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手記

甘利

2,788 字

幻想文学、退廃的恋愛、ループもの

"狂気と甘美な香りに誘われ、小説家は破滅の螺旋を辿る。"

狂ってしまつたんだ

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これはある小説家の手記
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[b:8月15日]

人が狂うには良いくらいの日差しと熱だ。
今日、美しいと思う女 に会った。
これは何と言うか、一目惚れだった気がする。
何故だろうか、匂いが甘い何処かで
嗅いだ事がある。
まぁ良い、明日また見に行こう。
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[b:8月16日]

あの女 に会って話をした。
名前は松本杳菜 と言うらしい。
外見は今楊貴妃と言えるほどに美しい。
ふわりと感じた匂いは甘かった、
いや甘すぎる。
まぁ良い会話も弾んだ。
明日も会いに行こう。
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8月17日

人々が倒れるぐらい、暑かった。
杳菜さんと少し話をした。
彼女の事も自分の事も話した。
彼女の年齢は25らしい私より
2つ上であの若々しさ。
それには見えぬぐらい若かった。
杳菜さんの家の前まで送って帰った。
巷では戦争の話でごった返しだ。
明日は彼女に作品について聞いてみよう。
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8月18日

服の下の獣が見え隠れする夢を見た...疲れた。
行きつけの喫茶店甘村珈琲店に
杳菜さんと一緒に行った。
少し店主の甘村幹雄さんがおかしかった。
なんだって杳菜さんとは初めて来たのに、
甘村さんは
[来ると思ってたよ、いつもので良いかと 聞いてきた。]私一人で来る事は
よくあるが杳菜さんと来るのは
初めてだった
気にしないでまた杳菜さんを連れて行こう。
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8月19日

今日は異様に雨が降った、台風でも来るのか?
今日は雨だから、一日中作品を書いていた。
しかしアイデアが詰まってしまった。
そこで少し甘村珈琲店で
珈琲を飲んだが思いつかない。
もし明日、雨が降らなかったら
杳菜さんに会いに行こう。
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8月20日

日の入りが少し早くなった様な気がする。
今日も雨だが昼から少し止んだ。
朝は部屋の戸を全て閉め、自らの欲を放った。
昼からは少し後ろめたさを感じたが杳菜さんと    画商の所
に行き、私は杳菜さんに勧められて風景画を買った。
そして私は杳菜さんが離れてる合間に画商に、
杳菜さんに似ている、
女の裸体画が欲しいと伝えた。
あぁ、私は少し疲れたのだろうか?
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8月21日

今日は特にひどい雨だった、一日中降っていた。
私は今日は一日中机に向かって、渾身の新作を書き上げようとしたが、やはり最後の1章で詰まってしまった。
私は非常に背信的な行為をしてしまった。
あぁッこれは画商が悪い!何故あんなに似ている?似すぎてるッ!あぁ杳菜さんあぁ....私は貴女を好きになってしまった...字が読めない程にぐちゃぐちゃになっている貴女に晒したい。吐き出したい。
もう今日は寝よう。
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8月22日

何故か今日も雨だったが、家を出た。
今日は家から出ないと行けないと思った。
彼女の家の近くには行かないようにしよう。
ここからは破られて数日分は読めない
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[b:8月29日]

天気は上々であったしかし少しずつ肌寒さも出 てきた
杳菜さんが婚姻する事になった早数日私は無気力だった。
睡眠薬・ヒロポン・ケシ気持ち良い事全てやったが無理だった。小説の最後の一章が書けなくて死のうとした。
だけど死ななかった。首なんぞ括り死のうかと思えど死ねない。もう疲れた。
明日は彼女に会いに行こう...
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8月30日

今日は朝から杳菜さんと一日中一緒に居た。
私が最近顔色が悪いからと言う理由で来てくれたらしい
あぁ愛おしい。彼女と会った時のこの甘い匂いにも気づいた、これは彼女自身の魔性から来ていると、彼女の部屋に招かれた時に気づいた。
部屋に招かれ、一通り最近の事を話した、非常に虚しかった。その顔を見て彼女はこう言った「夕谷さんは心中に興味はありますか?」とあれは忘れない、親が子に想う優しさではない、彼女が放った言葉は愛ですらない。何か解らないがこの様な感覚になった事がある。   いつだろうか?まぁ良い明日は約束した夏が終わる、 明日は彼女とまた一日中過ごして、逝こう。
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8月31日22時

気持ちが良い、これは決して嗜好品の行為では無い。
私は初めて家族以外の裸体を見た。
朝から杳菜の家に誘われた、親や給仕・召使などが出払っているらしい。
私はそこで、彼女に誘われるが尽 彼女の部屋へ押し込まれた、そこには少し光る行燈と一組の蒲団が会った。彼女は服を[[rb:裸 > はだけ]]させ、その一部が魅惑的に鈍く光った。私も成るが尽に服を剥いだ、私の服の下は梅毒に侵されている様な模様が会ったそれを見ても彼女は「逝く前なのにそんなの気にしなくても良いでしょ」と囁いた。それからはこの部屋には理性の無い獣達が交わっていた、雄の獣は大層苛立っていた、自分が狩ろうとする、雌を取られる事は逆鱗に触れるのだろう。雌はその雄を絡めとる様に包み込んだ。
雄の身体は雌の熟れた身体を貪る様そして打ち付けた。部屋には乾いた音が聞こえた。
4時間が経っただろう。私達は生物の最高潮・本望・本懐を行った。その後私達は生物の本能の後、彼女が消え入る様に言う。「それでは、私達は逃げましょう、川の向こうや地の果てまでも。」と、
その後私達は鴨の川に逝った。
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[1944年9月1日月曜日号外

鴨の川にて水死体発見。
[[emphasismark:自殺か? > ﹅]]
水死体の身元は特定できず。
捜査難航
目撃者無し。
遺留品には小説一冊と[簪が流れていた。
昨夜から京都の小説家「夕谷久光」と財閥令嬢「松本杳菜」が行方不明。
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1944年9月2日火曜日号外

遺体は損傷激しく身元不明。
遺体の健康状態。
梅毒に侵されていた。
20代
体は焼かれている。
髪は黒だった。

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8月32日

死ねなかった

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8月15日

人が狂うには良いくらいの日差しと熱だ。
今日、美しいと思う女に会った。
これは何と言うか、一目惚れだった気がする。
何故だろうか、匂いが甘い何処かで嗅いだ事がある。
なぜだ顔を知っている。
まぁ他人の空似だな。明日でも会いに行こう。

── 了 ──

読んでくれてありがとう。良かったら作者にスキを送ろう。

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