( ^ω^)「理屈は通ってるお。……いや、通ってるのかお」
(´・ω・`)「二人目は『冷獣』タルザス・ロー・アープ。六百四億才の科学士だ。黎明期の仲間には、後に文明管理委員会を作る『守護者』アーズ。そして『暗黒塔』ザム・ザドルがいた」
( ゚ω゚)「ザム・ザドルって、『混沌へ』と『魔術師』のかお!」
(´・ω・`)「そうだね。で、話の途中で急に笑い出して、『真実を創り出していたとはな』……それから『忘れてくれたまえ』」
( ^ω^)「無茶言うなお。逆に気になるお」
('A`)「三人目は『死神』サイア・ハース。往年の読者なら、『八つ裂き王』フィロスの懐中時計に傷をつけた相手として覚えてるはずだ」
(´・ω・`)「四人目は『風』ショーリー。五百二十三億才の探知士。百億年戦争で『剣神』ネスタ・グラウドの先導役をやっていたね。眺めるのが好きだったが、黙って見ているだけの自分が嫌になって、自分を再構築した男だ」
ξ゚⊿゚)ξ「アルボル戦争に加わったのも、レンがいたから。行く末を近くで見届けたかったんですって」
(´・ω・`)「そして五人目がレン。最初の頃のことはよく覚えていない。ただ、誰かと『楽しく生きよう』と約束した気がする、と」
( ^ω^)「原点を忘れてるのに、墜滅しないのかお」
(´・ω・`)「真尋も同じことを思ってたよ」
ξ゚⊿゚)ξ「ちなみに真尋は、このインタビューでレンを椅子で五回殴って、『精神年齢三才児なんで』って謝ってたわ」
( ^ω^)「ツンと似てるんじゃないかお」
ξ゚⊿゚)ξ「えぇと……一番頑丈そうな椅子は……」
(;^ω^)「シャレにならねーお」
ξ゚⊿゚)ξ「彼女に似せて、五回ぶん殴れば満足するかしら」
( ^ω^)「ツンさん。なにか飲み物とか買ってきますよ。なんなりと申し付けてください」
('A`)(こいつら実は仲いいんじゃねーか?)
(´・ω・`)「楽しくなってきたじゃない。さて、インタビューの合間に本筋も動く。各国要人の子息が、護衛のカイストを連れて帝継大に留学してくる」
( ・∀・)「で、護衛同士がマウントの取り合いで決闘を始めて——」
(`・ω・´)「『うたた寝』パルメンが、その場の全員をまとめて眠らせた」
( ^ω^)「寝かしつけで場を収めたのかお」
('A`)「普通に考えて、結構やばい能力だよな……」
(´・ω・`)「笑ってばかりもいられない。フリー・ゾーンになった途端、凶行に走るカイストが出てくる。暴走族の見回りも襲われた」
(`・ω・´)「下手人のカイストと、暴走族連合の会長でBクラス戦士のガラル・マキシスが決闘を始める。そのあと若い連中に向けた演説で、お前達の役割は命を張って『肉の盾』になることだ、と言う」
('A`)「これ、ちょっといい話風になってるけど、どうかと思うぜ」
ξ゚⊿゚)ξ「聞いてるのは少年たちよ。命を投げ出すのはかっこいい生きざまだ、なんて言われたら、あの年頃は本当に命を張っちゃうわ」
(`・ω・´)「俺はぐっとくる演説だと思うがな」
('A`)「お前達の命は替えが利かん、とも言ってるけどなんだかなぁ」
( ・∀・)「でも演説してるのが『淫虐女王』エウロラだったら?」
('A`)「俺なんかの命でよければお好きに使ってください!!!」
( ^ω^)「相変わらずだお」
(´・ω・`)「さて、第九話では、長いこと寝ていた吸血鬼の真祖、『赤夜の王』アンスルメキアが起きてきて、レンと決闘になる。まぁ彼もリテシア同盟のメンバーなんだけど。ここでレンの力の仕組みが少し見える」
( ^ω^)「仕組み?」
(`・ω・´)「真尋が目を離している間、レンは劣勢だった。真尋が『死ぬな』と叫んで、レンがこっちを見た瞬間に勝負がついた」
ξ゚⊿゚)ξ「要するに、見られてないとパワーダウンする男よ」
( ^ω^)「わかりやすすぎるお」
('A`)「当の真尋は、なんかわざとらしかった、と思ってるけどな」
(´・ω・`)「さて、ここで間奏だ。第二部の間奏は二つとも、終幕楽団の本部『漂流する楽屋裏』が舞台になる」
(`・ω・´)「間奏三は作戦会議。軍団長がずらりと並ぶ。第一軍の長は……フィロスだ」
( ゚ω゚)「あのフィロスが、終幕楽団にいるのかお!?」
('A`)「確かにあんまり徒党を組むイメージ無いよな」
( ・∀・)「ゆーて四神会でも中心にいたっしょ」
ξ゚⊿゚)ξ「皆殺し探偵社を読んでいるとき、え?あのフィロスにお友達が!?と当時は思ったわね。何か特別な感情が……あったりすると萌えるわ」
(´・ω・`)「副団長は、灰色の霧に包まれた『封じられし者』スタン・ナバル。『急所を一突き』で『針一本』裏鋭の前に現れた、あの男だ」
(´・ω・`)「間奏四では、そのスタンの素性が明かされる。元文明管理委員会の特殊開発部門。四千世界でおそらく唯一の科学魔術士。そして楽屋裏の奥には——」
(´;ω;`)「『不死者』グラン・ジーが、閉じ込められてる」
( ^ω^)「ショボンの推しかお!」
(´・ω・`)「四神会で仲間を治療し続けて、二億年持ちこたえた男だ。楽団に入るのを拒んだから、今は治療用のエネルギー源として、球形の器に全裸で浮かべられてる」
('A`)「それでもスタンが来れば、開口一番『よーう、久しぶりだな、糞ビビリ野郎』だ」
(`・ω・´)「『裏の目』ガリデュエ直伝の『ゆっくり動く』で、器から抜け出そうともしていた。……実らなかったがな」
( ^ω^)「逃げるのが嫌いな人は、閉じ込められても諦めないんだお」
(´・ω・`)「……そういう男なんだよ」
(`・ω・´)「そのさらに奥、『無為の花園』には団長の『反則者』アブクドエがいる。記憶をなくして、意思は本当に自分のものか、自分は神の掌の上なのかと、池のほとりで延々と呟いている」
(´・ω・`)「スタンはこの団長に一つの頼み事を続けてきた。三人の強者を、再起不能になるまで叩き潰すこと。ネスタ、『彼』、そして——レン」
( ゚ω゚)「レンが、終幕楽団の団長に狙われてるのかお!?」
(´・ω・`)「間奏四の最後の一行は、『スタン・ナバルは今のところ、嘘をついてはいなかった』。……第二部でいちばんぞっとする一文かもしれない」
( ^ω^)「『今のところ』が怖いお……」
(´・ω・`)「本編に戻ろう。第十話は、フリー・ゾーン化の対策を話し合う国際会議だ。七十六ヶ国の代表を前に、タルザスが三つの選択肢を示す」
(`・ω・´)「一つ。セルドナの全ての知的生物から我力を少しずつ集めて、防御結界を張る。二つ。軽い多幸感と欲望の低下を与える鎮静——幸福薬をセルドナ中にばらまく。三つ。五十年間、セルドナの管理をリテシア同盟に任せる」
( ・∀・)「一つ目と二つ目を聞いた後だと、三つ目しか選べないよな」
( ^ω^)「選ばせてるようで、選ばせてないお……」
ξ゚⊿゚)ξ「交渉の基本ね」
(´・ω・`)「会議の夜、真尋は七割のことで悩む。残りの三割はどこへ行ったのか。三割が集まったら、自分は別人になってしまうのか」
('A`)「そこへリテシア同盟のサブメンバー、『夢花火』幻城が来て、ある検証士の言葉を伝えるんだ。『繋がっているようで繋がっていないようで、繋がっている』」
( ゚ω゚)「それ、『魔術師』で聞いたお!」
(´・ω・`)「そう。ガリデュエが、『真っ二つの男』イスカ・グルナを調べて出した答えだ。『魔術師』でも、同じイスカの例として引かれていた」
('A`)「しかも『魔術師』じゃ、『捜し屋』リドックが百億年かけて誰を捜してるかって話まで出てたからな。依頼人はレンだ、って」
( ^ω^)「ちゃんと繋がってたんだお……」
(´・ω・`)「第十一話は海水浴。タルザスが、蒼輪の海の防衛用にクラーケンを放つ」
( ^ω^)「題が『海でクラーケンを育成するのは定番なんです』だお。定番なのかお」
('A`)「水着回は定番だろうが!!!」
(`・ω・´)「そこへ終幕楽団が来る。第十三軍長、『闇渡り』ボレック」
(´・ω・`)「場面は変わって、着替え小屋。敗走したはずのボレックが居座っていて、峰子がバッグに手を入れたまま、中から拳銃を撃つ」
( ゚ω゚)「一般人が、Aクラスを撃ったのかお!?というか峰子って誰だお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「あら。ちゃんと読んでこなかったのかしら?一部の冒頭ですら登場してたわよ」
(´・ω・`)「真尋の親友ポジションだね」
( ゚ω゚)「……覚えてますぅーー、笹野葉峰子でしょ!?真尋の同級生の!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「苗字間違ってるわよ……。もう一度素振りしておこうかしら」
( ^ω^)「ツンさん。ランチは何が食べたいかお。遠慮なく言ってほしいお」
( ・∀・)「で、そんな”笹葉”峰子の銃撃だが、ボレックの右胸に命中。二発目は『撃ったらどうせよけますよね』で撃たない」
('A`)「そんなにうまくいくかよ……とは思うが、面白いから許す」
(´・ω・`)「ボレックは爆弾を置いて消える。その爆発の光の中で、真尋のペンダントが割れて——」
ξ*゚⊿゚)ξ「『鋼鉄の男』ディンゴよ!」
( ^ω^)「ツンの推しだお」
('A`)「第一声が『刑期終了だっ』。持ち主を守る役目で、ペンダントに十万年の刑期で封印されてたんだと」
(`・ω・´)「爆発のエネルギーをベクトル制御で丸ごとまとめて、宇宙まで蹴り上げた。……全裸でな」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
( ・∀・)「だから第十二話の題が『まずパンツを履け 話はそれからだ』なんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「……履かなくていいわよ。私を見ておっ起てたままでいなさい」
( ^ω^)「さすがにそんなこと言われたら萎れるお」
('A`)「え……逆にそそるけど」
( ^ω^)「紳士淑女の君たちとは会話にならねーお」
(´・ω・`)「ディンゴはオアシス会の男で、レンと『彼』の勝負に立ち会ったこともある。そのまま、リテシア荘に住む話になった」
( ^ω^)「流れは終わってるけど、役者が揃ってきたお」
(´・ω・`)「ボレックは、三ヶ月以内にまた来ると言い残していった。……次は第三部。題は——『バンドやろうぜ編』」
( ゚ω゚)「バンド!?」
 
────────────────
 第三部「バンドやろうぜ編」。第十三話から第十八話、間奏五・六。
 軟着陸機構が動き出したセルドナで、話はまず浜辺に映し出された歌姫から始まる。
 
( ^ω^)「で、なんでバンドなんだお」
(´・ω・`)「順を追おう。まず第十話の国際会議の結論から。セルドナの管理は、五十年の約束でリテシア同盟に任された。名前は『セルドナ自由区域化軟着陸機構』」
( ・∀・)「な? 三つ目しか選べないって言ったろ」
(´・ω・`)「で、第十三話。真尋たちは海に来ている。千人以上が集まった浜辺で、レンが海の上に立体映像を映す。百五億年前の、リリーアのステージだ」
( ^ω^)「前世の自分のライブ映像を、本人の前で流したのかお……」
('A`)「レンに悪気はゼロだ」
ξ゚⊿゚)ξ「上手くて、綺麗で、浜辺じゅうが聞き入って拍手。真尋は思うのよ。過去の因縁で好かれてるだけで、今の自分には何もないじゃないか、って」
(`・ω・´)「そこでディンゴだ。前世の自分に負けた気がするか、と聞く。大事なのはお前さん自身がどう思ってるかだ、と」
(´・ω・`)「レンが比べるつもりはないと口を挟むと、男のお前がどう思ってるかなんてどうでもいい、と退ける」
( ^ω^)「……で、真尋は?」
ξ゚⊿゚)ξ「『……。勝ちたいな』」
( ^ω^)「真尋の姉御!」
ξ*゚⊿゚)ξ「ディンゴ、やっぱりかっこいいわ。パンツの件は無かったことにしてあげる」
( ^ω^)「無理だお」
( ・∀・)「峰子は無かったことにしてくれなかったけどな。全裸の紳士とは思えない良い台詞でした、だとさ」
(´・ω・`)「こうしてバンド結成。ボーカルは真尋。レンはヘビー・シールド、長い盾にワイヤーを張った弦楽器だ。タルザスはキーボード」
('A`)「サイアはドラム。撥は自分の骨だ。ショーリーはトリアメアっていう縦笛」
( ・∀・)「ナザンはパーカッション。楽器はバケツと鍋とお玉」
( ^ω^)「最後だけおかしいお」
( ^ω^)「いや……自分の骨もおかしいが。まずいお。世界観に飲み込まれそうになってるお」
(´・ω・`)「第十四話は重い。『弱者の毒針』」
(`・ω・´)「一般人がカイストを殺せる魔術だ。呪文で準備して、相手に触れて短い締めの呪文。一般人でも撃てるし、強いカイストほど早く死ぬ」
('A`)「その代わり、使った一般人も死ぬ」
( ^ω^)「文字どおりの捨て身だお……」
(´・ω・`)「開発したのは魔術士ジオ・カーディス」
( ゚ω゚)「ジオ・カーディスって……」
(´・ω・`)「『魔術師』の御門丈五だよ。ザム・ザドルの弟子の。『魔術師』で予言されていた『毒針』が、ここで回収されたわけだ」
('A`)「題を見た瞬間にジオが浮かんだ読者もいたはずだ」
(`・ω・´)「最初は帝継大の学生が、ちょっとした実験のつもりで唱えた。これは未遂で済んだ。次は宗教国家ケナンで、本当に成功する。機構のBクラス戦士が、デモの最中に触れられて破裂した」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
('A`)「でもな、同じ話の中でバンドの練習も続いてるんだ。悲惨な場面と日常の場面が交互に来て、最後は日常の空気が勝つ。こういうところが好きなんだよ」
(´・ω・`)「ここで間奏五。舞台は終幕楽団の『牧場』、アルガムルという世界だ」
(`・ω・´)「元帥ティムカトゥランが、第一死軍を作り直している。住民から我力を搾り取って、殺して、その死者を兵にする。文字どおりの牧場だ」
(´・ω・`)「そこに『光の王』ハイエルマイエルがいる。……脳と脊髄と心臓と、光を撃つ両手だけにされて、装甲車に組み込まれてね」
(;^ω^)「ひでぇお……」
(´・ω・`)「グランと同じで、楽団に入るのは拒んだんだ。でもハイエルマイエルは、牢から助け出してくれたアブクドエへの恩を返すために、自分から死者として使われる道を選んだ」
('A`)「正義の教団の長がそれでいいのかよ。真に正しいこと、できてないんじゃないか」
( ^ω^)「その感想はマジで効いてそうだから止めたげて」
(`・ω・´)「もう一人、捕まって骨まで削られていたのが『大愉悦者』カルバ・ハルア・サルマだ。楽団の死霊術士の体に、本人も知らないうちに爆弾を仕込んでおいて、それで魂ごと脱出した」
(´・ω・`)「第一部で、皇城の石碑に罠を仕掛けて、レンを殺しかけたカイストだね」
( ・∀・)「上役のボレックは謝るどころか、さすがは大愉悦者、って大笑いだ」
(´・ω・`)「第十五話は海賊海、テーマパークでのデートだ」
( ^ω^)「平和だお」
(´・ω・`)「ところが園内のピエロが、素手でレールを直すというミスをする。正体は、『笑い男』に化けていた別人だった」
(`・ω・´)「『アクター』ギノスクラーレ。誰にでも化けて、能力まで真似る男だ。ミスはわざとで、リテシア同盟への売り込みだった」
('A`)「タルザスはそいつを、預金の九十九パーセントで雇った。ある重要人物の替え玉になってくれ、と。」
( ・∀・)「連載当時、誰に化けるのか読者の間でいろいろ予想が出たよな。……あと、同じ席でタルザスが『無手勝』コー・オウジの名前を出してる。あいつの幸運が、少しずつ積み重なってる、ってな」
ξ゚⊿゚)ξ「推しの名前が出ると嬉しそうね」
(´・ω・`)「バンド名は観客の投票で決めることになって、一位は真尋の案の『カイストぶん殴り隊』」
( ^ω^)「最高の名前だお」
(´・ω・`)「毒針事件のあとだから、という理由で除外。最終的に『御迷惑バンド』に決まった」
( ^ω^)「それもどうかと思う」
(´・ω・`)「第十六話。ナザンが号泣する」
('A`)「理由は、毎週見てるアニメ。四百億才がな」
(´・ω・`)「そしてこの話の核心。膝枕をせがんだレンの頭を真尋が撫でたとき、真尋はレンの『中』を見る」
ξ゚⊿゚)ξ「途方もなく大きな球の内側に、白く光る小さなものが無数に並んでいて、その全部が『嬉しい』『撫でて』『大好き』って、真尋に向かって言ってるの」
(´・ω・`)「その夜、幻城が説明に来る。『レンは、一つの世界なのです』」
( ゚ω゚)「世界!?」
(`・ω・´)「一つの世界と同じ出力を持っているから、本気になれば世界にあらゆる影響を及ぼせる。『彼』も同じ規模だが、『彼』はその出力を破壊にしか使えない」
( ^ω^)「それって、結局どういう存在なんだお」
(´・ω・`)「……第三部で語られるのは、ここまでだね」
(´・ω・`)「同じ回で、カイストが永遠の別れをどう受け止めるかの話も出る。捜し続ける者、旅人として割り切る者、覚悟を決める者」
ξ゚⊿゚)ξ「そこで幻城がさらっと言うのよ。『彼』には奥さんがいる、って」
('A`)「『彼』に嫁が……どんなバケモンだ」
( ・∀・)「『殴り守護神』レナ・サランヴェール。味方殺しの旦那を殴って止める人らしいぞ」
(´・ω・`)「最後は皇城。蒼輪明実殿下が両親に、カイストと交際したいと打ち明ける。相手はナザン」
( ^ω^)「年の差が……」
(´・ω・`)「殿下いわく、レンと真尋は百億才差、自分たちはその四倍、だそうだ」
('A`)「で、今生帝がさらっと言うんだ。二十一代前の帝は神無様の御子ですからな、って」
(`・ω・´)「護衛の神無一が、皇家のご先祖だったわけだ」
('A`)「神無くん……やってるねぇ」
(´・ω・`)「間奏六は、第二部で池のほとりで呟いていた団長アブクドエの独白だ」
(`・ω・´)「元の名は殺人鬼タロウ。自分の意思は世界の法則に動かされた結果にすぎない、自分は世界に操られている。だから世界を操る釈迦を殺さなければならない。それがあいつの力の源だ」
( ^ω^)「哲学だお……」
(´・ω・`)「でも、記憶をなくしかけた団長がしがみついているのは、居候先のラーメン屋の娘、高城優里に背中を撫でられた記憶なんだ。迷子になって三日かけて帰って、大泣きしたときにね」
ξ゚⊿゚)ξ「撫でる、が二回出てきたわね。真尋がレンを撫でたのと、優里がタロウを撫でたのと」
(´・ω・`)「最後に副団長スタンが予告する。おそらく百日以内に、楽団は委員会の最後の砦に攻め込む、と」
(´・ω・`)「第十七話。延び延びになっていたインタビューの続きで、幻城と『一本槍』トビシキ。二人は義兄弟だ」
(`・ω・´)「トビシキは駆け出しの頃、貧しい村を回って花火を上げていた幻城に惹かれて、一千万年追いかけて頼み込んだ」
ξ*゚⊿゚)ξ「義兄弟……いいわね……」
(´・ω・`)「幻城が幻術士を志した理由は、殺伐とした世界で、せめて苦しまずに良い夢を見ながら死んでほしかったから。それが花火になって、『夢花火』と呼ばれるようになった」
(´・ω・`)「同じ日に天覧試合がある。真尋のお父さん、四海忠助の槍の師匠を、ディンゴとトビシキのどちらがやるかの勝負だ」
('A`)「きっかけは庭での口論。それが帝の御前での試合になった」
( ・∀・)「口論を大事にするなよな」
(´・ω・`)「その夜、楽団から脱出したカルバが機械人形に乗って、タルザスの前に現れる」
(`・ω・´)「出立は正暦五十八億年。全人類を踊り狂わせたり、十二の恒星を笑顔にして爆発させたり、スカーダのアースト山にロケットを付けて空に打ち上げたりしてきた悪戯師だ」
( ^ω^)「スケールがおかしいお」
( ・∀・)「アースト山の件、いいセンスしてるぜ」
(´・ω・`)「カルバの持ちかけは勝負だった。景品は、終幕楽団の本部『漂流する楽屋裏』に仕掛けたマーカーの情報と、爆弾の起爆装置。条件は、七日後に海賊海でライブをやること」
(`・ω・´)「一般人の観客二千人以上、一曲三分以上、曲が終わるまで観客の死者ゼロ。仕込みはもう済んでいる、とさ」
(´・ω・`)「そして第十八話、海賊海大爆発ライブ。客席を埋めたのは暴走族の連中、二千百人。全員、命を張る覚悟で来ている」
( ^ω^)「覚悟が決まりすぎだお」
(`・ω・´)「守る側も総力戦だ。オアシス会から『見立て師』キダフェル・パレクトスと『キング・オブ・パワー』ロゾム・ハザス、殲滅機関から『岩ミミズ』ギザ・ミード、そしてフリーの『インチキ時空魔術士』パパローナ・トリッツァント」
(´・ω・`)「カルバの仕掛けは、園内のあらゆる物を爆弾に変えることだった。キダフェルが園を丸ごと写した見立て盤を作って、爆発が起きたらパパローナが時間を止めて数秒巻き戻す。その間に、原因をつまみ出す」
( ^ω^)「時間を戻すって、インチキだお」
( ・∀・)「作中でもみんなそう思ってる」
('A`)「パパローナがいなかったら、一発でアウトだったな」
(´・ω・`)「外からも来る。ミサイル二千発、衛星からのレールガン、打ち上げられるホテル、それに小の月まで」
( ゚ω゚)「月!?」
( ・∀・)「レールガンはトビシキが槍一本で撃ち落とした。月は、見栄を張ったアンスルメキアが眷属ごと宇宙で押し返した」
('A`)「あと、『その席 その一言』のゴスラムがAクラスになってて、破片を叩き落としてた」
( ^ω^)「懐かしい顔だお」
(´・ω・`)「十一時五十五分に始まった一曲が、終わったのは午後八時十二分」
( ^ω^)「一曲に八時間かお」
(´・ω・`)「カルバも、実質八時間か、と言いながら景品を渡した」
(`・ω・´)「去り際の一言が、『わしはまだまだ悪戯がし足りん。四千世界を終わらせるなど許す訳にはいかんのだ』」
( ^ω^)「味方……なのかお?」
('A`)「ツンデレも拗らせると大変だな」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
(;'A`)「いや……違うんです……」
ξ゚⊿゚)ξ「まあいいわ。ライブの後、真尋はレンの膝枕で目を覚ます。この間の膝枕のお返し、ですって」
(´・ω・`)「そこでレンが言う。『少なくとも観客の皆さんには死者も出ていません』」
( ^ω^)「よかったお」
('A`)「良いわけないんだよなぁ……」
(`・ω・´)「会場外の惨状が描写されてたから余計にな……」
ξ゚⊿゚)ξ「次は秋の学園祭。そっちが本当の本番だ、って」
(´・ω・`)「ここまでが第三部、バンドやろうぜ編」
( ・∀・)「名のあるカイストが次々に集まって、楽団への切り札も揃った。流れとしては、かなり良かったよな」
('A`)「本当に面白いよ。カイストシリーズの集大成ってお題目は伊達じゃない。……この時点での不満はほぼなしだ」
( ^ω^)「正直まじでおもしれーお」
(´・ω・`)「次は第四部。題は——『え、なんで集まってくるの編』」
( ・∀・)「ここまで読んでると、何でもくそもあるかいって思うがな」
 
────────────────
 第四部「え、なんで集まってくるの編」。第十九話から第二十四話、間奏七・八。
 夏休みが明けたセルドナで、話はまず学生食堂に据えられた玉座から始まる。
 
( ^ω^)「第四部、え、なんで集まってくるの編。……もう充分集まってるお」
(´・ω・`)「まだ来るんだよ。ネームドカイストが次々に現れる。それが第四部だ」
(´・ω・`)「まず第十九話。新聞部のインタビューの続きで、今度は学生食堂に玉座が据えられる」
(`・ω・´)「アンスルメキアだ。名乗りが『残念ながら五百五十一億才である』」
('A`)「真祖になった理由は、一般人の頃に読んだ小説の夜の一族の王に憧れたから。要するに、かっこいいから、だ」
ξ゚⊿゚)ξ「少年がそのまま育つと、こうなるのね」
( ^ω^)「ちょっとギャグ枠の匂いを感じるお」
(`・ω・´)「後半は図書館。本を舐める男が現れる。Aクラスの錬金術士イスメニアス。本に染みついた感情の残り香を味わうんだそうだ」
('A`)「『骸骨騎士』以来の登場だ」
(;・∀・)「すっかりと立派な変態になっちまったな」
(;^ω^)「昔も十分変態だったお。やっぱAクラスのカイストはみんなおかしいお」
ξ゚⊿゚)ξ「そのあと真尋とレンは、なんとなく四度目のキスをするの。今度は当たりが柔らかくて、前歯は折れなかったわ」
('A`)「イスメニアスが催淫剤みたいなものを撒いてたんだけどね……」
( ^ω^)「きもちわりーーーー」
(´・ω・`)「第二十話で、いよいよ『彼』が来る」
(´・ω・`)「折り畳みのパイプ椅子にロープで縛られた男がいる。つば広の帽子にマント。前の日に真尋が帰り道ですれ違った、疲れた顔の旅人だ」
( ゚ω゚)「それが『彼』かお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと目を離すと迷子になるんですって。世界規模で」
('A`)「ナザンいわく、昔に比べればましになった方だ、とさ。丸くなったんだよ、あれでも」
(´・ω・`)「隣で『彼』を殴って止めているのが、奥さんのレナ。第三部で名前だけ出た、あの人だ」
('A`)「……すげえタイプだ」
( ^ω^)「エウロラはどうしたお」
(`・ω・´)「顔合わせにはオアシス会の幹部が揃う」
( ・∀・)「幹部がちゃんと一堂に会するのは、たぶんこれが初めてだ」
(´・ω・`)「レンと『彼』の相討ちの真相も出る。『彼』がいきなりレンを抱き締めて、頬にキスしてきた。それでレンがカッとなって、一瞬の勝負になった」
( ゚ω゚)「キスでキレたのかお!?」
ξ゚⊿゚)ξ「レナと『彼』の最初のキスでは、サマルータの大地がちぎれたそうよ」
('A`)「この話、キスのたびに何かが壊れるな」
(`・ω・´)「そこへ終幕楽団第五軍の軍団長、『骨食み』ガットラムが一人で決闘を申し込みに来る」
(´・ω・`)「受けて立ったのはレナだ。『カイストの妻ってのがどんなふうになるか、見せておかないとね』」
(`・ω・´)「ガットラムが全てを懸けた拳は、レナの顔に当たって、拳の方が潰れた。『出直してきな』の一言で、首から上が消える」
( ^ω^)「強すぎるお……」
('A`)「『彼』の愛を真正面から受け止め続けていたら、そうなったらしい」
( ・∀・)「もうこの戦争、レナと『彼』だけでいいんじゃないか」
(´・ω・`)「そして最後に、ガルーサ商会がレンにビデオレターを届ける。差出人は、ネスタ」
(´・ω・`)「中身の前に、間奏七。舞台は文明管理委員会の隠し砦、アスクウェレン。楽団が攻め込み、迎え撃つのはネスタだ」
(`・ω・´)「剣閃二つで、死霊術士の軍団長と霊体百万が消える。飛び出したフィロスも、刃の三割と左腕を斬り落とされる」
(´・ω・`)「でも、団長アブクドエが出てくる。ネスタの剣は団長の胴を斜めに割ったのに、団長は平然としていて……ネスタは、剥がされたポスターみたいに、折られて、丸められて、破られた」
( ^ω^)「……」
(´・ω・`)「砦の奥にいたのは、委員会を作ったアーズ。ここで、スタンとアーズの口から、世界の成り立ちについての話がどっと出てくる。前の四千世界があったらしいこと、その名残を持つ者たちがいるらしいこと、『原理の箱』という四千世界の急所のこと」
( ゚ω゚)「情報量がとんでもないお……」
(`・ω・´)「三十七万年前、まだ殺人鬼タロウだった団長は、その箱を覗きかけた。その時、背中をポンポンと叩かれて、『タローさん』と呼ばれた気がして振り向いた。それで世界は一度救われていた」
ξ゚⊿゚)ξ「第三部の、撫でられた記憶の続きね」
(´・ω・`)「最後に、団長がアーズを消す。墜滅したかもしれない、で間奏は終わる」
('A`)「連載当時は、ここで出た話がいずれ詳しく回収されるんだろうと思って、完結が待ちきれなかったんだよな」
(´・ω・`)「第二十一話の頭で、ネスタのビデオが再生される」
('A`)「村と恋人を守るために強くなりたくて、山に篭もって修行を続けた。気がついたら星は滅んでいて、何もかもいなくなっていた。恋人の名前も顔も、もう思い出せない」
(`・ω・´)「『俺は、ただ、幸せになりたかったのだろう』」
( ^ω^)「……悲しいお」
('A`)「ネスタがちゃんと喋るのは、これが初めてなんだ。それがこういう形でな」
(´・ω・`)「アンスルメキアは号泣して、親衛隊を抱き締めて『何も失わぬぞ』と叫ぶ。レンは泣かずに、真尋に手を差し出して、消えません、と言う」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっとアンスルメキアが可愛く見えてきたわ」
( ・∀・)「ちなみにネスタは、同じビデオが『彼』や殲滅機関の長にも届くように手配してた」
( ^ω^)「絶妙にちゃんとしてるのおもろいお」
(´・ω・`)「笑える場面じゃないのは分かってるけど、ちょっと面白いよね」
(´・ω・`)「まぁ、ここが転換点かな。ネスタの敗北によって、物語が動き始める。皇城下公園のゲートから、Cクラスだけの組織プレミアムCの三人。代表の『天秤』セファルス、『万能貧者』ハリスミン、『魔剣使い』ダラート・モネリの登場だ」
('A`)「ダラート、いいよな。魔剣を使いたくて、わざとCクラスに落ちた変態剣士だ」
(`・ω・´)「そして、キルマが来る」
( ゚ω゚)「ドクオの推しだお!」
('A`)「……墜滅寸前と噂されて、白髪交じりで、異臭がして、武器も荷物もない。目的を聞かれて、なんとなく戦いに来た、だ」
(´・ω・`)「酒場で待っていたのはディンゴだった。『よーう、久しぶりだな』と」
ξ*゚⊿゚)ξ「推しと推しが、同じ卓に……」
(`・ω・´)「そこにダブル・ツェンクも合流する。力のツェンクと、技のツェンクだ」
( ・∀・)「シャキンの推しも来たな。推しが全員集まってくる部だ」
(´・ω・`)「酒場でキルマがぽつりと言う。ネスタのメッセージ動画か、俺は貰ってないな、と」
('A`)「ディンゴの返事が『だってお前、ネスタとやったことねえだろ』。それから鼻をほじりながら、お前ゴールデン・マークでもねえしな、と」
(;^ω^)「余計な一言だお……」
(`・ω・´)「後日、オアシス島の決闘用のリングで、キルマは技のツェンクを素手で倒し、力のツェンクを喉への手刀一突きで倒す」
(`・ω・´)「……俺の推しが」
('A`)「昔、裏鋭に聞いたんだそうだ。本当の急所を見極めたなら、我力はそれほど要らない、と」
(´・ω・`)「そして、ディンゴ対キルマ。審判は『隻眼影』ルーン。決闘が始まったところで、第二十一話は終わる」
( ゚ω゚)「『骸骨騎士』の、またいつかやろうな、だお!」
ξ゚⊿゚)ξ「当時、ファンが本当に沸いた場面よ」
('A`)「あの……決闘の場面が無いんですけど……」
( ・∀・)「そういうこともある……いや、俺も正直同じこと思ったが」
(´・ω・`)「まぁまぁ。先は長いから進めよう。第二十二話は学園祭だ」
(´・ω・`)「生殖活動研究会の企画では、色技士の愛情講座がある。講師は『愛皇帝』ルーファン」
('A`)「『百億年戦争』で名前だけ出てた男だ。ついに本人が来た」
ξ゚⊿゚)ξ「途中まではいい話なのよ。そのあとが……ね」
( ^ω^)「珍しく僕もツンと同意見だお」
(´・ω・`)「二日目、正門で待っていたのはガリデュエ本人だ」
(´・ω・`)「真尋が例の言葉を呟くと、『うむ。そのガリデュエじゃよ。ちゃんと繋がっておって何よりじゃな』」
( ^ω^)「ちゃんと繋がってたお……」
(´・ω・`)「そして真尋のライブ。終わった後、真尋は、そうか、これが青春か、と思う」
(´・ω・`)「その夜、遠い大陸の地下で、バエスキア教団の拠点が『彼』一人に消し飛ばされる。帰り際の一言が、この星が平和になればいいな、だ」
( ^ω^)「……本当に丸くなったお」
('A`)「日常の裏で、でかい事件が起こりまくってるよな」
( ・∀・)「その温度差が狂気太郎のイイとこじゃんか」
(´・ω・`)「間奏八で、終幕楽団の目的が明かされる」
(`・ω・´)「団長アブクドエの願いは、優里にもう一度会うこと。スタンは、世界の数を減らせば、転生した彼女を見つけやすくなると説いた」
( ・∀・)「いかれてらー」
( ^ω^)「僕のセリフとられたお。でもまじでそう」
('A`)「しかも捜索を請け負っていたのが、リドックだ」
(´・ω・`)「リドックは、優里と同じ魂を持つ少年エスカを見つけて、楽屋裏に連れてくる。見つかれば戦争は終わる。……スタンにとっては、困る話だ」
(`・ω・´)「スタンの分身が本体を気絶させて、偽の応接室ごと二人を爆破する。本体はそのことを覚えていないから、団長に、まだ見つかっていません、と嘘をつかずに言える」
( ^ω^)「第二部の『今のところ、嘘をついてはいなかった』は、そういう……」
(´・ω・`)「そう。……隠形でついてきていた『蜘蛛男』フロウが脱出を試みるけれど、壁に触れる直前に爆発が全てを覆う。生死は書かれない」
( ・∀・)「俺の推しが……」
(´・ω・`)「第二十三話、三割の女。皇城下公園のゲートから一人の女性が来る。アレイン・ソラン、二百二十四才の一般人。自分こそリリーアの残り三割だ、と」
( ゚ω゚)「あぁ!真尋の残り部分かお!」
('A`)「嫌な言い方で草」
(´・ω・`)「そして面会の場で、峰子が前に出て名乗る。『いやあ、旧リリーア・エメリスの七割です。どうもー』」
( ^ω^)「峰子の姉御!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「アレインの顔が、激しい憎悪と殺意に歪む。本当は真尋に向けられるはずだった顔よ」
(´・ω・`)「取り押さえられたところを、潜んでいたルーンが短剣で刺す。『安全のために最善を尽くしただけだ』」
('A`)「そしてレンが首をかしげて、一言。『ああ、そうか。お母さん』」
(´・ω・`)「ロゾムの魂の避難所で明かされる。アレインはリリーアの転生じゃなかった。四千四百年前、何代か前の前世で、レンを産んだ母親だったんだ」
( ^ω^)「……じゃあ、本物の三割は?」
(´・ω・`)「第四部の時点では、まだ見つかっていない」
(´・ω・`)「第二十四話、バースデイ・サプライズ。まず、混沌の海を渡ってくる車が一台。乗っているのはラミア・クライス・カザハラと、夫のアロロア・マコト・カザハラ」
( ^ω^)「あの二人もすっかり夫婦だお」
('A`)「着いた先のセルドナにいたのが、太った五才児。『皆殺し探偵社』の所長、コー・オウジだ」
( ・∀・)「来たか、俺のもう一人の推し……!」
( ^ω^)「ちょっと生意気な五才児だお」
(´・ω・`)「そして八月二十七日、真尋の誕生日。零時零分ちょうどに、レンがまたドアを破って入ってくる」
ξ゚⊿゚)ξ「プレゼントの山の中に、フィロスの刃があるの。ちょっと笑ったわ」
(;^ω^)「設定的に、他人の体の一部だお?そんなもんプレゼントするなお」
(´・ω・`)「そうして真尋は十九才になった。サプライズの締めは、リテシア星へのゲートの開通。行き先は、百五億年前の店を再現したサラポーナズ・バーだ」
(`・ω・´)「……その頃、リテシア星では、バーの常連たちが真尋のライブ映像を見ていた。似てないな、声も違う、レンのシールドは下手糞だ、……だが楽しそうだな、と」
( ^ω^)「……」
(`・ω・´)「次の瞬間、上空からの閃光で、街ごと消える。百五億年守ってきたアレンティアとサラポーナズ・バーが、五秒で跡形もなくなった」
(´・ω・`)「そして残されたゲートの向こうから、『世界斬』アルルノートが突き込まれる。全長二キロを超える、誰にも使えなかった剣を、一万六千人を一人の持ち手と誤認させて振るったんだ」
( ・∀・)「フロウ日記で、使い物にならないガラクタ扱いされてたあれだ」
(´・ω・`)「レンは真尋をかばって、腰から下を斬り飛ばされる。それでも、真尋さんが無事なら僕は大丈夫です、と」
( ^ω^)「どう見ても大丈夫じゃないお」
(`・ω・´)「サイアも右腕と右足を失う。そこへ、誰のものでもない声がする。『問題ない、予定通りだ。ショーリーは楽団のスパイだから』」
('A`)「ショーリーは、そういうことだったのか、と呟いて、自分の胸を剣で刺し通す。ナザンが、今のは『ダーク・ウィスパー』だ、と叫んだのに」
(´・ω・`)「同じ頃、オアシス島が襲われて、ロゾムが攫われた」
ξ゚⊿゚)ξ「誕生日の零時に始まって、その日のうちに全部ひっくり返されたのね」
(´・ω・`)「世界がグズグズと崩れて、どす黒く変わっていくような感覚が、真尋の心を侵蝕していく。……そこで第四部は終わる」
('A`)「最高の引きだった。最終決戦が本当に楽しみだな」
( ・∀・)「さすが集大成、ってな」
ξ゚⊿゚)ξ「先が本当に楽しみだわ」
( ^ω^)「今のとこ楽団側がかなり優勢に思えるお」
(`・ω・´)「戦いというのは、最後まで分からないものだがな」
 
────────────────
( ^ω^)「……ちょっと今どういう状況なのか整理してほしいお」
ξ゚⊿゚)ξ「……正直私もよ。キャラクター中心に読んでたからよく分かってないわ」
('A`)「もうお前ら付き合っちまえよ」
( ^ω^)(現実に『殴り守護神』が現れたらたまったもんじゃねーお)
ξ゚⊿゚)ξ「『殴り』だけでも私はいいんだぞ」
(;^ω^)「検証士の技術でも持ってるのかお!?心の声読むんじゃねーお!……ごめん!!!ごめんて!!!」
 
 
(#)ω(#)「前が見えねぇーお」
('A`)「え……これ俺のせいか……」
(´・ω・`)「ブーンが可哀そうすぎるから、僕が整理してあげるよ。そこのボードに書くからちょっと待ってね」
 
 【第四部終了時点の盤面】
 
◆ひとことで言うと
・守護者側は、真尋の誕生日の一日で主力の多くを失った
・楽団は優勢。団長が狙う強者は、残り『彼』とレン
 
◆守護者側の被害
・レン【重傷】アルルノートで腰から下を斬り飛ばされた
・サイア【重傷】右腕と右足を失った
・ショーリー【生死不明】「楽団のスパイ」と告げる声の後、自分の胸を刺した。スパイ疑惑の真偽も不明
・ロゾム【拉致】オアシス島が襲撃された
・真尋【無事】
 
◆終幕楽団
・団長アブクドエ【目的】優里にもう一度会うこと。そのために世界の数を減らしてきた
・副団長スタン【真意不明】団長を動かしてきたのに、見つかった優里と同じ魂(エスカ)を分身に爆破させた
・元帥ティムカトゥラン【健在】第一死軍を作り直した
・団長の標的「三人の強者」【残り二人】ネスタは脱落。残るは『彼』とレン
 
◆守護者側の手札
・マーカーと起爆装置【未使用】カルバから受け取った、楽団本拠地の位置の手がかりと爆弾の起爆装置
・ギノスクラーレ【替え玉】ある重要人物の替え玉として雇われている。誰に化けているかは伏せられたまま
・カザハラ夫婦【到着】
・コー・オウジ【制限中】五才児の体で、能力は大幅に制限されている
 
( ・∀・)「よくまとまってるな。さすが」
(`・ω・´)「うむ。ただ守護者側と、楽団側、どちらでもない陣営のリストが欲しいところだ」
(´・ω・`)「もー欲張りだなぁ。ちょっと待っててね」
 
 【主な登場人物と陣営】
 
◆守護者側
・リテシア同盟:レン、タルザス、ナザン、サイア、ショーリー(スパイ疑惑あり)、幻城、トビシキ、アンスルメキア
・オアシス会:会長の『彼』、レナ、ディンゴ、ルーン、キダフェル、『大剃刀』シド・カイレス、『移り火』カ・ドゥーラ、ロゾム(拉致)
・殲滅機関:ギザ・ミード
・文明管理委員会:壊滅。残党勢力の存在は示唆されている
・皆殺し探偵社組:所長のコー・オウジ、カザハラ夫婦
・ギノスクラーレ:今はタルザスに雇われて、ある重要人物の替え玉をしている
・セルドナの人々:真尋、峰子、明実、神無、ガラル
・プレミアムC:セファルス、ハリスミン、ダラート
・キルマ、ダブル・ツェンク
・パパローナ(第三部のライブで守護者側に協力)
・ガリデュエ
・イスメニアス(楽団に入ろうとして門前払いされ、守護者側を名乗っている)
・パルメン(小国に雇われた留学生の護衛)
 
◆終幕楽団
・団長アブクドエ、副団長スタン、元帥ティムカトゥラン
・第一軍長フィロス、第十三軍長ボレック
・死軍として使役されているネームドカイスト多数
 
◆どちらでもない
・『笑い男』たち:楽団とは別の集団。戦争を長引かせ、混沌を引き延ばしたい
・カルバ:楽団から脱出した悪戯師。四千世界が終わるのは困るが、守る側の仲間でもない
・バエスキア教団:楽団とは敵対も協力もしない。セルドナの拠点は『彼』に消された
・正体不明:ショーリーに「楽団のスパイ」と告げた声。ナザンいわく『ダーク・ウィスパー』
 
(´・ω・`)「こんなもんでいいかい」
('A`)「いいじゃないか。本当に最終決戦っぽくなってきたな」
( ^ω^)「……こっちはもう戦後処理に入ってるお」
ξ゚⊿゚)ξ「当分の間、ランチ奢ってもらうからね」
('A`)(いや……ちょっと嬉しそうでは……)
ξ゚⊿゚)ξ「口にしたら、お前は朝日を拝めなくなるぞ」
('A`)
( ・∀・)「よし!準備は整ったな!」
(`・ω・´)「ああ。滾ってきたな」
(´・ω・`)「それじゃあ最終第五部、読んでいこうか!」
 
────────────────
 第五部「セルドナ血戦編」。第二十五話から第三十話、間奏九・十。
 誕生日の襲撃から四時間後、話はまずレンの治療室から始まる。
 
(´・ω・`)「第二十五話、全力戦宣言。まずは被害の確認からだ」
(`・ω・´)「レンの下半身は、なんとか繋がった。だが動かないし、感覚もない。魂に概念的なダメージを負っていて、いつ治るのか見通しが立たないそうだ」
( ^ω^)「繋がっただけでも、よかったお……」
ξ゚⊿゚)ξ「真尋はね、いつかは治るんでしょ、のんびり待つよ、百年でも千年でも、って。レンは百五億年待ったんだから、って」
('A`)「待つ側と待たせる側が、入れ替わったな」
( ・∀・)「峰子は峰子で、横から下ネタで励ましてたけどな」
('A`)「ああいう鋼のメンタルの子が、いざって時に実は初心だったりすると……ぐっとくるよな」
(`・ω・´)「珍しく同意見だ」
( ^ω^)「お前そーいう感じだったのかお!?」
(´・ω・`)「タルザスの見立てでは、楽団の狙いは最初からレンだった。アルルノートは、本質が一つの世界だと言われるレンを殺すのに、最適の武器だったらしい」
(`・ω・´)「切っ先は『彼』が折った」
(´・ω・`)「それから、ショーリーは生きている。精神操作を受けていて、今は本人の意思もあって能力を封じ、棺桶の中だ」
( ^ω^)「生きてたお!」
(´・ω・`)「リテシア星は壊滅。三十五億いた住民が、二億を切った」
(;^ω^)「……」
(`・ω・´)「楽団の宇宙船がリテシア星の周りに増えている。セルドナが集中攻撃を受けるのは、時間の問題だ」
(´・ω・`)「場面は変わって、攫われたロゾム。いるのは直径三メートル半の、球形の亜空間だ」
(`・ω・´)「手足を根元から切られ、首の後ろには脳幹まで届く針。Aクラスでも、一般人と大差ないところまで落とされている」
('A`)「攫ったのは、『強奪者』トゥウィータス。隠形と、自分の亜空間への引きずり込みに長けたカイストだ。もう一人が、ただ一人の標的を無力化することに特化した呪術士、『足を引く者』ゾスズス」
( ・∀・)「特化型のカイストはやっぱいいよな。憧れるかどうかは別として」
(´・ω・`)「殺さずに攫った理由は、保険だ。真尋が惨い死に方をすれば、ロゾムはその魂を自分の避難所に受け入れざるを得なくなる。そのロゾムを押さえておけば、真尋の魂も、レンも押さえられる」
(´・ω・`)「そして楽屋裏。作戦会議に、楽団の全軍団長が揃う」
(`・ω・´)「楽団員のカイストが八百万弱、死軍の眷族が九百万強。ほぼ全軍が楽屋裏とローレイルに集まっている。セルドナのそばには、軍を隠した亜空間がもう六つ作られた」
( ゚ω゚)「多すぎるお!」
(´・ω・`)「スタンが挙げた作戦の目的は二つ。レンを殺して、魂を捕まえること。それから、団長と『彼』が一対一で戦える状況を作ること」
( ・∀・)「会議では、第五軍の新しい軍団長が、ガットラムに妙な仕掛けをしていた第九軍の『腐れ伝道師』クークー・メリュ・ペレクを責める。返ってきたのが『世界を滅ぼす戦争で手段を選ぶとか舐めとんのか』」
('A`)「本当にその通りだよ」
(`・ω・´)「地の文まで、その主張にも一理あった、と書いているからな」
(´・ω・`)「ボレックが探りを入れる。リドックが優里を見つけたって噂があるけど、と。スタンの答えは、聞いておりません」
( ^ω^)「嘘は……ついてないんだお。覚えてないんだから」
ξ゚⊿゚)ξ「会議室にいる誰よりも、読んでるこっちの方が事情を知ってるのよね」
(´・ω・`)「ショーリーの件も、ここで分かる。第六軍の『漂う目』ニマ・シャイムが、二十二万年ショーリーに取り憑いて、感覚を借りていた。アルルノートを当てるために」
(;^ω^)「二十二万年……」
(`・ω・´)「第十一軍には、スタンから伝説の魔獣が与えられた。名前は出ないが、往年の読者なら、うっすら見当がつくかもしれん」
(´・ω・`)「最後に元帥ティムカトゥラン。ロゾムは確保した。ローレイルのゲートは全て封鎖した。スタンも切り札を出す。……四十八時間後に、出し惜しみのない全力戦を始める、と」
(´・ω・`)「一方そのころ、ナザンは『ダーク・ウィスパー』を追っていた」
('A`)「ナザンの霊体としての姿は、両手首から先だけ。それぞれの掌の真ん中に、目がついている」
( ・∀・)「……狂気太郎のサイトにいる、掌に目があるあれ。ナザンだったのか」
(`・ω・´)「『ダーク・ウィスパー』の正体はサレニア。囁くだけの無力な精霊士のふりをして、二百億年以上、力を隠していた。待ち伏せの精霊士は百人ほどだ」
(´・ω・`)「囲まれたナザンの言い分が、これだ。『力なんて温存してたら腐るだけだぞ』」
(`・ω・´)「そのままサレニアを引きちぎって握り潰し、残りの精霊士も皆殺しにした」
( ^ω^)「強すぎるお……」
('A`)「まごうことなき『暴霊』だ」
(´・ω・`)「ただ、帰ろうとしたところで、霊を弱めて封じる護符が無数に現れる。最初から罠だった。ナザンはそれを一つずつ握り潰している。いつ帰れるかは分からない」
(´・ω・`)「誕生日の翌朝。真尋はリテシア荘の医務室で、レンに膝枕をする」
ξ゚⊿゚)ξ「レンの『中』の球は、黒い裂け目でぐるりと輪切りになっていたの。でも、向こう側の光も弱ってない。真尋の見立ては、分断されているだけ、繋がれば普通に治りそう、って」
( ^ω^)「希望はあるんだお」
(´・ω・`)「当のレンは、もう百撫でくらいお願いします、だ」
(`・ω・´)「そこへ、セルドナ中のメディアとネットに、楽団のメッセージ映像が流れる。映っているのは元帥ティムカトゥランだ」
(´・ω・`)「宣言はこうだ。八月二十九日の午後八時に、セルドナへの総攻撃を始める。目的は、『彼』の殺害と、レンの捕獲」
(`・ω・´)「続けて最後通牒。レンを生きたまま差し出せば一時撤退して、少なくとも千年は侵攻しない。あるいは、婚約者の真尋を差し出してもいい」
( ゚ω゚)「真尋を!?」
('A`)「で、映像の最後にクレジットが流れるんだ。BGM、終幕楽団テーマ曲『破滅の行進』」
( ^ω^)「クレジット入れるのかお!」
( ・∀・)「作曲した奴のプライドが、ねじ込ませたのかもな」
(´・ω・`)「それを見た真尋は、なるほど、そう来たか、と苦笑する。……それから、まだ正式な婚約はしていないのだけれど、とそこだけ訂正を求めたくなる」
ξ゚⊿゚)ξ「気にするの、そこなのね……」
(´・ω・`)「次は第二十六話。題は——『命の価値』」
( ^ω^)「……重い題だお」
 
(´・ω・`)「最後通牒を受けて、その夜にセルドナ中のテレビ局が一斉に特番を組む。モザイクもなしで、真尋の名前もそのまま出てね」
(`・ω・´)「出演したタルザスの解説はこうだ。あの最後通牒の狙いは、セルドナを守るカイストのやる気を削ぐこと。六十億も人がいれば、差し出せと言い出す者が必ず出る。それを見たカイストは、守る気が失せる」
ξ゚⊿゚)ξ「コメンテイターが、つまり大人しく死ねと言いたいのか、って噛みつくのよ」
('A`)「タルザスの返しが、君達セルドナの一般人には特に期待していない、だからな」
(;^ω^)「容赦ないお……」
(´・ω・`)「差し出したらどうなるか、とも聞かれる。楽団は約束を守るだろう。ただ、レンを失えば、あとは『彼』に未来を託すしかない。『彼』が負ければ四千世界は消えて、セルドナもなくなる。千年の安寧のために、未来を全部差し出すことになる、と」
(`・ω・´)「そして、リテシア同盟は最後までセルドナを守る。何故なら、ここはレンの婚約者の、真尋の故郷だからだ、とな」
( ・∀・)「六十億のために一人を差し出せと言われて、一人のために六十億の星を守る、って返したわけだ」
ξ゚⊿゚)ξ「真尋は、婚約者扱いがどんどん既成事実になっていくのに、モヤッとしてるけどね」
(´・ω・`)「特番の後には、お父さんにまで、レンさんと婚約決めちゃったのか、と聞かれる。真尋の答えは、いや、お友達のままなんだけど」
( ^ω^)「ずっと訂正し続けてるお」
(´・ω・`)「その日の昼、四海家は家族三人で買い出しに行っている。お父さんは鉄アレイで筋トレをして、リビングの隅には木刀とバールが立てかけてある」
('A`)「お父さんが、三人で買い物って、ちょっと久しぶりだな、って言うんだよな……」
( ^ω^)「……しんみりするお」
(´・ω・`)「パパローナも奥さんを連れてきた。美紗・トリッツァント。修行中の美食士で、まだCクラスだ」
( ・∀・)「美食士がちゃんと出てくるのは、これが初めてなんだよな。どういう職なのか、もうちょっと見たかった」
(´・ω・`)「皇城下公園のゲートからは、レンの重傷を聞きつけたカイストが、この日だけで千人以上やってくる」
('A`)「その中に、呪追がいる。『骸骨騎士』で名前だけ出てた男だ。名前のせいでよく突っ込まれるが、戦士だそうだ」
( ^ω^)「名前だけのキャラが、ここで拾われるのかお」
(`・ω・´)「殲滅機関も来る。『地獄の召喚師』ゾーンが、本拠の浮遊要塞『異形の夢』を亜空間に収めて運んできた」
(´・ω・`)「そして、混沌の海を渡る『皆殺し探偵社』の車、MUW号。コー・オウジが集めた助っ人が、三十人ほど乗っている」
(`・ω・´)「Aクラスが十五人前後。まず委員会の残党だ。『歪め屋』イクスプラク、『重界』バルザナ、『白昼夢』ファーロ」
( ^ω^)「ボードにあった、委員会の残党だお!」
('A`)「それから『真っ二つの男』イスカ・グルナ。……右半身だけで乗ってる。左半身は別の世界だそうだ」
( ゚ω゚)「本当に真っ二つだお!?」
(`・ω・´)「『骸骨騎士』でキルマに解体された『サドマゾ』ディクテール。ルーンの高弟、『死の計算機』マックギリーもいる」
(´・ω・`)「Bクラスには、ジオ・カーディスと、『魔術師』でジオと内界戦をやったヴァイレックが並んで乗っている」
('A`)「この二人が同じ車に乗ってるだけで、期待しかないよな」
(´・ω・`)「そこでアロロアが、混沌の海で見覚えのある人を拾って、生き返らせる。『空っぽの空』空だ」
( ・∀・)「『皆殺し探偵社』の、あの空だよ」
(`・ω・´)「かつてティムカトゥランの眷族として酷使され、その名を口にした者の頭を消してきた男だ。車内でその名は禁句だと注意が飛んだところで、恨みの相手は楽団の元帥だと聞かされる」
(´・ω・`)「空の返事は、あの野郎、無限牢から出てきやがったのか、千回でも一万回でも殺してやる。そして車内で、ティムカトゥランを殺せ、の唱和が起きる」
(´・ω・`)「それから、フロウも生きていた。混沌領域を生身で移動していて、連れの二人は死にかけている、と。アロロアが自分の一部を貸して包み、ローレイルの方角を教えた」
( ・∀・)「ほんとにこの場面は良かった。」
('A`)「加減しろ莫迦!!!!!ありがとう!!!!!!の気持ちだったな。すんばらしい場面だ」
(´・ω・`)「同じ夜、ガラルは暴走族連合の緊急集会を開く。二百四十二チーム、五千六百人」
(`・ω・´)「告げたのは、平和のためのパトロールは終了だ、明日は家に帰って大事な人と一緒に過ごせ、だ」
('A`)「第二部の『肉の盾』から、ちゃんと変わってるんだな……」
(´・ω・`)「それでも、本当にどうしようもない時のために、一つだけ教える。カイエンス・パラドックス。一般人が命を投げて全力でぶつかると、ごく稀にカイストが固まって動けなくなる」
(`・ω・´)「成功率は、千回に一回か、一万回に一回か。ガラルの説では、一般人を舐めているカイストが、一つしかない命を投げてくる一般人を見て、自分が恥ずかしくなって固まるんじゃないか、と」
(´・ω・`)「最後の言葉が、『大事なのは、勇気と覚悟だ。それだけはカイストが一般人に勝てないところだからな』」
( ^ω^)「……かっこいいお」
('A`)「でもな、解散の直後に、チームのヘッドの一人がガラルの持ち場を聞くんだ。で、周りで聞き耳を立ててた連中が一斉に、ご武運を、だ」
ξ゚⊿゚)ξ「帰れって言われて、帰る気なんてないのね……」
(´・ω・`)「最後は皇城。住民の我力の徴収率を上げれば、セルドナの防御結界は強くなる。でもそれには住民の過半数の同意が要る。各国の話し合いも、結論が出ない」
(´・ω・`)「明実殿下は、夜の十一時半から配信を始める。セルドナの皆様へ、と。徴収率のことを本気で考えてほしいと呼びかけて、人の心を動かすには、最初に自らの覚悟を示さねばならない、という蒼輪の格言を引く」
(`・ω・´)「そして、懐剣で自分の喉を突いた」
( ゚ω゚)「殿下!?」
(´・ω・`)「……そこに現れたのが、イスメニアスだ。殿下の決意と覚悟を味わって、『ありきたりではありますが』と評しながら、薬で傷を完治させた。去り際が、『報酬はもう頂きましたので悪しからず』」
('A`)「本当にこいつはうらやm……気持ち悪いよな」
ξ゚⊿゚)ξ「配信の画面には、神無の物凄く渋い顔が映っていたそうよ」
(;^ω^)「イスメニアス、きもちわるいお……」
(`・ω・´)「だが、結果だけ見れば、殿下は命を落とさず、後遺症もない。働きとしてはMVP級だ」
(´・ω・`)「配信がどれだけ人の心を動かしたのかは、この話ではまだ書かれない。……次は間奏九。シャグワール先生の新聞記事だ」
 
(間奏九以降:未執筆)
(締め:未執筆)

── 了 ──

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