その場所には、世界へ通じる「井戸」があるという。
しかし、そこから帰還した人は、たったひとりだけ。名を、モータルと言う。
モータルという男は、“世界の通路”と名づけたその井戸を囲い、観光地にした。観光客がやってくると、保証書を書かせ、自己責任で飛び込んでくれと言った。
ほとんどの客は飛び込むことはなかった。何度か子供が囲いの中へ入ってしまい、落ちてそれきりとなったことまであったが、ニュースになることも、遺族が騒ぎ立てることもなかった。
モータルという男は、“嘘つき”だった。
井戸
幻想文学、ショートショート、寓話
"その井戸は、嘘つき男が見せる真実か、世界の終わりか。"
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