暖かな日差しを浴び、花の甘い香りと木々や植物の青い香りは鼻腔をくすぐる。雨が降ったのか、少し湿った土を踏みしめ、玄関先でうーんと伸びをした。まだ少し肌寒い風が撫で、身震いをする。空を飛ぶバイクを見送り、この場所から見える空には銀河鉄道の停車駅が動き始めたのが見えた。外からやってくる人も、これから旅へ出る人も、あの場所を通るのか。自分もいつか行ってみたいと思いながら、ポストを確認した。
ポストの中には一つの手紙があった。消印はない、直接投函されたようだ。
近所の住人とはそれなりに仲はいい、友人もそれなりにいる。職場でもそれなりの交友関係があるが、手紙を送ってくるような人は見当がつかなかった。
尻尾が足の間にぎゅっ、と挟まる。無意識に恐怖心や不安を感じているようだ。
辺りを見渡しても誰かがいる気配はない。手紙をもう一度見つめ、裏と表を確認したが、何も書いていない。意を決して、手紙を持ち帰った。
玄関へ入り、扉に寄りかかりながら、手紙を開けてみた。
「3UQ0NWEJR」とだけ書かれていた。デジタルレターで書かれていると言うことは、この手紙を出した住人はきっと手先が器用なんだろうと思った。
消印
日常系SFミステリー、掌編
"ポストに届いたのは、日常を侵食する謎の暗号。"
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