エンジンを加速させた。星を縫うように走らせた。
背後から迫り来る憎悪は得体が知れない。岩を噛み砕きながら、ただ船を目掛けて泳いでくる。
そうしている内に、太陽系から離れ、何光年来ただろう。
第一銀河を抜け、さらに大きな海に出た。
縫い目からぱっくり割れたような、ぎょろぎょろとした世界の目がこちらを見ていた。
世界の目はただ沈黙していた。
背後から迫り来る憎悪は、もう見えなくなっていた。
縫い目
宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)、掌編小説
"憎悪から逃れた果て、宇宙の「縫い目」であなたが見るものは。"
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