実家にはある人の骨が居座っている。清潔感のある箱に入れられて、そこに置かれている。正直、子供の自分よりも長くそこにいる。両親は手を合わせることはないが、よく話しかけていた。普通に生きている人を相手にするような感じで。この前、実家に帰ると、母親が骨に話しかけていた。「うちの息子がね」「そうなのよ」などと聞こえてくるのに相手の声が聞こえないので気持ち悪かったのをよく覚えている。
両親からは、自分よりも前に子供がいたなんてことは聞いたこともなかった。だからどこの誰の骨なのか、皆目見当もつかなかった。
そうか、今日聞いてみることにしよう。
適当な理由をつけて実家に寄ってみる。インターホンを押すと、いつも家にいる母親が迎えてくれた。「あんたまた太ったんじゃないの」などと言われながら家の中へ入った。
雑談やら、おやつを出してもらって食べながら話していた時、ふと気が付いた。
骨はもうそこにはなかった。母親に聞いてみると、「何の話?」と本当に知らないように、きょとんと首を傾げていた。
なら、この記憶は何なのだろう。それに、なぜか、この家に見覚えがなかった。
骨壷
幻想ホラー、アンキャニー・ショートショート
"その記憶は、本当にあなたのものですか?"
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