僕に残されていた愛の場所
80.0全評価の中央値 / 100

僕に残されていた愛の場所

abejunichi

身体性と愛を問う内省的SFロマンス 8,365字

境界があるから、愛がある。失われた僕が、君の体温に帰るまで。

@junichi_abe end2endworld.org 文筆家。 小説などを執筆。 主な作品は「KID A」「We should fall in love」「Symphonic Love」など。音楽を閃きに多様な小説を執筆。初の電子書籍となる「KID A」は、Radioheadの同名アルバムへのオマージュとして、8年間の構想の後、執筆された。また「We should fall in love」と「Symphonic Love」のふたつの短編をまとめた「Symphonic Love」を2015年に発表。2017年に自身の体験と想像をもとに人類の過去と未来を軸にした超越的旅行小説「awake」を発表。2022年7月に新作「Bird1」「United Future Organization」を同時電子書籍化。これ以降の小説はAIを活用。お仕事の依頼は[email protected]まで。

入院時の体験を元にした私小説です。

PICK UP — AIによる3行評価
記憶喪失の男が、デジタル社会で失われゆく愛と自己の本質を探求する思弁的なSF小説です。
SF的な悪夢のシークエンスが、現代社会の人間関係の希薄さを痛烈に批評し、深く心を揺さぶります。
愛と実存について深く考えたい方や、静かで哲学的な感動を求める読者に特におすすめの一冊です。

この作者の他の作品: 世界の沈黙 / 村上春樹をみつけたら / 学についての正しい沈黙 / インビジブルファミリー

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最新の評価レポート

2026-09-13 13:43 評価  ·  詳細レポートを見る

引き込み力
7.0
文体・声
8.0
人物・存在感
7.0
物語の流れ
8.0
情感・共鳴
8.0
世界・雰囲気
9.0
読後感
9.0
■ ジャンル・作風
身体性と愛を問う内省的SFロマンス

■ キャッチコピー
境界があるから、愛がある。失われた僕が、君の体温に帰るまで。

■ 総評
本作『僕に残されていた愛の場所』は、記憶喪失という古典的なモチーフを用いながら、デジタル社会における身体性の喪失と愛の本質という、極めて現代的なテーマを静謐かつ深く描き出した優れた一作である。物語は、病院の白い天井の下で目覚めた「僕」の、自己をめぐる内省的な語りから始まる。彼が唯一失わなかった妻「君」への想いを道標に、失われた自己を取り戻そうとする過程が、抑制の効いた美しい文体で綴られていく。

この作品を凡庸な闘病記や恋愛小説から一線を画させているのは、中盤で展開されるSF的な悪夢のシークエンスである。世界がゲームのUIに覆われ、人々が〈モブ〉や〈感動要員〉といったタグでラベリングされる光景は、現代社会が抱える人間関係の希薄化や、感情の消費文化に対する痛烈な批評となっている。「この世の終わりは爆発じゃない。誰かがスイッチを切るみたいに、静かに、静かに、ならされていく」という一節は、本作の世界観を象徴する名文だ。この悪夢を通じて、主人公は「統合」による安易な救済を拒絶し、個としての「境界」を保つことの重要性に気づく。この哲学的核心が、物語後半の展開に圧倒的な説得力を与えている。

構成もまた巧みである。現在(病室)、深層心理(悪夢) … 続きを読む

評価履歴

評価基準 05/28 19:38 07/09 21:09 09/13 13:42
引き込み力 8.0 8.0 ▲0.0 7.0 ▼1.0
文体・声 8.0 9.0 ▲1.0 8.0 ▼1.0
人物・存在感 7.0 7.0 ▲0.0 7.0 ▲0.0
物語の流れ 7.0 8.0 ▲1.0 8.0 ▲0.0
情感・共鳴 8.0 9.0 ▲1.0 8.0 ▼1.0
世界・雰囲気 8.0 9.0 ▲1.0 9.0 ▲0.0
読後感 9.0 9.0 ▲0.0 9.0 ▲0.0
合計 78.0 84.0 ▲6.0 80.0 ▼4.0
日時スコア状態
2026-09-13 13:42 80.0点 done レポート
2026-07-09 21:09 84.0点 done 同一本文 一長一短 レポート
改稿判定:一長一短

前回稿と今回稿を詳細に比較しましたが、内容に一切の変更が見られませんでした。改稿は行われていないと判断します。

次の優先点: 改稿の意図を明確にし、具体的な変更点を盛り込むこと。
2026-05-28 19:38 78.0点 done レポート