光の届かない、左右も上下も存在しないベンタブラックで塗りつぶしたような空間。そこから次第にぐにゃり、ぐにゃりと空間が歪み始めた。そのまま浮遊していると、ばっ、と一つの眩い光が空間を支配し始めた。光が通る空間に出たのだ。
静寂と光が支配するその場所には、巨大な発光する木が佇んでいた。
亜空間に落ちたと思えば、こんな辺鄙な場所に出るだなんて思いもよらなかった。
大木は黄金に輝いている。その周囲には無数の銀河花が咲き誇っていた。その形は真っ青な彼岸花のよう。銀河花は様々な形があるとされるが、その色のほとんどは青だった。ここでも青く、自己発光していた。香りを嗅いでみたいものだが、この空間は空気がない。
ああ、うつくしい。ただ立ち尽くすように脱力して魅入っていた。
大海の中、一筋の灯台の光が指し示すように、大木はただこの場所を見守っていた。
灯台
スペキュレイティブ・フィクション、幻想文学
"漆黒の宇宙に咲く、黄金の灯台。その光は、迷い子の魂を導く。"
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