それは、糸を切るときに
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それは、糸を切るときに

玖条詩季

現代文学、喪失と再生 2,162字

母の死が刻んだ傷跡を、一本の細い糸が繋ぎ止める。

PICK UP — AIによる3行評価
母の死という深い喪失を抱えた少年が、繊細な「糸」のモチーフを通して心の傷と向き合う短編小説です。
喪失の理不尽さや絶望感を、静かで物悲しい筆致で情感豊かに描き出す表現力が最大の魅力でしょう。
大切な人を失った経験のある方や、心の機微を丁寧に描いた文学作品を読みたい方におすすめです。

この作者の他の作品: 濁り目たちと秋の幕あい赫の誕生親友の日記願わくば、その結び目を解くまでは

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最新の評価レポート

2026-08-05 15:14 評価  ·  詳細レポートを見る

引き込み力
7.0
文体・声
7.0
人物・存在感
7.0
物語の流れ
7.0
情感・共鳴
7.0
世界・雰囲気
7.0
読後感
7.0
■ ジャンル・作風
現代文学、喪失と再生

■ キャッチコピー
母の死が刻んだ傷跡を、一本の細い糸が繋ぎ止める。

■ 総評
本作『それは、糸を切るときに』は、母の死という重い喪失を抱えた少年の内面を、繊細かつ痛切に描き出した短編小説です。冒頭の「なあ、お守りって持ってるかい?」という語りかけから、読者は瞬く間に主人公「俺」の孤独な世界へと引き込まれます。特に「糸」というモチーフの使い方が秀逸で、母の命を奪った「ロープ」と、彼が「お守り」として持ち歩く「細い糸」との対比が、彼の心の傷と向き合う姿勢を象徴しています。「なんであんなにも違うんだ。なんで、母さんの命を奪ったんだ」という問いは、喪失の理不尽さに対する彼の絶望を鮮やかに映し出しています。物語は、墓参りの現在の情景と、母の死という過去の回想が交互に語られることで、主人公の精神的な葛藤と、現実への不適応感が丁寧に描かれます。全体を通して漂う静かで物悲しい雰囲気は、読者の心に深く染み入り、喪失の痛みを追体験させるような情感豊かな作品となっています。

■ 各基準の評価
1. 引き込み力(7/10)
冒頭の「なあ、お守りって持ってるかい?」という親密な問いかけは、読者を一瞬にして語り手の内面へと誘います。続く「俺はいつも、糸を持ち歩いてる」という意外な告白は、その「糸」が持つ意味への好奇心を強く刺激し、作品世界への没入を促します。語 … 続きを読む