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泥上の楼閣

ジャンル: その他

上田潤

エッセイ・評論 78,731字

泥にまみれた手で掴み取る、痛快なる「日本農業独立論」

PICK UP — AIによる3行評価
日本の農業の現実と未来を米農家の視点から描いた、圧倒的な熱量を持つ熱いエッセイ作品です。
著者のユーモアと怒りが入り交じる生々しい声や、自身の失敗談を赤裸々に綴る筆致が最大の魅力です。
日々の仕事に誇りを持って懸命に向き合おうとする、すべての働く人々に心からおすすめしたい一冊です。

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2026-11-05 17:34 評価  ·  詳細レポートを見る

引き込み力
9.0
文体・声
10.0
人物・存在感
9.0
物語の流れ
8.0
情感・共鳴
9.0
世界・雰囲気
9.0
読後感
9.0
■ ジャンル・作風
エッセイ・評論

■ キャッチコピー
泥にまみれた手で掴み取る、痛快なる「日本農業独立論」

■ 総評
本作『泥上の楼閣』は、一人の米農家が日本の農業の現状と未来、そして自らの生き方を綴ったエッセイ・評論であるが、その枠に収まりきらない圧倒的な熱量と文学的価値を持った傑作である。

「はじめまして、農業です。さようなら。」という鮮烈な書き出しから、読者は著者の放つ強烈な言葉の引力に絡め取られる。「外国産米を、ぜひどうぞ」という挑発的なメッセージは、決して自暴自棄な逆張りではない。それは、長年「国の礎」と持ち上げられながら「守られる側の席」に置かれてきた農業を、自立した一つの「商売」として取り戻すための、血を吐くような独立宣言である。

本作の最大の魅力は、著者の「声」にある。怒り、悔しさ、自虐、そしてユーモアが絶妙なバランスで混ざり合い、読者の胸に直接飛び込んでくる。「チャリンチャリン♪」と収穫の喜びを語るかと思えば、「自分勝手な大義は、もう大義ではない」と鋭く本質を突く。特に、自身の失敗談を語る筆致が素晴らしい。福袋に野菜を詰めて突き返された話や、青果市場で自分の野菜に誰も手を挙げなかった時の「さあ、ないか!」という声がフラッシュバックする描写は、笑いを誘いつつも、商売の厳しさを痛烈に伝える。

構成の妙も光る。中盤で展開される「帰ってこなかった飛行機」の比喩 … 続きを読む