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兀兀ππ

神影零

626 字

現代青春・内省小説

"無気力な日常に、微かな熱を灯す「ππ」の努力。"

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私は努力することができない。
たとえば、「テストで80点取れば5000円あげる!」なんて母親に言われても、「それよりスマホがしたい」と思ってSNSに耽る。
「次の一線がリーグ昇格のチャンス!」だと言われても、「別にだからできることは変わらない」と思って、だいたい負ける。たまには勝つ。
後悔はない。ただ、そこにあるのは私が努力できないという事実のみであり、そして私は空虚だった。
授業中にうたた寝し、先生に起こされ、ノートによだれがついていることもある。
かと思えば暑すぎてベッドでは寝られず、扇風機をガンガンに回してようやく夢に揺蕩う。
やはり私は空虚だった。
そんな私でも、本当にちょっとだけ努力できることはある。
推しのアイドルのツアーに行く、その瞬間だけは頑張る事ができる。
コンサート中は頑張れない。うるさいし眩しいから。でも、まだ期待があるその瞬間だけは頑張れる。
電車の中は同業者でいっぱいだし、汗をかいた中年男性もいるし、大声で泣く赤子もいる。
でも、それでも、期待が私の足を支え、なんとか立っていられる。
うちわ作りや鉢巻作りなんかも少しだけ努力できる。
文字をペタペタ貼り、写真を印刷し、「こっち向いて!」「ファンサして!」なんかを貼り付ける。
そういう時は、心の中がほんわかあったかくなって、笑みが少し溢れる。

本当に微々で、兀兀というよりはππのようなものだが。
ππと努力することはできる。

── 了 ──

読んでくれてありがとう。良かったら作者にスキを送ろう。

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