※ブーン系のガワを借りたカイストシリーズ(狂気太郎著https://madtaro.x0.com/)の作品紹介・後編です。
※『ブーンはカイストと四千世界について布教されるようです』
https://note.com/joyful_lilac1567/n/nda401d034167
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=28500453
の続きです。前編を読んでからどうぞ。
※今回もネタバレを大量に含みます。
※『新しいラブソングを』は連載中(2026年7月時点)のため、紹介は第一部までです。
※紹介作品一覧とリンク先
『魔術師』正暦607億年(西暦2004年)
https://madtaro.x0.com/magician.htm
『もう一つの小舟』正暦607億年(西暦2064年〜)
https://madtaro.x0.com/another_small_boat.htm
『COLDEST』正暦607億年(西暦2066年〜)
https://kakuyomu.jp/works/822139836613084055
『STING』正暦607億年(COLDESTの続編)
https://kakuyomu.jp/works/822139839264705192
『四千世界に名だたる、自由を愛し誇り高く慈悲深いたまに悪戯好きな偉大なるフロウの気まぐれ日記』正暦100億年〜607億年
https://kakuyomu.jp/works/822139841951538606
『新しいラブソングを』正暦607億年代(連載中)
https://kakuyomu.jp/works/822139844774640613
( ^ω^)ブーンはカイストと四千世界についてもっと知りたいようです
( -ω-)「ふあぁぁ……眠いお。まんまと布教されてしまったお。つい徹夜で一気に読んじまったお……」
(´・ω・`)「やぁブーン、おはよう。随分と眠そうだね」
( ^ω^)「僕の睡眠時間を返すんだお。……まぁ、すっごく面白い作品だったから許すお」
('A`)「よう」
(`・ω・´)「来たか」
( ・∀・)「待ってたぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「べ、別にアンタが読み終わるのを待ってたわけじゃないんだからね」
( ^ω^)「令和の時代にそのキャラはどーなの」
( ^ω^)「で……なんで全員いるんだお?」
(´・ω・`)「決まってるだろう。——」
「「「「「ようこそ、四千世界へ」」」」」
('A`)「……ブーン。お前もカイストにならないか?」
( ^ω^)「現実とファンタジーをごっちゃにするお年頃じゃないお」
('A`)「悲しいこと言うなよ……」
( ^ω^)「ところでみんなは、どのカイストが好きだお?」
(´・ω・`)(境目、もうだいぶ怪しいけどね)
('A`)「聞いてくれるか。俺はやっぱりキルマだな。百三十八万年前に守れなかった少女を、名前を思い出せなくなっても、まだ背負ってる。……報酬は感謝の一言でいい。ああいう報われない男の背中が、俺は好きなんだよ」
(`・ω・´)「力のツェンクだ。金槌ひと振り、駆け引きは一切なし。折れず、ただ愚直に強くなり続けた。武とは、ああいうものだ」
( ・∀・)「俺はコー・オウジだな。参加した陣営は必ず勝つ、ただし痩せる。業務記録込みでキャラとして完成してるだろ」
ξ゚⊿゚)ξ「……ディンゴ、かしら。避けられた斧を、避けなかった朴念仁。……女の子はあーいう男に惹かれるものよ」
(´・ω・`)「僕はグラン・ジーだ。『逃げるのが嫌いだ』の一言で、誰も辿り着けない深淵へ四万七千年。そして、孤独にすら気づいていなかった"何か"と、ちゃんと出会ってきた。……優しい話だろう」
( ^ω^)「みんな語る語る……」
(´・ω・`)「で、ブーンは?」
( ^ω^)「……ルクナスだお」
('A`)「渋っ」
( ^ω^)「だって最初に思ったんだお。百億年、秒単位で記録し続けるなんて、戦ってる連中より化け物だお。……それに読み終わった今なら分かるお。あの人が書き続けてくれたから、僕はこの世界を読めたんだお」
(´・ω・`)「……いい答えだ。なら、次の話をしようか。君が読んだのはまだ"前期"——四千世界には、続きがある」
( ^ω^)(なんかいつの間にか答える側にされたお)
( ゚ω゚)「て、まだあるのかお!?」
(´・ω・`)「前編でもそう書いてたでしょ。今度の始まりは、西暦2004年の東京。……あの探偵社の、数年後の物語からだ」
( ^ω^)「……眠気が飛んだお」
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『魔術師』 ── 正暦607億年(西暦2004年)/魔術士VS呪術士! カイスト同士の仁義なき潰し合い。
( ^ω^)「一発目は……学園モノ!? 西暦2004年の東京の高校って、探偵社よりさらに身近になったお」
(´・ω・`)「主人公は都立高校の二年生、御門丈五。あだ名は『昼行燈』。目立たない、覇気のない優等生だ」
( ^ω^)「……で、どうせその高校生、只者じゃないんだお?」
(´・ω・`)「察しが良くなったね。正体はBクラスの魔術士ジオ・カーディス——二千七百万才だ」
( ^ω^)「高校に二千七百万才が通ってるお!?」
('A`)「しかも師匠の名前を聞いて驚け。……『暗黒塔』ザム・ザドルだぞ」
( ゚ω゚)「『混沌へ』に出てきた、あの黒衣の魔術師かお!?」
(´・ω・`)「正暦212億年から、実に395億年ぶりの再登場だ。その直弟子が、なんで地球の高校に通ってるのか——理由は、幼馴染みの島崎美織。彼女の幸福のためだけに、この男は全力を尽くしてる」
( ^ω^)「純愛かお?」
('A`)「そうだったら良かったね……」
(;^ω^)「不穏しか感じないお」
(´・ω・`)「呪術士ヴァイレックにも要注目だね。なんとあの『呪殺神』サネロサの直弟子なんだ」
( ^ω^)「二大巨頭の直弟子が対決するってわけかお……」
( ・∀・)「懐かしい顔も何人か出てくるぞ。前作で語られたパパローナ・トリッツァントは時空魔術士として。ダブル・ツェンクや『隻眼影』ルーンの"レプリカ"なんかも登場する」
(´・ω・`)「ダブル・ツェンクなんてレプリカとして使う条件に『必ず二人同時に、均等に活躍させること』って指定してるしね」
( ^ω^)「レプリカになってもあの二人、張り合ってるのかお……」
(´・ω・`)「……ただ、先に言っておく。今回の話はシリーズ屈指にシリアスで、重い。作者ですら執筆後にこう漏らしてる。『コー・オウジは偉大だった……』と」
(;^ω^)「探偵社の明るさは、あの所長の人徳だったのかお……」
正暦607億年——西暦2004年、東京。『皆殺し探偵社』の五年後、文明管理委員会の管理世界イリア(地球)の物語である。都立日比坂高校二年B組の御門丈五、綽名は「昼行燈」。その正体は『暗黒塔』ザム・ザドルの直弟子にして二千七百万才のBクラス魔術士、ジオ・カーディス。委員会の依頼で使役士ダーズを排除するくだりで、彼の中核技術が名も明かされぬまま実演される——雑談を交わしながら、相手の魂の扉を一段ずつ開いていく暗示魔術『万能鍵』。五度目の「カチリ」の後、標的は自らの首を御門の刃に差し出し、地の文は静かに締める。
物語の心臓部は「完璧な呪い」である。美織は御門の妹の転生体であり、その身には、かつて師ザム・ザドルが"課題"として埋めた黒い真球が宿る。一定の年齢で時限爆弾のように発動し、爆散し、転生する——それを二千七百万年。「真の球体には点でしか接せられない」、すなわち現実には触れることすらできない。御門が正気でいられるのは「狂う訳にはいかない」からだ。そこへ、『呪殺神』サネロサの門下から刺客が放たれる。呪術士ヴァイレック。御門は四肢を斬られ、舌を切られ、魂ごと肉を削ぐ『魂食いの舌』で拷問されながら——それでも会話のたび、「死人が動くな」の鍵を一段ずつ打ち込み続けていた。決着の内界戦は、わずか九秒半。
本作は勝者の凱歌では終わらない。ヴァイレックの底にあったのは、一万才の誕生日に師から"贈られた"復讐の動機と、それを果たした先に待つ虚無——御門はこの敵を殺さず、十万年後のアラームを掛けて棺に収める。
そしてエピローグ——読み手に覚悟を求める結末である。二千七百万年繰り返してきた、いつもの敗北。病院の玄関で『救い』の影へ「お前の『救い』は求めていない。消えろっ」と吐き捨てる背中で、物語は閉じる。それでもこの戦いには灯がある。御門がヴァイレックに説いた信念「磨り潰された魂も、本当の意味で失われることはない」、そして『裏の目』ガリデュエの調査結果「繋がっているようで、繋がっていないようで、繋がっている」——魂は、失われない。作者自ら「いずれ公開することになる五冊分の物語の準備」と記すとおり、本作は後期作品群すべての扉。なお本作には『皆殺し探偵社』のネタバレが含まれるゆえご留意を。
『魔術師』https://madtaro.x0.com/magician.htm
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『もう一つの小舟』 ── 正暦607億年(西暦2064年〜)/混沌の荒波に浮かぶ小舟は、一つではなかったらしい。
( ^ω^)「もう一つの小舟……どこかで聞いた響きだお」
(´・ω・`)「『混沌へ』でガリデュエが言ってたろう。世界とは、混沌という巨大な海に浮かぶ小さな筏——四千世界は、たった一つの小舟のはずだった。……ところが、だ」
(`・ω・´)「四千世界の外、混沌の海の彼方に浮かぶ小さな閉じた世界——ハルモ。そこへ四人の来訪者が降り立つところから、話は始まる」
('A`)「探偵社のあの面子が、キャンピングカーで乗りつけるのさ。目的は……所長がローゲンに報酬として宣言した"ある捜し物"の履行だ」
( ^ω^)「捜し物? こんな世界の外れで、いったい何を——」
(´・ω・`)「ハルモの住民が『神様』と崇めてる、ボンヤリした帽子のおじさんがいてね。言葉がまったく通じないまま、途方もない歳月、住民にご飯を貰って暮らしてる」
( ^ω^)「のどかだお。……ん? で、捜し物の話はどうなったんだお」
('A`)「そのおじさんが、捜し物だよ」
(´・ω・`)「——あの『彼』だ」
( ^ω^)「十四の世界を消したっていう、あの!? なんでそんな大物が、世界の外でご飯貰ってボンヤリしてるんだお!!」
(´・ω・`)「それが分かる話さ。……五十五枚しかないのに、読み終わる頃には少し泣いてる。そういう作品だ」
正暦607億年——西暦2064年。『皆殺し探偵社』から六十五年、閉じた世界ハルモに、キャンピングカーMUW号が降りてくる。語り手は、真っ先に駆け寄った好奇心旺盛な住民ポッポル。降り立ったのは、コー・オウジ、夫婦となったカザハラ・マコト(風原真)とラミア・クライス、そしてローゲンの四人である。ハルモは奇妙な世界だ——住民は皆、記憶と技を持ったまま転生する。カイストと同じ仕組みが、目的意識ではなく"世界の仕様"として、当たり前に備わっている。そして山の神殿には、住民が「アダール・モア」と勝手に名づけて崇める神がいた。
ローゲンはあらゆる言語で、オアシス会の幹部の名を、四千世界の言葉を、根気強く並べ続ける——ほとんど失われた記憶は、しかし、ただ一つの名に反応した。判明する来歴——『彼』はかつて、ある強敵との相討ちで初めて死に、勢い余って四千世界の外まで吹っ飛び、ハルモに転生していたのである。神が去ると聞いて住民が号泣する中、コー・オウジはピザを片手に、こともなげに言う。「なら皆さんも一緒に私達の世界に移住しますか」。道中、ローゲンは住民に四千世界の歴史と伝説を語り聞かせ、『彼』は何度もローゲンを「ディンゴ」と呼び間違える。「なるほど。いつもディンゴはいいことを言うな」——訂正しながら、ローゲンはなぜか嬉しそうだった。
食べては痩せ、皺を増やし、終いには粥しか食べられなくなっていく所長は、案じる住民に微笑んで言う。「心配ありませんよ。私が死ぬ前に解決します。私はハッピーエンドを見るのが好きですからね」。ハルモとは何だったのか——ラミアは「何者かが意図を持って設計した世界」とまで突き止めるが、その先は霧の中だ。(作者覚書に「いずれ語られる予定」とある)。四千世界の命運に関わる帰還を果たしたこの小さな旅は、『フロウ日記』『COLDEST』『STING』すべての前提となる。五十五枚の、静かで可笑しくて温かい——シリーズの流れを変える小品である。
『もう一つの小舟』https://madtaro.x0.com/another_small_boat.htm
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『COLDEST』 ── 正暦607億年(西暦2066〜2380年代)/冷徹な殺戮者が疑似ファンタジー大陸を往く。
( ^ω^)「COLDEST……舞台が"ファンタジー大陸"? 剣と魔法とギルドとダンジョン……これ、なろう系異世界モノだお!?」
(´・ω・`)「そう見えるだろう。北太平洋に出現した人工大陸ビギナーズ・ウェルカム——恩恵と呼ばれる異能、ハンターズ・ギルド、四大ダンジョン。テンプレは一通り揃ってる。……ただしこの大陸の正体は、カイスト用の『お試し入門施設』だ」
( ^ω^)「入門施設!?」
(`・ω・´)「大陸を覆う結界がカイストの我力を徴収し、弱者に再分配する。Aクラスの者でも、Bクラス下級まで弱体化する仕組みだ」
('A`)「で、大陸中央の山のてっぺんに住んでるのが主人公——『セントラル山の狩人』ルナクス。正体は、『魔術師』にも『もう一つの小舟』にも出てきた、というか今までの作品でも何度か名前が語られていた、あの『隻眼影』ルーンだ」
( ゚ω゚)「オアシス会の幹部が、なろう大陸に住んでるのかお!?」
(´・ω・`)「本来の百分の一まで弱体化した状態でね。……それでも、大陸最強なんだ」
( ^ω^)「弱体化しても俺TUEEEなのかお……」
('A`)「ただし、なろう系の甘さは一切ないぞ。この男の原則は『命のひいきをしない』。王だろうと三才の幼女だろうと殺す。降参も受け付けない」
(;^ω^)「テンプレ世界に、一番テンプレじゃない男が住んでるお……」
( ・∀・)「安心しろ、ルナクスが女の弟子に押し倒されるムフフなシーンもあるぞ」
( ^ω^)「さっきまでの説明は何だったの」
ξ゚⊿゚)ξ「……茶化してるけど、この話の本当の目玉は皇女エレンヒルドよ。護衛のルナクスに惚れて、プロポーズを全部断られ続けて——最後には『あなたが心の内を見せてくれないなら、危険に身を晒し続ける』って宣言して、大陸規模の戦争を起こすの」
( ^ω^)「重すぎる恋だお!! 歴史に刻まれる拗らせ方だお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「気持ちは分からなくもないわ」
( ^ω^)「いかれてr」
ξ゚⊿゚)ξ「なにか?」
( ^ω^)「なんでもないです」
(´・ω・`)「……そして最終話。この大陸に、懐かしい英雄が『友人に会いに』やってくる」
(`・ω・´)「『鋼』のディンゴだ」
( ゚ω゚)「!?」
正暦607億年、西暦2066年から2380年代——ハルモが四千世界に合流した後の地球である。北太平洋に浮かぶ幅二千五百キロの人工大陸ビギナーズ・ウェルカムは、「お試し入門施設」。その中央、セントラル山に、狩人ルナクスは住んでいる。声だけの同居人カ・ドゥーラ、忠実な銀狼ギンとともに、討伐依頼を受け、弟子を取り、淡々と暮らす——ただしその実体は、オアシス会幹部『隻眼影』ルーンの"休憩中"の姿である。
連作の各話は冷徹の見本市と言っていい。翼幅四十メートルの魔鳥を一矢で仕留め、絡んできた無法者は宣告どおりに射殺し、金を奪おうとした一国の騎士団を殲滅し、果ては王国一つを実質滅ぼす。「命のひいきをしない」「降参は受け付けない」——貴族も王も幼子も、等しく殺す。
十年修行して旅立つ弟子には「実力で俺と互角になるには、少なくとも一億年は必要だ」と真顔で告げ、恩恵を拒み「自分の力で強くなりたい」と歯を食いしばる義足の弟子ネシュリには、シリーズの読者なら胸を突かれる顛末が待つ。そしてある話で、この男が唯一感情の表出を自分に「許可」する酒の席がある。同居人いわく「十億年に一回のデレ」。酔ったルナクスが漏らす本音は、原作で確かめられたい。
最終話「血塗られた女帝」で、物語は連作から一本の長編へと化ける。護衛契約のたった一つの条項の付け忘れが、皇女エレンヒルドの執着を育て、やがて大陸規模の戦争にまで燃え広がる——そこへ訪れる『鋼』ディンゴ。骸骨騎士の時代から二百十億年、幾つもの作品で英雄であり続けた男と、隻眼影の一騎打ち。
作者覚書いわく、本作は「ルナクスが強過ぎて緊張感がない」ゆえに主人公交代の続編が生まれた——それが次に控える『STING』である。単体でも読めるが、シリーズを歩んできた読者ほど、この大陸の正体も、山の狩人の素顔も、深く味わえる一編だろう。
『COLDEST』https://kakuyomu.jp/works/822139836613084055
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『STING』 ── 大陸歴299年〜(正暦607億年)/過酷な疑似ファンタジー大陸を毒使いが生き抜く。
( ^ω^)「STING……蜂の一刺し、かお?」
(´・ω・`)「『棘』だ。前作の主人公が強すぎて緊張感がない——作者がそう白状して、主人公を交代した続編だよ」
( ^ω^)「大陸最強の師匠から、誰に交代したんだお?」
('A`)「弟子のコダン。三十二才、まだカイストですらないビギナーだ。本人いわく——動きは遅い、力はない、剣も下手、殺気にも気づかない、考えるのも遅い」
( ^ω^)「戦う才能、皆無だお!!」
(´・ω・`)「その告白を聞いた師の答えは、冒頭のシーンで語られているよ」
(`・ω・´)「かくして生まれたのが『腐れ毒虫』——毒と呪いと再生力だけで、格上に食らいつくビギナーだ」
( ^ω^)「再生力って、どのくらいだお?」
('A`)「胴を噛みちぎられながら歯茎に毒を注入して勝つ。手足と首を全部切られて、返り血の毒で相手を溶かして勝つ。墓に埋められて、三日後に這い出てくる」
(;^ω^)「勝ち方が全部ホラーだお!!」
( ・∀・)「ちなみに第10話では『俺は……師を愛しているのでしょうか』と真顔で言い出して、一同を大混乱に陥れたりもするぞ」
( ^ω^)「唐突な爆弾だお!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ちょっと待ちなさい。あの山、今どうなってるの。皇女は住み込みでルナクスの帰りを待ち続けて、ついにカイストを目指して修行を始めて、姉弟子の三人は師匠に狂愛……そこへ天然の弟弟子が、真顔でその爆弾!?」
( ^ω^)「めちゃくちゃ続きから追ってるお……」
ξ゚⊿゚)ξ「べ、勉強よ! 恋愛担当としての職務よ!」
('A`)「ちなみにその質問への師匠の答えは、『それは俺に聞くことではなく、お前自身の心に聞くべきことだ』だったぞ」
ξ゚⊿゚)ξ「……朴念仁のくせに、たまに満点の回答をするのよね。推し変しようかしら……」
( ^ω^)「言うほど満点かお……?」
ξ゚⊿゚)ξ「何 か い い ま し た か ?」
( ^×^)「お口ミッフィー」
(´・ω・`)「不器用で、鈍くて、泥だらけで——でも読み終わる頃には、シリーズで一番『カイストとは何か』が分かる話かも知れない。……『借時百万年』や『原点』が好きだった人は、多分泣く」
大陸歴299年——『COLDEST』から数十年後のビギナーズ・ウェルカム大陸。冒頭は師弟の問答である。「俺は戦う才能がないみたいです」と述べる弟子に、ルナクスは静かに方向を示す。主人公コダンは、刃渡り十八センチの毒刃"スティング"を握り、鈍い体と異常な再生力、そして底なしの粘りだけで、この過酷な大陸を渡っていく。
各話は、泥まみれの勝利のこれまた見本市。体高七メートルの魔獣に胴を噛みちぎられながら勝ち、コロシアムでは四肢と首を刻まれながら勝ち、手柄を横取りされて墓に埋められれば、三日後に這い出してくる。道中の顔ぶれも豊かだ。『もう一つの小舟』のあの陽気な住民ポッポルが、ハルモ族のカイストとして大陸を闊歩し、この大陸の"真の成立理由"を語る。ルーンの三刃と呼ばれる姉弟子たちは口は辛辣、手は親切。そして前作で散った、ある弟子の「第一歩」の報せが、短い伝言として届く。
最終話「小さなともし火」で、コダンの旅はひとつの終わりを迎える。少女キリアを炎から庇い、救い出し——その果てに、"第一の死"を迎える。地の文はこう記す。「コダンはただ、幸福になりたかった。そして、誰かを幸福にしたかった。強くなることに意味があるとしたら、多分、そういうことなのだろう」。憎悪から始まった動機に、最後にもう一つが加わる——作者覚書いわく、「コダンの旅はまだ始まったばかりなのだ」。同じ最終話、大陸には閉鎖が宣告される。オアシス会を招集した「緊急事態」の中身は語られない——その霧の先は、次の一編『フロウ日記』の領分である。
『STING』https://kakuyomu.jp/works/822139839264705192
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『四千世界に名だたる、自由を愛し誇り高く慈悲深いたまに悪戯好きな偉大なるフロウの気まぐれ日記』/「おう、分かった、やるやる。……気が向いたらな」
( ^ω^)「次はフロウ日記……かお」
( ・∀・)「おっと。勝手に略さないでくれ。『四千世界に名だたる、自由を愛し誇り高く慈悲深いたまに悪戯好きな偉大なるフロウの気まぐれ日記』だ」
( ^ω^)「長げーお」
( ・∀・)「いい題名だろ。ショボン、ちょっと席変わってくれ」
(´・ω・`)「どうぞどうぞ」
(;^ω^)(そーいうシステムだったかお?)
( ・∀・)「『蜘蛛男』とも『気まぐれフロウ』とも呼ばれているこのカイスト、実はかなりのお気に入りだ」
( ^ω^)「あれ? モララーの推しって、コー・オウジじゃなかったかお?」
( ・∀・)「所長は"キャラとして"の推し。フロウは"生き様"の推しだ。つまり両方だ」
( ^ω^)「都合のいい理屈だお……」
( ・∀・)「数字だけならほぼ最弱のスペック——それが血の糸と『隙間くぐり』と『見切り自切』、死んでも四十五分で戻る転生速度で、四千世界最強格に数えられてるんだ」
( ・∀・)「しかもカイスト・チャートからは除外されてる。即転生からの即報復が『ズルい』からだ。運営に匙を投げられた男だぞ。最高だろ」
( ^ω^)「めっちゃ早口じゃん」
( ・∀・)「日記そのものも味わい深いぞ。正暦100億年に日記帳を買って、翌日で挫折。再開は百億年後だ」
( ^ω^)「フロウっぽいなぁと思ってしまう自分が嫌だお……」
ξ゚⊿゚)ξ「"自称弟子"も出てくるわよ。フロウに何度殺されても、笑顔で転生して戻ってくる『蜘蛛姫』サルーエン。読み終わる頃には、この師弟が少し羨ましくなるから困るわ」
(;^ω^)「この日記、出てくる奴が全員規格外だお……」
('A`)「エウロラ様に捕まりたい」
( ・∀・)「わかる」
(`・ω・´)「ちょっと分かる」
(´・ω・`)「惹かれるよね」
ξ゚⊿゚)ξ「これだから男ってやつぁ……」
( ^ω^)(言えた口かお?)
ξ#゚⊿゚)ξ「ブーン?」
( ^ω^)「心の声読み取らないで」
(´・ω・`)「そして六冊目——日記は、四千世界そのものの"終わりの始まり"に突入する。二つ目の無限牢、そして……『終幕楽団』。シリーズ全体の歴史書にして、最終章への橋だ」
(*・∀・)「で、最終エントリだよ。……俺の推しが二人、同じ場面に並んで立つんだ。『ハッピーエンドが好きなんです。よろしくお願いしますね』——ここで震えない奴、いるのか?」
( ^ω^)「ファンの熱量が一番怖いお」
正式名称『四千世界に名だたる、自由を愛し誇り高く慈悲深いたまに悪戯好きな偉大なるフロウの気まぐれ日記』
語り手は『蜘蛛男』フロウ本人である。正暦100億年に買った日記帳は翌日で挫折し、再開は百億年後。——数億年に一度しか書かれない日記が、それでも五百億年分積もれば歴史書になる。行動原理は頭の中のサイコロと「気が向いたらな」の一言、そして「ムカッとしたかどうか」……「ムラッとしたかどうか」も割とあるけど。
エピソードは奇行と伝説の海だ。蠱毒イベントに参加して一秒で千二百八十四人の首を落とし、途中棄権する。体長八万六千キロの魔物の体内を、「どうせ無理だろう」という声援を糸電話で聞きながら二千百五十七年泳ぐ。異世界に召喚されて授かった力は「指パッチンで小さな火が点く」。そんな悪ふざけの合間に、自称(?)弟子サルーエンとの五百億年が流れている。そして日記の中でただ一度、この男が己の孤独を語る場面がある。なぜフロウが誰も弟子に取らず、誰にも寄りかからせないのか——その理由は、ぜひ原作で確かめてほしい。
六冊目で、日記は歴史の激流に呑まれる。「節目のカイスト」の系譜も明かされる。正暦604億年——『泣き男』レンとの相討ちで、あの『彼』が死ぬ。二十万年経っても転生しない(この謎の答えが『もう一つの小舟』であることを、本書の読者はもう知っている)。第二無限牢の稼働、反委員会連合『四神会』の結成と、その末路を決めた委員会の『神輿作戦』。
そして殺人鬼タロウと名乗った男が無限牢に自ら入り、内側から破壊し、アブクドエと改名して「終幕楽団」を率い——四千世界の全てとの大戦争が始まる。日記の最後、謎の存在「救い」がフロウに残した依頼は、「四千世界を守って欲しい」。返答は——「気が向いたらやってみるわ」。この一言の行方こそが、最終作『新しいラブソングを』である。
『四千世界に名だたる、自由を愛し誇り高く慈悲深いたまに悪戯好きな偉大なるフロウの気まぐれ日記』https://kakuyomu.jp/works/822139841951538606
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『新しいラブソングを』第一部・謎の婚約者編 ── 正暦607億年代/同じことの繰り返しに疲れてしまった世界へ
( ^ω^)「ついに最後の作品……『新しいラブソングを』。終幕戦争の真っ最中に、ラブソング?」
(´・ω・`)「そう。世界の数が四千から千八十八まで減った、文字どおり"終わりの時代"——その集大成として書かれているのが、戦記でも黙示録でもなく、ラブストーリーなんだ」
ξ゚⊿゚)ξ「……二人とも、席を変わりなさい」
( ^ω^)「なんとなくそんな予感はしていたお」
ξ゚⊿゚)ξ「主人公は四海真尋、十八才の女子大生。カイストでも何でもない、ただの一般人。そこへある日、『泣き男』レンが現れて、開口一番、キスをするの」
( ^ω^)「いきなり!? ロマンチック……なのかお?」
ξ゚⊿゚)ξ「歯が折れたわ」
( ^ω^)「ファースト・キスで!?」
('A`)「……しばらくは、キスするたびに折れるぞ」
( ^ω^)「セカンド・キスも血の味かお……」
ξ゚⊿゚)ξ「そしてこの男——百五億年、たった一人の婚約者を捜し続けてきた一途な馬鹿なのよ。『戦争が終わったら結婚しよう』、その約束ひとつでね」
( ゚ω゚)「百五億年、一途!?」
(´・ω・`)「フロウ日記の最後を覚えてるかい。——あの続きが、本作の第一話冒頭だ。フロウとリドックが、"捜し物"を見つける場面から始まる」
( ^ω^)「繋がったお……!」
(`・ω・´)「第一部の題は『謎の婚約者編』。なぜただの女子大生が、四千世界の規格外たちに全力で守られるのか——積み上がった謎が、幕切れで一点に収束する」
ξ゚⊿゚)ξ「幕切れの真尋の決断だけは予告しておくわ。彼女——あの一途な百五億年に対して、真っ向から『やり直し』を突きつけるのよ。ネットでの二つ名は『カイストを掌の上で転がす女』」
( ^ω^)「一般人が四千世界最強格を転がしてるお!?」
(´・ω・`)「……そして最後に、大事なことを一つ。本作は、現在連載中だ(2026年7月時点)」
( ゚ω゚)「完結してないのかお!?」
(´・ω・`)「だから僕らの案内も、第一部まで。ここから先は——僕も、君も、読んでくれた皆も、同じ場所に立つ。次の更新を待つ側だ」
『フロウ日記』の、直接の続きである。「四千世界を守って欲しい」——謎の存在"救い"の依頼に「気が向いたらな」と応えた蜘蛛男が、『捜し屋』リドックとともに"捜し物"を見つける場面から物語は始まる。時は正暦607億年代、終幕戦争のさなか。残る世界は千八十八。舞台は惑星セルドナ。十八才の女子大生・四海真尋の自宅二階に、ある日、移動要塞が突き刺さる。「リテシア荘」と改名されたその要塞ごと引っ越してきたのは、リテシア同盟——そして、血の味のするキスとともに現れる『泣き男』レンである。
構成は音楽の語彙で編まれている。楽団、楽屋裏、間奏、終幕——本編がセルドナの日常と恋を進める間、「間奏」が破壊者側と別戦線を点描する。世界を空間ごと畳む終幕楽団の作戦、そして本書の読者が二冊かけて見てきた顔ぶれ——オアシス会、殲滅機関、そして『彼』——が、一つの共同戦線に立つ大規模戦。一方セルドナでは、科学士タルザスの大学講義がシリーズ三十年の理を一枚の体系に束ね、創美士シャグワールの講義が四千世界史を年表で一望させる。本案内書が二冊かけて辿った歴史が、作中の"授業"として開示されるのだ——集大成でありながら、新しい読者への入り口としても設計された、周到な最終章である。
だが本作の芯は、戦況でも体系でもない。精神年齢が十三才あたりで止まったまま、百五億年を約束一つで生きてきた規格外の男。守られる理由を知らされぬまま、規格外たちの日常に巻き込まれていく女子大生。第一話から静かに積まれた違和感——初対面のはずの「再会」、歌手かと問うて残念がる横顔、不安定な力、『泣き男』という二つ名の意味——そのすべてが、第六話の幕切れで一点に収束する。そして真相を知った真尋が下す決断こそ、『新しいラブソングを』という題が初めて鳴る瞬間である。二十作、五百億年分を辿ってきたこの案内は、ここで現在に追いつく。続きを待つ列に、どうか並んでほしい——「気が向いたらな」の返事の行方を、いちばん良い席で見届けるために。
『新しいラブソングを』https://kakuyomu.jp/works/822139844774640613
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(´・ω・`)「——以上、『魔術師』から『新しいラブソングを』第一部まで、全六作。これが四千世界の"後期作品群"だ」
(´・ω・`)「例のごとく僕が勝手にそう呼んでいるだけなんだけどね」
( ^ω^)「今までは五百億年を駆け抜けた感じだったけど、今回は全部が一本に繋がって、雪崩れ込んでいく感じだったお」
('A`)「エウロラ様……また登場しねぇかなぁ……」
( ^ω^)「……もうこれ半分捕まってるみたいなもんだお」
( ^ω^)「でも、分からないことは今回も山盛りだお。ハルモって結局何だったんだお? 真尋の"続き"は? 終幕戦争は、どうなるんだお?」
(´・ω・`)「分からない。……今回のは、伏せてるんじゃない。連載中だからね」
( ^ω^)「じゃあ僕たちにできるのは、待つことだけかお……」
(´・ω・`)「やることは変わらないさ。読み返して、糸を探して、次の扉が開くのを待つ——」
( ・∀・)「ちなみに"新ラブ"がカイストシリーズの最終作だと思っていたら、それは勘違いだ」
(`・ω・´)「あぁ。あくまで"集大成"だからな。……まだ世に出ていないエピソードもいくつか残っている」
(´・ω・`)「コアなファンなら、タイトルと章題だけは知っているかもね」
( ^ω^)「ライフワークの名は伊達じゃないお。恐るべし、狂気太郎……」
ξ゚⊿゚)ξ「推しが増えるようなエピソード、こないかなぁ……」
( ^ω^)「節操ないお」
(;^ω^)「……あれ、何も言われないお」
ξ゚⊿゚)ξ「事実だから困る」
( ^ω^)「あ、はい」
('A`)「……なあブーン。改めて聞くけどさ。お前もカイストにならないか?」
( ^ω^)「気が向いたらな、だお」
(´・ω・`)(現実とファンタジー、混ざっちゃってんじゃん)
『魔術師』から『新しいラブソングを』第一部まで、六つの物語を案内してきた。
前編が五百億年の年表を駆け上がる旅だったとすれば、本編は、その全てが一つの現在へ流れ込んでいく旅だった。二千七百万年の呪いも、世界の外の小さな小舟も、なろうめいた大陸の弟子たちも、蜘蛛男の気まぐれも——終わりゆく四千世界の片隅で鳴る、一つのラブソングへと注がれていく。もっとも、ここに記せたのはやはり見取り図にすぎない。会話の底が抜ける瞬間、日記の行間の孤独、幕切れでようやく題の意味が鳴る、あの一瞬——それらは要約の外にある。冒頭の目次と各話の末尾に、六つの扉を並べてある。どこからでも、ぜひ開けてみてほしい。
そして前編と決定的に違うことが、一つある。この案内はここで「現在」に追いついてしまった。『新しいラブソングを』は連載中であり、この先の物語はまだ書かれていない。つまりここから先、あなたと私たちは同じ場所に立つ——次の更新を待ち、読み返し、糸を探す側だ。三十年におよぶこのライフワークには、まだ世に出ていない物語も眠っているという。焦らず待とう。なにしろ相手は、百億年単位で物事を進める世界だ。数年の楽しみな待ち時間など、誤差にもならない。
それでは、いつかまた——次の扉が開いた日に。
( ^ω^)「気が向いたらな、だお」
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『魔術師』正暦607億年(西暦2004年)
https://madtaro.x0.com/magician.htm
『もう一つの小舟』正暦607億年(西暦2064年〜)
https://madtaro.x0.com/another_small_boat.htm
『COLDEST』正暦607億年(西暦2066年〜)
https://kakuyomu.jp/works/822139836613084055
『STING』正暦607億年(COLDESTの続編)
https://kakuyomu.jp/works/822139839264705192
『四千世界に名だたる、自由を愛し誇り高く慈悲深いたまに悪戯好きな偉大なるフロウの気まぐれ日記』正暦100億年〜607億年
https://kakuyomu.jp/works/822139841951538606
『新しいラブソングを』正暦607億年代(連載中)
https://kakuyomu.jp/works/822139844774640613
『狂気太郎.x0.com』https://madtaro.x0.com/
ブーンはカイストと四千世界についてもっと知りたいようです
作品紹介、ファンタジー、SF、群像劇
"五百億年の時を駆け、終わりゆく世界で鳴り響く、壮大な「ラブソング」への序曲。"
※ブーン系のガワを借りたカイストシリーズ(狂気太郎著https://madtaro.x0.com/)の作品紹介・後編です。
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