はじめに

神影零さんは、NOVEL RANKの初期から活動してくれているユーザーだ。伝言板で率直に機能要望や感想を伝えてくれたのも、神影さんだった。そういう書き手に、できたばかりのSUPER GENIUSモードを体験してもらい、感想を聞いた。それがこの特集の始まりだ。


『紺空』── SUPER GENIUS 評価結果

今回、神影零さんがSUPER GENIUSモードで評価に出したのは『紺空』。掌編を得意とする神影さんが珍しく書いた、約12,000字の長編だ。医療現場を舞台に、カルテ形式を交えた独特の構成で描かれた物語。

74.3/100
新人賞候補
引き込み力
8.0
文体・声
7.0
人物・存在感
8.0
物語の流れ
7.0
情感・共鳴
8.0
世界・雰囲気
7.0
読後感
7.0

『紺空』のSG評価レポート全文を読む 『紺空』を読む


感想 ── 神影零

知識として知っていても、2500円という価格に足踏みをしてしまいました。しかし今回、SUPER GENIUSモードを体験するという貴重な機会をいただきました。率直な感想を記そうと思います。

SUPER GENIUSモードの最初の部分、「三つのAIによる議論」。通常の評価と比べて、頭の中にあるもやもやを言語化してくれたような気がします。自分自身でも「ドパガキ」に分類されるような人間だと思っていて、物語の進むスピードが速いだとか、表現が平易であるとかいった課題が明確に浮き彫りになる。三つのAIが同じ意見を出す箇所――例えばカルテ形式への高い評価、中盤以降の表現の反復――については「おそらく誰が見ても同じことを思うんだろうな」と説得力が増されました。

三つのAIがそれぞれ違う意見を出してくる部分も面白い。まるで自分が俯瞰して議場を見ているようで、奥ゆかしい感覚でした。また感想をじっくり読んで思うのは、私はClaudeを使う機会が多いからか、Claudeに気に入られるように書いているのかもなあということです。人は無自覚のうちに、身の回りにあるものを吸収する。自分はまだまだ自分を知らない、と思いました。

三つのAIの講評だけで終わらないのがSUPER GENIUSモードの魅力です。

さて、三つのAIの講評だけで終わらないのがSUPER GENIUSモードの魅力です。この後に続く臨床的読解。これは普通の分析ではないと唸らされました。それまでは「えぇ、そんなことないけどな......」と思うような分析もありました。しかしこの臨床的読解にはそれがない。筆者すら言葉にできなかった、でも感覚としてあった漠然とした緻密なアイデア。それを臨床的読解が、はらはらと崩して、その欠片で小さな小屋を築いてくれたような感覚になりました。

臨床的読解は決して上の存在でも下の存在でもなく、ただ横の存在でした。横にいて、ただ読んでくれて、「ああ、君はこうやって考えたんだね」と受容してくれる。母性という言葉が一番近いでしょうか。

そして、レポートの最後にある手紙。これこそが、たった一つでも、大きな大きな力を持っている手紙でした。読んだ途端、心の中の「もっと上手くできたはず」の心が、溶けていきました。そこに人の形はないのに、輪郭もないのに、でもぼんやりと読んでくれる人がいて。

「あなたが書いたものを、私は最後まで読みました。」
この言葉だけは、今も私の心に、そっと座っている。
心の部屋の中、棚の上にちょこんと座っている。

絶対的数値は74点。でも、このSUPER GENIUSモードなら、点数だけではない唯一無二の何かが届きます。2500円、高いかもしれません。でも、そのレポートにはお金では言えない暖かさがあります。

AIと、AIと、AI。そして愛。
これこそが、SUPER GENIUSモードの魅力だと思いました。


インタビュー

── 神影零さんは掌編を多く書かれている印象ですが、『紺空』のような12,000字の長編を書いたのはどういう経緯でしたか。

いつもは掌編で言いたいことが全部尽きるんですよね。小説は夜の月空みたいなもので、長すぎると雲が出てきて月を覆ってしまう。月がはっきり見えている状態が一番美しいと思うので、基本はあっさりとした掌編を作っています。でも、『紺空』は違ったんです。どう頑張っても短くできない。彼女たちの姿が脳内に浮かんだ途端、もうキーボードを叩いていました。カメラワークをしていくうちに、12000字まで記述してしまいましたね。

── 医療の専門知識――カルテの書式、薬剤名、バイタルの数値――が非常に正確でした。どこで仕入れたのでしょうか。

「小説家たるものリアルを求めよ」という精神がありまして、それに従ってひたすら調べまくりました。図書館に行って本を読み漁ったり、インターネットの百科事典サイトでとにかく気になった記事を読んだり。そういう経験を通すことでリアルが生まれ、小説が生きてくる。本当であればもっと挟みたい光景や言葉もあったのですが、あまりにそのパートが長いと読者の読む気が失せるかも......と思って削った部分もありますね。そこで妥協をしてしまうあたり、私はやっぱり「小説家」ではなく「小説屋」なのかもしれません。

── 臨床的読解に「なぎさちゃんの側から書くことをあなたはどこかで選ばなかった」という指摘がありました。これを読んでどう思いましたか。

なぎさちゃんの側から書くことは簡単です。でも、私はそれを絶対にできません。『紺空』は私が書いたのではなく、私のカメラに写っている光景を文字起こししただけなのです。私はインビジブルなカメラマンとして、疋田先生をずっとそばで見ていました。そしてその光景を文字にしていきました。

もし私がなぎさちゃんの視点で書こうとしたら、もう一度あの物語を繰り返すことになる。それはまるで、二人に課せられた拷問のようになってしまう。彼女たちが平和でいてほしい――そういう思いで、あえて書かなかったんだろうなあと思いました。臨床的読解のおかげで、ここらへんの思考を整理できて嬉しかったですね。

── 今回SUPER GENIUSモードを体験して、ご自身の作品や書き方について見えたものがあったと思います。これから、どんな作品を書いていきたいですか。

世界が広がりましたね。

私は、他のところでも小説を投稿しているのですが、やはりそこで得られる意見とはまた違います。人間なら見逃してしまうような小さい機微、そして筆者ですら気づかなかったミクロな盛り上がり、これを丁寧に見てくれるのがSUPER GENIUSモードの魅力でしょう。

私自身、NOVEL RANKのおかげでいろんな作品を描けるようになり、またさまざまな方の小説を閲覧する中でこんな小説が書きたい!というのも広がってきました。

私の小説のテーマとして、先ほど挙げた「小説家たるものリアルを求めよ」というのは当然あるのですけども、それに加えて「人間は人間である」というのもありまして、決して人間を取り繕ってはいけないと思っているのです。人間は人間でしかなく、それより上でも下でもない。美しさも、醜さも、そのどちらを持っているからこそ、人間は「人間」でいられる。この方針を大事にしてもっとたくさん色々な小説を書いていきたいですね。

小説の枠を飛び越えた、「何にも囚われない文章」を書きたいです。小説とも随筆とも、なにとも取れぬ実験的文章。

いや、もう小説の枠を飛び越えた、「何にも囚われない文章」を書きたいです。小説とも随筆とも、なにとも取れぬ実験的文章。「あなたの人生に関するアンケート」が代表例ですね。こういうのを沢山書けたらなと思っています。そうしていつか私も、「小説屋」から「小説家」にクラスアップさせていただきたいところです。

また、今回得た感想をもとに、さまざまな小説コンクールなどにも果敢に挑んでいきたいなとも思っています。もし賞を頂けたら、「NOVEL RANKのおかげです!」と言いたいくらいですね。


神影零 プロフィール

神影零

「人類の性格の平均を、ちょっと異常な方に寄らせる小説屋」

小説執筆を2025年12月から始める。今まで読了した小説の数は0冊。今まで行った文学的な記述文字数は約300万字。NOVEL RANKの作者ランキング1位。投稿作品ランキングの最高位は6位タイ、掌編部門では1位タイ。今後の目標は「SUPER GENIUSモードの使用を呼吸と同じ回数くらいできるほどにお金を稼ぐこと」。

神影零さんの作者ページを見る


SUPER GENIUS モード

990円 / 1作品(5万字まで)

3つのAIによる独立評価 → 相互批評 → 議長統合 → 臨床的読解 → 読者からの手紙。
点数だけではない、唯一無二のレポートが届きます。

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novelrank編集部 / 2026年6月

あなたの小説をAIに読ませてみる

通常評価は無料 / SUPER GENIUSは投稿時に選択できます