「どうも〜!肉味噌で〜す!よろしくお願いしま〜す!」
(乾いた拍手)
「いや〜最近ラーメン食べるのにハマってましてね〜」
「あらいいじゃない」
「ただ、食べるだけじゃなくて作る側にもなりたいんですよ〜」
「そんなことある〜?」
(間を取る)
「だから、ちょっと作る側やるから店入ってきて!」
「そんな簡単に作れるんですかね〜?」
「ガラガラガラ」
「あっそれ引き戸」
「俺壊しちゃったんやけどー!?」
「もうアァンタ何人の店壊してくれちゃってんの〜!?」
「女大将だ…」
「こちらメニューになりまァ〜す」
「あっワンオペしてるんだ…」
「ご注文お決まりですかァ〜?」
「まだ見てないっすよ! おすすめって何かありますか?」
「ン〜チョコパフェラーメンですねェ〜」
「大外れの店じゃねえか!」
「おすすめすぎてオススメスタンなんですよォ〜!」
「なんだその中東の国みたいな言い方」
「だって毎日五食売れてるんですからァ〜」
「注文した人の数は?」
「2人ィ〜」
「やばい薬でも入れてんのかよ!」
(間を取る)
「てかよく考えたら朝昼晩食ってる奴いない!?」
「大人気ですからァ〜」
「そんなの食べねえよ、他なんかないの?」
「じゃあ醤油味噌豚骨塩豚味噌炒めキムチ坦々ラーメンですねェ〜」
「多い多い多い! あと辛い!」
「ご注文どうされますかァ〜」
「じゃあその名前長いラーメンで」
「あいよっ!チョコパフェラーメン一丁!」
「嵌められた〜!」
(間を取る)
「てやんでぃ!水はセルフサービスでぃっ!」
「江戸っ子ラーメン店主なんだ」
「あ、いや…今日は、セルフサービスの日ってことですねェ〜」
「そっちのDay!? じゃあ『てやんでぃ』ってなんだよ!」
「ン〜気分?」
「お調子者だなおい」
「チャチャッ↑ン〜↓ チャチャッ↑ン〜↓」
「湯ぎり上でする人あんまいないのよ」
「あーらよっと」(上から麺を注ぐ真似)
「右京さんの位置なのよその高さ 汁こぼすでしょ」
「お待たせしましたァ〜チョコパフェラーメンですゥ〜」
「じゃあいただきます ズルズルズル」
「お味はいかがですかァ〜」
(間を取る)
「思った倍は不味いです」
「でもあなたはそれを食べ続けることになるわァ〜」
「えっなんでですか!?」
「私がこのラーメンを食べ続けないと体が爆発するシステムを入れたマイクロチップを中に入れたからァ〜」
(間を取る)
「だからリピーターばっかりだったのね!」
「これで商売繁盛できると思うけどどうかな?」
「いや無理やろ〜どうもありがとうございました〜」
合格発表の中に、俺たちの名前は無かった。
M-1には夢がない。あるのは非情な審査と俺たちが面白くないという事実だけである。
M-1には夢がない
不条理コメディ、漫才台本風小説
"奇妙なラーメン店で繰り広げられる、笑いと絶望の不条理劇。"
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