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だけ

神影零

546 字

青春叙情詩

"「だけ」という言葉が持つ、切なさと諦念、そして微かな希望が交錯する青春の断章。"

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光と月
またね またね
消えそうにちらちら輝いてた
離れないよ
またね またね
紡いだ小指 離れた
だけ

白い雲に
叫べ 叫べ
青空にぽっかり浮かんでいた
雨のなかで
もがけ もがけ
ただ君の帽子を探してた
だけ

なんでも知ってるつもりだった
あの頃の小さな少年は
学ランに着られ揺られ揺られて
自分をテキストに忘れてった

通り雨
跳ねて 跳ねて
こんな僕でも生きていいように
ホームまで
走れ 走れ
教科書が濡れていく
だけ

公園のブランコのきしみは
二人響かずにただ1人で
きいきいと耳をつんづかせているのに
海馬を撫でていて

スカートパサリと脱ぎ捨てた
少女は鏡と解離して
離れ行く理想を追いかけて
喉仏を抑えてた

太陽の影
離れ ばなれ
交わりの夏はとうの果て
薪をくべて
爆ぜて 爆ぜて
記憶は靄となる
だけ

あの子の声
届け 届け
心の隅に希望が居た
涙の音
止まれ 止まれ
届いたらもう帰れなくなる
だけ

肩の温度
流れ 流れ
胸の残雪溶かすように
二人のまま
歩め 歩め
快晴の下 また二人で歩いて
二本の影法師再び交わる

だけ

── 了 ──

読んでくれてありがとう。良かったら作者にスキを送ろう。

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